登山の道迷いはなぜ起こる?原因と対策をしって山を楽しもう!

“登山での遭難で最も多いのが「道迷い」。登山中、「この道であっているかな…」と不安に感じたことはないでしょうか?そう感じた時に正しい行動が取れれば、道迷い遭難は減らすことができるんです。今回は、道に迷った時にやってしまいがちな危険な行動とその理由をみていき、いざという時の対処方法について解説していきます。ぜひ、安全登山に役立ててください。


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「下に降りれば下山できるでしょ」に潜む危険とは?

道迷い 下山
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下山時、「こんな道通ったかな?」と思いながらも「まぁ下れば大丈夫でしょ!」と、そのまま下り続けたことがある人も多いのではないでしょうか?その時は無事下山できたかもしれませんが、遭難につながっていた可能性もあります。

「道迷い」が遭難の原因ワースト1

道迷い
YAMA HACK編集部作成/データ元:警察庁(平成29年夏期における山岳遭難の概況)
遭難の理由として最も多いのが”道迷い”。道に迷ったら、わかるところまで来た道を戻るのが登山の基本です。来た道を戻り、正しい道に戻れば道迷いはなくなるはず。

ですが、実際はうまくいっていないようです。それはどうしてなのでしょうか?

やってしまいがちな危険な行動とその理由

道迷い 登山者
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道に迷った時、少なからず不安な気持ちや焦りが生まれます。その不安や焦りがどう危険な行動につながるのか、みていきましょう。

①正常性バイアスによって楽観的になる

道迷い
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■行動例
自分がどこにいて、どこが正しい道かわからないのに「ここを下れば大丈夫」などと思い込み、下り続ける。
■そこに潜む危険
先に何があるかわからない状態なので、急に道がなくなる可能性があります。そうなってしまった場合、現在地がわからないため、正しい対処が困難な状態です。
■理由
正常性バイアス(*1)がかかっているため、「道に迷ったかも」という不安を根拠のない前向きな気持ちで、打ち消そうとしています。

※1 正常性バイアス…心理学用語で、「自分にとって都合の悪い情報」を無視したり、過小評価してしまう人の特性のこと。自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。 (出典:Wikipediaより抜粋)

そのため、実際に正しい登山道がわからないにも関わらず、「なんとかなる」と思い込み下ってしまうのです。その他にも、何かが遠くに見えた時に「あれは●●だから、あっちに行けば大丈夫」と思い込み、その方向に進むということも不安を隠すためにやってしまいます。

②疲れから、楽な方法を選んでしまう

道迷い 疲れ
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■行動例
「道に迷ったら来た道を戻る」ということは知っているが、登り返さずに下る。
■そこに潜む危険
それ以上進めなくなった場合、体力を消耗するだけでなく、焦りや落胆で精神的にも疲れが出て行動不能になります。
■理由
人は、今まで費やした体力とこれから登り返すことに使う体力を比べた時に、これからのことがわからないにも関わらず過小評価する傾向にあります。そのため、自分が今まで下ってきた苦労を無駄にしないために、下るという判断をしてしまうのです。

③なんとか下山しなければ!と焦ってしまう

道迷い 焦り
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■行動例
危険な道を無理やり下ったり、沢に降りてしまう。
■そこに潜む危険
滑落や滝への転落など命の危険に直結する事故につながります。
■理由
焦りで正しい判断ができる状態ではなくなっています。早く下山しないとバスがなくなる、明日会社に行けない、日が落ちてしまうなど時間の制約が原因で焦ってしまうこともあります。そういった焦りが頭を支配した状態になると、間違っているとわかっていても危ない道を進んでしまうのです。
その他にも、自分が道を間違えて友達を迷わせたらどうしよう、食料が足りないから下山しないと、救助を呼ぶとお金が沢山かかるから家族に迷惑をかけてしまうなど、様々な理由で人は不安になり焦ってしまいます。

「迷ったかな?」と思ったら、まずは焦らず落ち着こう

道迷い
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道に迷った時に一番大切なのはまず”焦らず、冷静に判断できるようになる”こと。しっかりと不安な気持ちを抑えて正しい判断をすることが、遭難を防ぐために重要です。


まずは立ち止まる

道迷い
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むやみに歩いて体力を消耗しないために、まずは一度立ち止まりましょう。そして、深呼吸するなどして心を落ち着かせることが大事です。

食事をとる

道迷い
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食事をとることで体に必要なエネルギーが補給できるので、正しい道に戻るための体力を蓄えましょう。また、立ち止まって食事を取ることで不安な気持ちを緩和できます。

事前にしっかりと準備をしておきましょう

登山 準備
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事前に地図で緊急時の下山路を確認しておくことや、必要な持ち物を揃えておくことも大切。「食料は足りるかな?」「一晩過ごす道具はあるかな?」などの心配をしなくてすむので、不安な気持ちを減らすことができます。
▼登山に必要な持ち物を知りたい人はこちら

基本を抑え、柔軟な対応をしよう

道迷い
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食事や深呼吸で落ち着いたら、この後の行動を冷静に考えます。基本的には「わかる所まで来た道を戻る」や「見つかりやすいように上に登る」が原則です。しかし、あくまで原則なので状況を捉えて落ち着いて判断しましょう。

①まずが自分がどこにいるのかを知る

道迷い コンパス
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まずは地図やコンパス、GPSやスマホアプリなどで自分がどこにいるのかを把握しましょう。自分がどういう状況にいるかがわかれば、幾分か不安も和らぐはずです。

▼スマートフォンに便利なGPSアプリを入れておこう

②周りの状況を把握

道迷い
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自分の位置がわかったら、景色や地図で周りの状態を確認しましょう。登山口まではどれくらい掛かりそうなのか?危険な箇所はないか?などを確認します。
登山口の目の前にいる場合は、原則どおり上に登ることが100%正しいとは限りません。状況に合った行動をするために、落ち着いて周りの状況を把握してください。

③基本を抑えて柔軟な対応をしよう

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上でもお伝えしたとおり、その場に合わせた柔軟な対応が大事です。ただし、基本をおろそかにしないとも同じくらい大切。
頂上に向けて登山道は集まるので、登り返すほうが登山道を見つける可能性は高くなります。また、遮るものが少ない場所の方が電波が入りやすいことが多いので、電話で救助を要請できる可能性があがります。


沢には絶対にくだらない

道迷い
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沢を下ることは、最も避けるべき行動です。沢は樹林帯に比べて藪などが少ないので歩きやすく、下へ向かっていることから「このまま下れるのでは?」と錯覚してしまいます。しかし、沢は突如滝に変わり、先に進めなくなったり、水の中に落ちたりと危険が潜む場所でもあるので、沢には降りないようにしましょう。

めんどくさいは厳禁

道迷い
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道を戻るのが面倒、地図を細かく確認するのが面倒ということは絶対なしです。歩いたらその都度、自分の場所を確認をするという基本的な行動ができていれば、道迷いになることは考えらません。めんどくさいなどと思わず、小まめに確認をしながら、丁寧に歩きましょう。

動かないという事もOK

道迷い
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怪我をしている、動ける体力がないという場合には体力の消費を抑えるのも大切。ただし、登山届けを出していないと誰も探してくれない、ということもあります。そうならないためにも登山届けは提出し、周りの人に伝えておきましょう。
▼登山届があなたの命を守ります。必ず提出しましょう。

事前にカメラや携帯で、道を撮影しておく

道迷い 写真
出典:PIXTA
登りも下りも同じ道を通る予定であれば、登りの時に登山道の写真を撮っておきましょう。そうすれば、いざという時にそこを通ったかどうかが、すぐにわかります。

基本を大事に、道迷い遭難をなくそう

道迷い
出典:PIXTA
登山中の「この道であってるかな」と言うサインを逃さないようにしましょう。まずは焦らないこと。そして、道に迷ったと思ったら立ち止まり、地図を見ます。そして、必要であれば、来た道を戻るなど簡単なことが命を守るのです。しっかりと準備をして、安全に登山を楽しんでください。

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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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