アイキャッチ画像撮影:筆者
守屋山(もりやさん)ってどんな山?

撮影:筆者
標高 | 所在地 | 夏(8月)の気温 | 冬(1月)の気温 |
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約1,650m | 長野県伊那市、諏訪市 | 13.9〜22.6℃ | -12.6〜-2.2℃ |
諏訪湖の南に位置し、南アルプスの最北にあたる守屋山。周囲は3,000m級の山々に囲まれ、展望の山として「信州百名山」にも選ばれています。山頂へ至る登山コースはいずれも日帰りが可能。道は整備されて歩きやすく、人混みの少ない静かな登山が楽しめます。
日本アルプスが望める山頂からの大展望
撮影:筆者
守屋山の魅力はなんといっても山頂からの大パノラマ!北・南・中央の日本アルプスや八ヶ岳、御嶽山など、日本を代表する山々が一望できます。澄みきった天気の日には、日本百名山のうち33座を望めることも。双眼鏡で名峰を探してみるのも面白いです。
ザゼンソウが咲き誇る「花の百名山」

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花の百名山にも数えられている守屋山。春から夏にかけてザゼンソウやクリンソウ、レンゲツツジなどを代表する豊富な山野草が咲き誇ります。
守屋山のおすすめシーズンは?

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コースタイムは3〜5時間ほどで危険箇所も少ないため、季節を問わず登山が楽しめます。冬シーズンの積雪は少ないですが、2〜3月頃にはスノートレッキングが楽しめることも。ただし本格的な登山道なので、季節に応じた装備は必携です。
守屋山の天気は?
守屋山へ行く前に、現地の天気を確認しておきましょう。
てんきとくらす|守屋山 ※登山指数を参考に、天気予報や天気概況などの情報も検討したうえで登山計画を立てましょうITEM
山と高原地図|日本アルプス総図
守屋山のおすすめコースを紹介!

東峰(標高1,631m)と西峰(標高1,650m)の2つの山頂があり、どちらからでも360度の眺望が楽しめます。一般的には西峰がゴールにされることが多く、今回は西峰へ至る主要の3コースをご紹介。
各登山口の間隔はそれほど遠くないので、ガッツリ歩きたい人は車道を繋いで周回することも可能です。
初心者にもおすすめ!春には豊富な山野草も|杖突峠コース

- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
ルート概要
杖突峠駐車場(50分)→分杭平(70分)→東峰山頂(25分)→西峰山頂(25分)→東峰山頂(50分)→分杭平(40分)→杖突峠駐車場
守屋山で最も多く利用されているルートです。諏訪方面からのアクセスもよく駐車場も広いため、周回する場合もここを起点にするのがおすすめ。コースはやや急な登りもありますが、基本的に危険箇所のない歩きやすい道で初心者でも安心です。
ルート詳細

撮影:筆者
スタートは杖突峠駐車場から。9月下旬〜10月中旬頃の紅葉シーズンは登山者が多くなりますが、広いスペースなので余裕をもって駐車できます。

撮影:筆者
やや急な登りもありますが、基本的に歩きやすく快適な道。人の手が入りすぎず、ほどよく整備された登山道なので、より原風景に近い登

撮影:筆者
分杭平ではかわいらしいクマさんがお出迎え。この周辺は春になるとザゼンソウやミズバショウが咲き誇ります。避難小屋やベンチなどもあるので休憩するのにおすすめです。

撮影:筆者
分杭峠から1時間ほど歩くと東峰に到着。一気に視界がひらけ、大パノラマが広がります。東峰からは間近に迫る八ヶ岳の展望が魅力です。

撮影:筆者
東峰から15分ほど歩くと西峰に到着。西峰は丘のような草地で、ゆっくり休憩するのに最適です。ここで昼食をとりながら、次に登りたい山を探してみてはいかがでしょうか。

撮影:筆者
西峰にはラビットハウスと呼ばれる避難小屋があります。

撮影:筆者
室内は3畳ほどの広さで、地元山岳会の管理によりいつもきれいに整っています。
ワクワク冒険気分!巨岩めぐりを満喫|立石コース

- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:3時間50分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
ルート概要
立石コース登山口駐車場(95分)→東峰山頂(25分)→西峰山頂(25分)→東峰山頂(85分)→立石コース登山口駐車場
このコースはいたるところでユニークな巨岩が見られるのが特徴。他のコースとは雰囲気が異なり、アドベンチャー感覚が味わえます。危険箇所はありませんが、やや急な斜面が続くので、下山時は転倒に注意しましょう。
コース詳細

撮影:筆者(右へ伸びる舗装路の先に3台ほどの駐車スペースあり)
国道152号線から立石コースの枝道へ入り、200mほど細い舗装路を進むと駐車場があります。駐車場はそれほど広くないので、紅葉シーズンは埋まってしまうことも。枝道の分岐から100mほど南下したところにも駐車スペースがあります。

撮影:筆者
登山口から20分ほど登ると、このコースの由来でもある「立石」に到着。高さ5mほどの巨岩で、その周囲は景観も良好。遠くには南アルプスの百名山「仙丈ヶ岳」が望めます。

撮影:筆者
このコースを歩くと、さまざまな岩に目が止まります。それぞれの岩には名前が付けられていて、「なんでこの名前になったのかな?」と想像力を働かせてみるのも面白いですよ。

撮影:筆者
昔、鬼が住んでいたという伝説の残る「鬼ヶ城」は圧巻の迫力です。

撮影:筆者
終盤には急登の息切坂が待ちかまえています。ここを登れば東峰もあと少し!

撮影:筆者
東峰には守屋神社の奥宮が祀られています。昔、守屋山の神が怒ると雨が降ると信じられていたことから、日照りが続くと祠を谷底へ突き落とす習慣があったそうです。突き落とし防止のため、現在は祠が柵で囲われているとのこと。

撮影:筆者
東峰から西峰へと続く登山道では、細かい石がかたまった「さざれ石」を見ることができます。古来より縁起の良い石と云われ、国歌にも登場する石として知られていますね。
ゆったり静かに楽しむ樹林帯歩きが魅力|松尾峠コース

- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:2時間50分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
ルート概要
松尾峠駐車場(15分)→箕輪口分岐(80分)→西峰山頂(60分)→箕輪口分岐(15分)→松尾峠駐車場
ゆるやかな尾根をまっすぐ登り西峰へと至る、守屋山の最短コース。目立った見どころはありませんが、針葉樹と広葉樹の入り混じる静かな樹林帯歩きが魅力。トレランなどでサクッと爽快に楽しむのもおすすめです。
コース詳細

撮影:筆者
松尾峠の駐車スペースからスタートです。車道をまたいで50mほど東へ進んだところに登山口があります。

撮影:筆者
尾根に沿って広く心地の良い登山道を進みます。他のコースに比べて人の入りも少ないので、静かな登山が楽しめるのも魅力です。

撮影:筆者
針葉樹と広葉樹の入り混じる樹林帯歩きはとにかく爽快!傾斜も少なく、どんどん足が進んでいきます。

終盤には急登の「守屋山七曲坂」が待っています。ここを登り切れば山頂まであと少し!

撮影:筆者
西峰に着くと一気に展望がひらけ、360度の絶景が出迎えてくれます。
登山口までのアクセス
各駐車場にはトイレがないため、登山口の近くにある「峠の茶屋」のトイレを利用するのがおすすめです。
クルマの場合
【杖突峠コースの駐車場】 中央自動車道「諏訪」IC−国道152号-守屋山登山口駐車場(諏訪ICより約20分)
【松尾峠コースの駐車場】 中央自動車道「諏訪」IC−国道152号-松尾峠登山口駐車場(諏訪ICより約30分)
公共交通機関の場合
JR「茅野」駅よりタクシーまたはレンタカー
※下山時のタクシーは電話予約が必要
最寄のタクシー会社一覧|TAXSITE 登山以外にも観光を楽しむ場合はレンタカーがおすすめ
最寄のレンタカー会社一覧|じゃらん守屋山のふもと、諏訪地域のおすすめスポット
片倉館 千人風呂

出典:PIXTA
国の重要文化財に指定されている大衆浴場。まるで古代ローマにタイムスリップしたかのような西洋式温泉が特徴です。「千人風呂」と呼ばれる深さ1.1mの大浴場が、登山で疲れた体を芯から温めます。
片倉館|公式サイト諏訪大社 上社本宮

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日本有数のパワースポットとして知られる、日本最古の神社のひとつである諏訪神社の総本社。守屋山のふもとに鎮座し、神体山と云われる守屋山を拝する特徴から、祭祀研究としても注目を集めています。
諏訪大社|公式サイト立石公園

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諏訪湖とアルプスのパノラマが楽しめる展望公園。「夜景100選」に選定されている絶景スポットとしても知られ、ロマンチックな雰囲気を堪能できます。車で気軽に行けるので、登山の帰りにふらっと寄ってみてはいかがでしょうか。
360度の大展望!守屋山で絶景を楽しもう

撮影:筆者(山頂からは八ヶ岳の稜線から昇るご来光が)
長野県の中心にある守屋山は、日本を代表する山々が一度に楽しめる展望の山。四季を通してさまざまな表情を見せてくれるので、何度登っても違った登山が味わえます。「信州でサクッと日帰り登山を楽しみたい」。そんなときの候補にいかがでしょうか。
熊鈴の準備も忘れずに!

撮影:筆者(分杭平ではクマさんが熊の注意喚起をしています)
この辺りは熊の生息区域でもあります。ここ数年の出没情報はありませんが、念のため熊鈴の所持やグループでの行動を心がけましょう。