紙の地図は、道に迷ってから出しても遅い!
「道迷い遭難対策として地図とコンパスを持ちましょう」というのは、昔から登山者の常識です。みなさん、地図とコンパスは持って行ってますよね?
しかし、多くの人が勘違いしていますが、道に迷ってから紙の地図を広げても手遅れなんです。
なぜなら、紙の地図やコンパスは自分が今どこにいるのか分かっている状態で、道に迷わないために使うものだから。
紙の地図だけで正しくナビゲーションするには、地形やランドマークを利用して、現在地を把握し続ける必要があります。地図から地形や記号を読み取り、実際の谷、尾根、鞍部、ピークなどと照らし合わせていく作業は、時間も掛かり大変です。
本当に地図とコンパスだけで現在地、わかりますか?
YAMA HACK編集部が2018年9月に実施したアンケートでは、全体の36%が『地図とコンパスで現在地を特定できない』ということがわかりました。
コンパスで名前が分かっている建物や山、送電の鉄塔などの方位を測って現在地を特定する「クロスベアリング」という方法があります。
しかし、都合よくそんな目標物が見えることはほとんどありません。なぜなら、道に迷う時は谷間や樹林帯、霧などで視界が悪いことが多いからです。視界が悪ければ目標物は見えず、クロスベアリングは使えません。
道迷いに気づくと冷静な判断力を失う
道に迷って冷静さを失えば、地図読みの達人でも読み間違えることもあります。地図に慣れていない人なら、なおさらです。
紙の地図とコンパスを持っていても、現在地がわからなければどうしようもないのです。
じゃあ、実際に迷ったらどうしたらいいの?
万が一、道に迷ってしまったら、まずは現在地を知ることが大事です。しかし、迷ってから紙の地図を取り出しても手遅れ。では、どうしたらいいのでしょうか?