ポイント1|焦らないようにプランにはゆとりを持って
今回の検証では、コースタイムと同等の速度で歩いてご来光の20分前に山頂に到着しました。
もしタイトなスケジュールを組んだ場合、些細なトラブルで「山頂に着いた頃には日が昇っていた…」なんてことにもなりかねません。地図上のコースタイムと自分の速度を照らし合わせ、ゆとりあるプラン立てが大切だと感じました。
また空が薄明るくなってきても焦りは禁物。焦りから思わぬ怪我をしてしまう危険も。この状態からご来光に至るまで1時間程度の時間差がありました。自分たちのペースで確実に山頂を目指していきましょう。
・自分の標準タイムを知った上で、ゆとりプランを計画しよう
・空が明るくなってきても焦りは禁物。ご来光までは、まだ時間がある!
ポイント2|音の鳴るもので自分の存在を知らせよう
熊などの野生動物との予期せぬ遭遇を避けるためには、人の存在を知らせることが必要。動物は人間の気配を感じることで、遠いところへ離れていきます。熊鈴やラジオなど音の鳴るものを携帯し、自分がいることをアピールすることで不要な遭遇をさけましょう。
・熊鈴やラジオなどを携帯し、動物に自分の存在を知らせよう
・人の会話も効果的。数人での暗所行動は○
ポイント3|暗闇でもスマホのGPSアプリが活躍!
スマホのGPSアプリはとても便利で、暗闇でもすぐに地形図と位置を把握することができました。道迷い・ルートファインディングミスを防ぐため、暗所行動では自分の現在地を一定間隔で確認しましょう。
・スマホのGPSアプリは便利!事前に登る山のデータをダウンロードを忘れずに
・スマホ充電用のモバイルバッテリーも携帯しておこう
・万が一に備え、地図とコンパスの所持は忘れずに
ポイント4|不要な外付けはさけよう
・荷物や道具の外付けは極力避ける。仕舞えるものはザック内に
・休憩後などは置き忘れがないか身の回りをチェック
ポイント5|足元に注意!でも下ばっかり見ていると…

・足元に注意!木の根っこや石なども日中より見えにくい
・足元ばかり見ていると看板や分岐を見落とす可能性も。周囲を見渡すクセを
ポイント6|想像以上に寒いかも?防寒対策は忘れずに
・明け方は想像以上に寒い!しっかりとした防寒対策を
・山頂は風が強い可能性が高い。耐風性のあるシェルも持っていくように
暗闇を攻略し、ご来光を目指す楽しみを
今回、改めてご来光登山の魅力に気づかされました。暗闇の世界を歩き、少しずつ明るくなっていく空、そして山頂でご来光を拝めた瞬間。このストーリーと達成感は他には変えがたい感動があります。
暗所行動はしっかりとした計画とポイントを抑えれば、決して無謀なものではありません。まずは近くの散歩道でも良いので、夜の道を体験してみてください。そこから危険を理解しそれに対応できる経験を積んでいくことで、道筋が見えてくるはずです。
暗闇が攻略できれば、また一つ新しい登山の楽しみ方が広がっていくでしょう。
※暗所行動は一般的な登山形態ではありません。また当記事は暗所行動を推奨するものではありません。単独行動や無理な計画は避け、不安な場合は経験者と同行するようにしましょう。
教えてくれた人:河合 宗寛ガイド
日本山岳ガイド協会認定山岳ガイドⅠ・スキーガイドⅠ。長野県条例 信州登山案内人。ウィルダネス・メディカル・アソシエイツ認定 ウィルダネス・ファースト・レスポンダー。
「その季節の最も素晴らしい場所に、最も適した入り方で」をコンセプトに、登山者をガイド。自身もジャンダルム、前穂北尾根を登ったり、沢登りやバックカントリーなどを通じて自然を楽しんでいます。