実際に行くならどんなコースがいいの?
では、実際にコースを考える時、不帰ノ嶮へは白馬方面から唐松岳に向かうコースと、唐松岳から白馬へ向かうコースの2つがあります。実際に行くならどっちのコースがいいのでしょうか?
ヤマレコで調べてみた

登山の記録を共有できるコミュニティサイト『ヤマレコ』で「不帰ノ嶮」を調べたら…
【検索結果1ページ目】
白馬→唐松/21
唐松→白馬/11
※記事制作時のデータ
【検索結果2ページ目】
白馬→唐松/21
唐松→白馬/7
※記事制作時のデータ
と、圧倒的に白馬から向かう人が多いことがわかりました。それは一体なぜなのかというと…

どうやらこの難所が登りか下りかの違いのようです。
白馬方面からだと、核心部が登り!

白馬方面から不帰ノ嶮へ向かうと、核心部であるⅠ峰とⅡ峰北峰の間が登りとなります。難所を登りにするメリットは、重心が安定しやすくなり、滑落やスリップの危険が減ることです。
下りは恐怖心から腰が引けることも多く、鎖場や断崖絶壁では足元を確認するのが困難な場合もあります。その点、登りは足場やホールドを見極めやすく、気持ちにもゆとりが出るため、白馬方面からの登山者が多くなっているのです。
ただし、唐松側からは早くに難所を通過できるメリットも

白馬方面から不帰ノ嶮へ向かうコースは、登りが中心で、気持ちも少し楽かもしれません。しかし核心部前の下りで足が疲れると、思わぬミスが出る可能性ももちろんあります。
一方、唐松岳から向かうメリットは、難所を早朝に通過できるため、体力の温存とペースの維持がしやすいことです。ただし、下りは高度感が増し精神的負担も大きいため、健脚かつ技術のある上級者向けのコースといえます。
どちらのコースを選ぶにせよ、三点支持や鎖に頼りすぎないなど一定の登山技術は必須です。
▼高度感がすごい……田中陽希氏の不帰ノ嶮下りの動画