登山の道迷いはなぜ起こる?原因と対策をしって山を楽しもう!

2020/08/13 更新

“登山での遭難で最も多いのが「道迷い」。登山中、「この道であっているかな…」と不安に感じたことはないでしょうか?そう感じた時に正しい行動が取れれば、道迷い遭難は減らすことができるんです。今回は、道に迷った時にやってしまいがちな危険な行動とその理由をみていき、いざという時の対処方法について解説していきます。ぜひ、安全登山に役立ててください。


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「下に降りれば下山できるでしょ」に潜む危険とは?

道迷い 下山
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下山時、「こんな道通ったかな?」と思いながらも「まぁ下れば大丈夫でしょ!」と、そのまま下り続けたことがある人も多いのではないでしょうか?その時は無事下山できたかもしれませんが、遭難につながっていた可能性もあります。

「道迷い」が遭難の原因ワースト1

道迷い
YAMA HACK編集部作成/データ元:警察庁(平成29年夏期における山岳遭難の概況)
遭難の理由として最も多いのが”道迷い”。道に迷ったら、わかるところまで来た道を戻るのが基本の考え方です。来た道を戻り、正しい道に戻れば道迷いはなくなるはず。

ですが、実際はうまくいっていないようです。それはどうしてなのでしょうか?

※今回は歩いてきた道がわかっている状態での内容です。実際の登山者の中には、登山道の様子をあまり見ておらず、自分がどこを通ってきたか覚えていないこともあるようです。

やってしまいがちな危険な行動とその理由

道迷い 登山者
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道に迷った時、少なからず不安な気持ちや焦りが生まれます。その不安や焦りがどう危険な行動につながるのか、みていきましょう。

①正常性バイアスによって楽観的になる

道迷い
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《行動例》
自分がどこにいて、どこが正しい道かわからないのに「ここを下れば大丈夫」などと思い込み、下り続ける。

《そこに潜む危険》
先に何があるかわからない状態なので、急に道がなくなる可能性があります。そうなってしまった場合、現在地がわからないため、正しい対処が困難な状態です。

《理由》
正常性バイアス(*1)がかかっているため、「道に迷ったかも」という不安を根拠のない前向きな気持ちで、打ち消そうとしています。

※1 正常性バイアス…心理学用語で、「自分にとって都合の悪い情報」を無視したり、過小評価してしまう人の特性のこと。自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。

(出典:Wikipediaより抜粋)

そのため、実際に正しい登山道がわからないにも関わらず、「なんとかなる」と思い込み下ってしまうのです。その他にも、何かが遠くに見えた時に「あれは●●だから、あっちに行けば大丈夫」と思い込み、その方向に進むということも不安を隠すためにやってしまいます。

②疲れから、楽な方法を選んでしまう

道迷い 疲れ
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《行動例》
「道に迷ったら来た道を戻る」ということは知っているが、登り返さずに下る。

《そこに潜む危険》
それ以上進めなくなった場合、体力を消耗するだけでなく、焦りや落胆で精神的にも疲れが出て行動不能になります。

《理由》
人は、今まで費やした体力とこれから登り返すことに使う体力を比べた時に、これからのことがわからないにも関わらず過小評価する傾向にあります。そのため、自分が今まで下ってきた苦労を無駄にしないために、下るという判断をしてしまうのです。

③なんとか下山しなければ!と焦ってしまう

道迷い 焦り
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《行動例》
危険な道を無理やり下ったり、沢に降りてしまう。

《そこに潜む危険》
滑落や滝への転落など命の危険に直結する事故につながります。

《理由》
焦りで正しい判断ができる状態ではなくなっています。早く下山しないとバスがなくなる、明日会社に行けない、日が落ちてしまうなど時間の制約が原因で焦ってしまうこともあります。そういった焦りが頭を支配した状態になると、間違っているとわかっていても危ない道を進んでしまうのです。

その他にも、自分が道を間違えて友達を迷わせたらどうしよう、食料が足りないから下山しないと、救助を呼ぶとお金が沢山かかるから家族に迷惑をかけてしまうなど、様々な理由で人は不安になり焦ってしまいます。

「迷ったかな?」と思ったら、まずは焦らず落ち着こう

道迷い
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道に迷った時に一番大切なのはまず”焦らず、冷静に判断できるようになる”こと。しっかりと不安な気持ちを抑えて正しい判断をすることが、遭難を防ぐために重要です。


まずは立ち止まる

道迷い
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むやみに歩いて体力を消耗しないために、まずは一度立ち止まりましょう。そして、深呼吸するなどして心を落ち着かせることが大事です。

食事をとる

道迷い
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食事をとることで体に必要なエネルギーが補給できるので、正しい道に戻るための体力を蓄えましょう。また、立ち止まって食事を取ることで不安な気持ちを緩和できます。

事前にしっかりと準備をしておきましょう

登山 準備
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事前に地図で緊急時の下山路を確認しておくことや、必要な持ち物を揃えておくことも大切。「食料は足りるかな?」「一晩過ごす道具はあるかな?」などの心配をしなくてすむので、不安な気持ちを減らすことができます。

▼登山に必要な持ち物を知りたい人はこちら

基本を抑え、柔軟な対応をしよう

道迷い
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食事や深呼吸で落ち着いたら、この後の行動を冷静に考えます。基本的には「わかる所まで来た道を戻る」や「見つかりやすいように上に登る」が原則です。しかし、あくまで原則なので状況を捉えて落ち着いて判断しましょう。

まずが自分がどこにいるのかを知る

道迷い コンパス
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まずは地図やコンパス、GPSやスマホアプリなどで自分がどこにいるのかを把握しましょう。自分がどういう状況にいるかがわかれば、幾分か不安も和らぐはずです。

ログを取っておくと客観的に自分がどの道を通ってきたかわかるので、登山道に戻りやすくなります。
※樹林帯など周りが見えにくい場所で地図とコンパスでの現在地特定は非常に困難です。地図を持っていても、必ずGPSアプリを使える状態にしておきましょう

▼スマートフォンに便利なGPSアプリを入れておこう

周りの状況を把握

道迷い
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自分の位置がわかったら、景色や地図で周りの状態を確認しましょう。登山口まではどれくらい掛かりそうなのか?危険な箇所はないか?などを確認します。

登山口の目の前にいる場合は、原則どおり上に登ることが100%正しいとは限りません。状況に合った行動をするために、落ち着いて周りの状況を把握してください。

基本を抑えて柔軟な対応をしよう

道迷い
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上でもお伝えしたとおり、その場に合わせた柔軟な対応が大事です。ただし、基本をおろそかにしないとも同じくらい大切。

頂上に向けて登山道は集まるので、登り返すほうが登山道を見つける可能性は高くなります。また、遮るものが少ない開けた場所の方が電波が入りやすいことが多いので、電話で救助を要請できる可能性があがります。

沢にはくだらない

道迷い
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沢を下ることは、最も避けるべき行動です。沢は樹林帯に比べて藪などが少ないので歩きやすく、下へ向かっていることから「このまま下れるのでは?」と錯覚してしまいます。しかし、沢は突如滝に変わり、先に進めなくなったり、水の中に落ちたりと危険が潜む場所でもあるので、沢には降りないようにしましょう。

めんどくさいは厳禁

道迷い
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道を戻るのが面倒、地図を細かく確認するのが面倒ということは絶対なしです。登山道を外れないように歩くという基本的な行動ができていれば、道迷いはほとんど考えらません。めんどくさいなどと思わず、小まめに確認をしながら、丁寧に歩きましょう。

動かないという事もOK

道迷い
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怪我をしている、動ける体力がないという場合には体力の消費を抑えるのも大切。ただし、登山届けを出していないと誰も探してくれない、ということもあります。そうならないためにも登山届けは提出し、周りの人に伝えておきましょう。

▼登山届があなたの命を守ります。必ず提出しましょう。

自分の歩いている景色や道をしっかりと見ておく

道迷い 写真
出典:PIXTA
普段の登山をする時も重要なことですが、道のついていない場所を歩くような上級者の登山をしない限り、基本的にあるくのは登山道です。その上をきちんと歩ければ、道に迷うことは基本的に考えられません。周りの状況や道を確認しながら、歩く習慣をつけましょう

また、登山道の写真を撮っておくことも役に立ちます。そうすれば、いざという時にそこを通ったかどうかが、すぐにわかりやすくなりますよ。

基本を大事に、道迷い遭難をなくそう

道迷い
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登山中の「この道であってるかな」と言うサインを逃さないようにしましょう。まずは焦らないこと。そして、不安に思ったらGPSや地図できちんと自分がどこにいるかを確認しましょう。そして、必要であれば、来た道を戻るなど簡単なことが命を守るのです。

道に迷ってからの行動も大事ですが、一番は道に迷わないこと。登山道を確認しながら、景色を楽しんで歩きましょう。

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YAMA HACK編集部 大迫
YAMA HACK編集部 大迫

YAMA HACK運営&記事編集担当。六甲山で山歩きをはじめ、関西・中四国の山を中心に歩き回る。 超重度の高所恐怖症。ボルダリングやトレランも好きですが、無心で山をひたすら歩くのが一番好きです。 読んでくれた人に新たな発見や行動のきっかけを与えられるようなコンテンツを届けていきます。

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