紙の地図とコンパスだけで、道迷いしない自信ありますか?

長年、道迷い遭難を防ぐ方法として「紙の地図とコンパスを持ちましょう」と唱えられてきました。しかし、遭難は毎年増える一方です。この状況で「紙の地図とコンパスがあれば道に迷わずに済む」と言えるのでしょうか?今回は、道迷い遭難を減らすためにできることがないかを考えてみました。


撮影:松本圭司

紙の地図は、道に迷ってから出しても遅い!

登山 道迷い
撮影:松本圭司
「道迷い遭難対策として地図とコンパスを持ちましょう」というのは、昔から登山者の常識です。みなさん、地図とコンパスは持って行ってますよね?

しかし、多くの人が勘違いしていますが、道に迷ってから紙の地図を広げても手遅れなんです。

なぜなら、紙の地図やコンパスは自分が今どこにいるのか分かっている状態で、道に迷わないために使うものだから。

紙の地図だけで正しくナビゲーションするには、地形やランドマークを利用して、現在地を把握し続ける必要があります。地図から地形や記号を読み取り、実際の谷、尾根、鞍部、ピークなどと照らし合わせていく作業は、時間も掛かり大変です。

本当に地図とコンパスだけで現在地、わかりますか?

コンパスと地図
撮影:松本圭司
YAMA HACK編集部が2018年9月に実施したアンケートでは、全体の36%が『地図とコンパスで現在地を特定できない』ということがわかりました。
(n数=2,483人)
コンパスで名前が分かっている建物や山、送電の鉄塔などの方位を測って現在地を特定する「クロスベアリング」という方法があります。
しかし、都合よくそんな目標物が見えることはほとんどありません。なぜなら、道に迷う時は谷間や樹林帯、霧などで視界が悪いことが多いからです。視界が悪ければ目標物は見えず、クロスベアリングは使えません。

道迷いに気づくと冷静な判断力を失う

道迷い
撮影:松本圭司
道に迷って冷静さを失えば、地図読みの達人でも読み間違えることもあります。地図に慣れていない人なら、なおさらです。

紙の地図とコンパスを持っていても、現在地がわからなければどうしようもないのです。


じゃあ、実際に迷ったらどうしたらいいの?

登山道
撮影:松本圭司
万が一、道に迷ってしまったら、まずは現在地を知ることが大事です。しかし、迷ってから紙の地図を取り出しても手遅れ。では、どうしたらいいのでしょうか?

答え:まずは、GPSを使いましょう

登山用GPSアプリ
撮影:松本圭司
道に迷ってしまったら、慌てず騒がずGPSを使いましょう。GPS専用機でもいいですし、今どきはスマホのGPS機能も十分役立ちます。素早く簡単に、正しい現在地を教えてくれるでしょう。現在地が分かれば、紙の地図と併用することも出来ますし、端末だけでナビゲーションすることもできます。


次に、助かるための最善策を考えよう

雪山登山
撮影:松本圭司
現在地が分かったら、

・可能なら来た道を戻る。
・登山道でない沢には降りない。
・安全な道を選んで、尾根やピークを目指してから降りる道を探す。

など、道迷い遭難対策の基本通りに行動します。また、無理しないことも大事です。危険と判断したら、躊躇せず救助要請をしましょう。

やってますか?登山前の地図読み

登山 地図
撮影:松本圭司
登山中の読図地図読みも大事ですが、登山前の地図読みも大切です。

地図を見ながら脳内登山をしておくと、間違った時に『あれ?思ってた景色と違う。あるはずの建物が無いぞ(あるいは予想していた地形と違う)、間違ったかも?』と気づくことが出来ます。事前の脳内登山には、紙の地図が便利です。以下のポイントを抑えてやってみましょう。

事前地図読みのチェックポイント
・登山口から予定コースを順に見ていき、道の分岐をすべて確認しましょう。重要な分岐には、メモを書いておきましょう。
・通過するポイントには、予定時刻を記入。簡易計画書として、活用します。
・等高線の詰まり具合から、傾斜や地形の変化を読み取りましょう。上の写真のように、標高100mごとに線を書き足しておくと、傾斜を把握しやすくなります。
・地図記号から植生(広葉樹、針葉樹、畑など)や建物、橋、ダムなどを読み取り、歩いていくとどういう景色が出てくるかイメージしましょう。

登山中、異変を感じたり、間違いに気づいたら、GPSも併用してすぐに現在地を確認しましょう。

紙地図とコンパス、そしてGPSの併用を

登山 地図
撮影:松本圭司
GPS端末やスマホは機械ですから故障や電池切れのリスクがあり、紙の地図には紛失や濡れによる破れなどのリスクがあります。

しかし、GPS端末と紙の地図の両方を持っていれば、お互いに保険として使用可能です。紙の地図、コンパス、GPS端末は道迷い対策の必須装備と言えるでしょう。

ただし、紙の地図でもGPSでも、道具に頼り切ってはいけません。道具は頼るものではなく使うものです。それぞれの道具を使いこなせるように練習しましょう。

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コンパスと地図
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松本圭司
松本圭司

アプリ作家、ライター、料理研究家、山好き(GPS&読図講師)。30日間マクドナルド生活シリーズをやったり、デイリーポータルZで記事を書いたり、スマホアプリを作ったりしてます。 代表アプリはジオグラフィカ、国土マップR、DIY GPS、速攻乗換案内、雨かしら?雨時雨など。

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