鳥甲山|秘境、秋山郷の名峰!スリリングな岩場を越える登山コース

2018/11/20 更新

鳥甲山は長野県の栄村にある山。周辺は「秋山郷」と呼ばれる秘境で、アクセスしにくい分、豊かな自然が残っています。鳥甲山は切れ落ちた尾根や岩場を越えるスリリングな登山コースがあることでも有名。難所を越えると山頂付近からは、秋山郷の美しい山々が望めます。温泉地としても人気なので、登山と一緒に秘湯巡りもおすすめ。


アイキャッチ画像出典:PIXTA

秘境に座する二百名山、鳥甲山(とりかぶとやま)

鳥甲山
標高山頂所在地山系最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
2038m長野県下水内郡栄村上信越高原19.6℃8.9℃
参考:ヤマレコ
日本の秘境100選にも選ばれている長野県栄村の秋山郷。鳥甲山はその秋山郷に座する山です。アクセスが悪い山奥に位置する分、手付かずの自然が登山者を魅了してやみません。東斜面に大岩壁を抱くその山容から、別名「第二の谷川岳」との呼び名も。

難易度は?

鳥甲山のヤセ尾根
提供:ヤマレコ/mamichi117(鳥甲山のヤセ尾根)
鳥甲山に至る登山道の難易度は、「信州 山のグレーディング」で難易度D(地図読み能力、岩場、雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術が必要・ルートファインディングの技術が必要)に設定されています。
その理由は、連続する急登・鎖場や両端が切れ落ちたヤセ尾根。シビアな登山道を進むスキルが必要な上級者向けの山です。

登山適期は?

鳥甲山 紅葉
提供:ヤマレコ/danyama(紅葉の鳥甲山)
一般的に、6〜10月が鳥甲山の登山適期といわれています。なかでも10月は山肌が燃えるように色づく紅葉のベストシーズン。壮大な自然美を求めて、もっとも多くの登山者が訪れる季節です。

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鳥甲山登山コース

鳥甲山の山頂に至るルートは2本。今回はムジナ平登山口から出発して、山頂を越えて屋敷登山口へ抜ける周回コースを紹介します。

ムジナ平登山口~鳥甲山~屋敷登山口 周回コース

鳥甲山登山コース
出典:ヤマプラ
距離コースタイム標高差日程難易度
約13㎞約8時間35分約1174m日帰り★★★★☆
参考:ヤマプラ
ムジナ平登山口(65分)→小水の頭(100分)→白クラの頭(85分)→鳥甲山(45分)→赤クラの頭(70分)→屋敷山鞍部(80分)→屋敷登山口(70分)→ムジナ平登山口

※周回コースとして紹介しますが、下山口である「屋敷登山口」から「ムジナ平登山口」までの距離は約5km。そのため、屋敷登山口に自転車などをデポしておくと帰りが楽になります。

ムジナ平登山口
提供:ヤマレコ/haembow(ムジナ平登山口)
登山ポストもあるムジナ平登山口は広い駐車場。計画書を提出してから出発しましょう。まずは約1時間の急登をこなします。標高を上げると見えてくるのが「小水の頭」。壁のようにそそり立つ少ピークです。

小水の頭
提供:ヤマレコ/ARAQ(小水の頭)
小水の頭をやり過ぎると、次に待ち受けるのが「万仏岩」。岩場を鎖と梯子で越える難所です。三点支持でバランスを保持しつつ、注意しながら攻略しましょう。

万仏岩
提供:ヤマレコ/ARAQ(万仏岩の鎖場)
万仏岩を完登してホッと一息ついたのも束の間。難所はまだ続きます。現れるのは岩場混じりの急登と、繰り返されるアップダウン。ここでの唯一の救いは展望の良さです。小休止を挟んで景色を楽しみながら進みましょう。

白クラの頭への登山道
提供:ヤマレコ/haembow(白クラの頭への登山道)
ヤセ尾根を慎重に通過してから傾斜が緩むと白クラの頭に到着です。ここからも切れ落ちた崖の上に伸びる細いリッジを進みます。鎖を利用して急斜面を下ると、降り立つのがカミソリ岩の基部。慎重にトラバースして越えていきます。

剃刀岩のトラバース
提供:ヤマレコ/ARAQ(カミソリ岩)
カミソリ岩を越えると一気に歩きやすい道に。振り返ると、目に飛び込んでくるのは秋山郷の集落と苗場山。風景を楽しみながら斜面を登りましょう。屋敷登山口への分岐まで到達すれば山頂はすぐそこです。

鳥甲山山頂
提供:ヤマレコ/danyama(鳥甲山山頂)
鳥甲山の山頂は木立が乱立する小さな広場。残念ながら目が醒めるような展望はありませんが、辿ってきたコースを思い出せば感動はひとしおです。達成感に浸りながら一服して屋敷登山口へ下山しましょう。

鳥甲山 展望
提供:ヤマレコ/danyama(山頂の手前からの眺望)
分岐を来た道とは逆方向に進路を取ると、眼下に抜群の展望が広がります。連なる山々と、その奥には広大な魚沼平野。絶景を眺めながら稜線歩きを楽しみましょう。

下山中の眺め
提供:ヤマレコ/haembow(下山時の眺め)
途中「ノゾキ」と呼ばれている鞍部から斜面を登り返した先が「赤クラの頭」です。ここは鳥甲山の山容を見上げることができる展望スポット。苗場山の眺望も見事です。

赤クラの頭からの眺め
提供:ヤマレコ/danyama(赤クラの頭からの鳥甲山)
視界が開けた明るい尾根を辿って高度を下げましょう。「赤クラの肩」と呼ばれるピークを越えた先が最後の急斜面。転倒やスリップには充分注意が必要です。坂道を降った先に現れる堰堤を回り込むように進みましょう。

堤防
提供:ヤマレコ/haembow(堰堤)
リボンの目印に導かれて歩き続けると約20分で屋敷登山口に到着。

屋敷登山口
提供:ヤマレコ/ARAQ(屋敷登山口)
屋敷登山口からは、車道を辿って出発地であるムジナ平登山口へ戻りましょう。徒歩で約70分の距離です。

山と高原地図 志賀高原 草津白根山・四阿山

ITEM
山と高原地図 志賀高原 草津白根山・四阿山
発行元:昭文社

登山と一緒に秘湯巡りはいかが?


実は鳥甲山の登山口がある秋山郷は、温泉地としても有名。登山の後、何もせずに帰るのはちょっともったいない。せっかくなので秘湯巡りはいかがですか?ここでは登山口から近い名湯を紹介します。

ムジナ平登山口周辺

切明温泉
切明温泉
出典:PIXTA
登山口から車で約20分の距離にある温泉地が「切明温泉」。ここでの名物は天然の露天風呂。河原には源泉が流出しているため、河床を掘り下げれば野湯を楽しむことができるのです。周辺には宿泊施設もあり、日帰り入浴も可能。

切明温泉(栄村秋山郷観光協会HP)

和山温泉
和山温泉 和山温泉は江戸時代、秋田マタギによって発見されたといわれている温泉地です。登山口からは車で約30分。宿泊施設は3軒ありますが、日帰り入浴はいずれも不可。廃業している仁成館という施設で日帰り入浴できる場合があるので、問い合わせをしてから訪れましょう。

和山温泉(栄村秋山郷観光協会HP)

上野原温泉
上野原温泉 上野原温泉にある「のよさの里 牧之の宿」は本家と廊下でつながる7戸の分家でなる宿泊施設です。江戸時代、秋山郷を世に紹介した文人「鈴木牧之」にちなんで名付けられました。登山口からは約40分。自慢の露天風呂からは鳥甲山を眺めることができます。

のよさの里 牧之の宿
所在地:長野県下水内郡栄村大字堺18020-49
電話番号:025-767-2345
営業期間:4月末〜11月上旬
料金:大人500円、小人300円

のよさの里 牧之の宿HP

屋敷登山口周辺

屋敷温泉
屋敷温泉 登山口から車で約30分の位置にある屋敷温泉。そこに佇む秀清館の温泉は、当日の天候によって色が変化する神秘の湯。秋山郷唯一の硫黄泉でもあり、夏には風情あるホタルの舞を眺めることができます。

湯元 秀清館
所在地:長野県下水内郡栄村大字堺17599-3
電話番号:025-767-2168
営業期間:4月中旬〜11月上旬
料金:大人600円、小人300円
湯元 秀清館HP

小赤沢温泉
小赤沢温泉 湯船を埋めるのは赤褐色のお湯。見ただけで泉質の高さが伺えるのが小赤沢温泉です。楽養館では入浴はもちろん、郷土料理や休憩も可能です。登山の疲れを温泉と食事のセットで癒やしましょう。

楽養館
所在地:長野県下水内群栄村大字堺1820
電話番号:025−757−2297
営業期間:4月〜11月中旬
料金:大人500円、小人200円

楽養館HP

登山口へのアクセス・駐車場情報

最後に登山口へのアクセス方法を紹介します。公共交通期間でのアクセスは不可。マイカーか、レンタカーを手配して山行計画を立てましょう。

ムジナ平登山口へのアクセス

【車の場合】
関越道 塩沢石打IC-ムジナ平登山口(約1時間45分)

<駐車場>
駐車可能台数:約20台
料金:無料
トイレ:なし


【電車・バスの場合】
公共交通機関ではアクセスできません。

屋敷登山口へのアクセス

【車の場合】
関越道 塩沢石打IC-屋敷登山口(約1時間30分)

<駐車場>
駐車可能台数:約5台
料金:無料
トイレ:なし


【電車・バスの場合】
公共交通機関ではアクセスできません。

上級登山者に与えられるご褒美は、秘境の登山と温泉巡り

鳥甲山
出典:PIXTA
日本アルプスに代表されるメジャーな山域とは違い、鳥甲山はマイナーな山と言わざるを得ません。しかし、ここには未だにスポットを浴びていない魅力がひっそりと潜んでいます。困難な登山道を攻略したあかつきの達成感。そして下山後の温泉巡りの楽しみは、登頂者のみに与えられる最高のご褒美なのです。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。

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吉澤英晃
吉澤英晃

群馬県出身。大学時代に所属した探検部で登山を開始。以降、沢登り、クライミング、雪山、アイスクライミング、山スキーなど、オールジャンルで山を楽しむ。登山用品の営業職を経て、現在はフリーの編集・ライターとして活動中。

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