写真でポイント解説!不帰ノ嶮の核心部
危険なネーミングの不帰ノ嶮は、中・上級者向きの登山エリア。ここでは白馬側から唐松へ向かうコースの核心部について説明していきますので、ぜひ登山イメージの参考にしてみてくださいね!
①まずは天狗の大下りでとんでもなく下る!

天狗の大下りは、白馬から進み、天狗ノ頭を超えた先にあります。写真右上の赤く囲ったところからの急斜面が「天狗の大下り」と呼ばれていて、写真で見ても落差がハンパないです!

ご丁寧に天狗の大下りの始まりを知らせてくれる看板。高度感がとてつもなく「本当にここを下るのか……」とげんなりしそうなほど。距離にして300mを一気に下ります。気を引き締めていきましょう!

一歩間違えれば、滑落してしまいそうな鎖場は慎重に足場を確保して進みましょう。振り返れば絶景が広がっていますが、ゆっくり見ている余裕はないかも。

天狗の大下りの鎖場は、ほとんど垂直な崖です。下るときは三点支持を意識して、鎖を信用すぎないようにしましょう。
イメージできるかと思いますが、両手で鎖を握り完全に頼ってしまうと、体が左右へ振られて危険です。長い鎖場を抜けるとガレ場が多くなるので、落石には十分注意してください。

緊張の鎖場を下り切ったら、最低コル・不帰キレットに到着します。不帰キレットは歩きやすい道で、最低コルは休みやすい場所。できればここで休憩し、来る登りに備えましょう!
②続いてⅠ峰へ

最低コルまで来たら、次はここ「Ⅰ峰」を目指します。

Ⅰ峰は、不帰ノ嶮の核心部でこそありませんが、うっかりミスが怖いところ。切り立った岩場は、鋭く尖っていてかっこいいです。

黄色い看板が見えたら頂上に到着。ですが、Ⅰ峰の登りはまだまだ序の口で、これから迎える難所と比べたら大したことはありません。本当の核心は次ですよ!
③いよいよ難所!Ⅰ峰からⅡ峰北峰へ

次はここの赤枠から、いよいよ核心のⅡ峰北峰へとアタックしていきます。

難所であるⅡ峰北峰は、来る者を拒む勢いの険峻な岩場地帯。本当に登れるのか不安になりますが、ここを下るよりはまだマシ……?

唐松側から降りてきている人の写真。逆コースを行く人は、写真のようにここを降りなければなりません。

Ⅱ峰の鎖場に到着。ここから本格的な登りがスタートがするので、気合いを入れていきましょう!

登り始めたら、あとは頂上を目指して登り切るだけ!ぐんぐん登ります。
④名物?空中ハシゴ

空中ハシゴはとってもスリリング。思わず鎖を強く握ってしまいます。

かかっているのか倒れているのか分からない空中ハシゴは、写真のように幅がかなり狭いです。集中して渡り切りましょう!
⑤Ⅱ峰北峰の直下は高度感がすごい

険しい岩場と青い空のコントラストが美しい写真。このような鎖場を引き続き登っていきます。

依然として鎖場が続くⅡ峰。ガレ場も出現するので、浮石でスリップしないように足場もしっかり確保です。

高度感のある景色は、足がすくんでしまうほどスリルのある光景。不思議に収まっているあのチョックストーンが落ちたらどうなるのか、つい考えてしまいます。

ついにⅡ峰北峰のピークに到着!長い緊張状態から解き放たれる瞬間です。ようやく核心部を登り切りました!
核心部はこれでおわり!でも気は緩めずに

不帰ノ嶮の「Ⅱ峰」を超えたら核心部はおわり。ほっと一息といったところですが、この先も険しい岩稜地帯は続くので、最後まで気を抜かずにいきましょう!
まとめ
- 白馬から唐松岳を目指すコースが主流
- 最大の難所はⅠ峰⇔Ⅱ峰北峰
おすすめの日程:2泊3日
- 1日目:栂池~白馬岳~白馬山荘(7時間)
- 2日目:白馬山荘~天狗の大下り~不帰ノ嶮~唐松岳~唐松岳頂上山荘(8時間10分)
- 3日目:唐松岳頂上山荘~丸山~八方池~八方池山荘(3時間20分)
()は休憩を含まないコースタイム。
核心部は2日目です。1日目の夜はしっかり英気を養いましょう!
不帰ノ嶮は登山中級者から!核心部の攻略がポイント

ネーミングが恐ろしい不帰ノ嶮は、険しい岩場や鎖場が多発するエリア。三点支持など「登山の基本」をマスターしていることが条件です。さらに、局所的に斜度が高いのと岩場続きのため、雨の日や雨が降った翌日でルートが濡れている日などは避けた方がよいでしょう。
絶景と高度感を味わいたい方は、ぜひ不帰ノ嶮にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?