登山 同行者 怪我

登山中に怪我をした!初期対応や救助依頼などを救助隊員に聞いてみた

2020/06/26 更新

登山には残念ながら転倒などの怪我のリスクが潜んでいます。でも、怪我をして動けなくなった時に正しく対応できますか?今回はいざ動けなくなり遭難してしまった時の初期対応から救助依頼方法まで、万が一の時の対応を東京都山岳連盟救助隊 隊長の金子さんに教えてもらいました。登山の前に必ず覚えておきましょう。

目次

アイキャッチ画像出典:Facebook/くじゅう高原Japan

遭難の原因1位は道迷い!でも、2位も注意が必要です。

登山 転倒

出典:PIXTA

美しい景色、おいしいごはんなど登山の楽しみはたくさん。でもその反面、道迷いや怪我などの危険性もあるんです。遭難の原因1位の道迷いも気をつけなければいけませんが、実はそれ以外も注意が必要なんです。

遭難の原因2位の”転倒”も要注意!

平成30年山岳遭難件数

2018年9月に警察庁から発表されたデータによると、『転倒』が遭難の理由で2位となっています。これは転んだことで足をくじいたり、出血したりして行動できなくなった人などが該当します。街でも転ぶということは起きるので、舗装されていない山道であれば、あなたも友達にも転倒して怪我をする危険性があるんです。

もし友達が登山中に怪我で動けなくなった場合、正しく行動できると自信を持って言えますか?少しでも不安があれば、復習の意味も込めて確認してみましょう。

【1】友達が怪我をしてしまったらまずはどうする?

怪我をして応急処置を受ける登山者

今回、友達が遭難してしまった時の対応を、東京都山岳連盟救助隊 隊長の金子さんに教えてもらいました。
怪我で動けなくなってから、救助隊と合流するまでを流れで見ていきます。


編集部員S
金子さん、本日はよろしくおねがいします。


金子さん
お願いします。


編集部員S
早速ですが、一緒に登山をしている友達が怪我をして動けなくなったらどうしたらいいんですか?


金子さん
そうですね。まずは、深呼吸でもして落ち着きましょう。


編集部員S
すぅーはー(深呼吸)


金子さん
落ち着いたら、救急処置をするために安静にできる場所に移動させます。


編集部員S
えっ!背負って降りなくてもいいんですか?


金子さん
だめとは言い切れませんが、怪我をした人はザックよりも重いので、背負って降りるのは大変ですよ?

救急処置ってなにすればいいの?

考える男性

出典:PIXTA


編集部員S
(確かに無理だ・・・。)でも、救急処置って言っても何をしたらよいかわからない人も多いと思うのですが?


金子さん
あ~。わからない場合は、悪化させる恐れがあるので着手厳禁です!体温が下がらないように、保温や止血をしてください。


編集部員S
確実にできることをするということですね。体温の確保なら、ウェアを着たりすればできますね。

★POINT★
まずは落ち着いて安静にできる場所に移動。
可能であれば救急処置をして、不安があれば体温だけでも確保する。

▼救急処置がわからない人は必ず、講習会などで学ぼう
jRO 救急法に関して

【2】安全の確保ができたら、救助要請を

スマホ 救助要請

出典:PIXTA

安静にできる場所に移動したら、次は救助要請をします。
その場で電波が通じれば良いですが、山は場所によっては通じないこともあるので、その時は電波が通じるところまで移動し救助要請をします。


金子さん
暗闇での行動は周りが見えなくなり、自分の位置を見失いやすくなります。不安があれば、明るくなるまで待ちましょう。

★POINT★
①まだ行動ができる明るさなら、スマホの電波が通じるところまで行く
②日が暮れてしまった場合は無理をせず、明るくなるまで体力を温存しておこう

助けを呼びに行く時の注意点は?

道迷い 下山

出典:PIXTA


編集部員S
友達を置いて行くことになるんと思うんですけど、気をつけておくことってありますか?


金子さん
友達の貴重品や行動食糧、水、防寒具、ヘッドランプなどは置いていってあげましょう。


編集部員S
荷物を置いていくと。では、僕は何を持っていたら良いですか?


金子さん
身軽にすばやく行動するために、可能な限り共同装備は置いて行きます。自分の食糧、水、防寒具や雨具、ヘッドランプなどだけ持っていきましょう。


編集部員S
わかりました!じゃあ急いで救助を呼びに行きます!!!


金子さん
Sさん!落ち着いてください。すばやく身軽といっても、急いで怪我をしてしまっては本末転倒です。落ち着いて、冷静に行動しましょう。

★POINT★
身軽に行動できるように、必要な装備以外は預けよう

助けを呼びに行く時は、絶対に下っちゃいけないの?

道迷い

出典:PIXTA

登山で道に迷ったり、遭難したりした場合の基本は【上に登る】です。
これは、以下の理由などがあります。登山道は山頂に集まります。なので、
・人に出会いやすい登山道にでることが大切
・谷や沢よりも、尾根上のほうが電波が通じやすい 

逆に沢を下ることは、下のような理由でNGとされています。
・沢は突如滝に変わり進めなくなることがある
・転落してしまうと、体が冷えて死にいたることも
でも、本当に下るのはだめなんでしょうか?


編集部員S
金子さん、山を下るのって絶対にだめなんですか?


金子さん
絶対にダメ!とは、言い切れません。


編集部員S
ということは、例外があるんですね。


金子さん
例えば、よく知っている山で沢が下れるということや、稜線にあがるよりも早く救助要請ができる確証があれば、下ることも間違いとは言いきれません。


編集部員S
山に詳しくないと、確証を持つのは難しそうですね。


金子さん
そうですね。基本的には『登る』ということを、覚えておきましょう。

★POINT★
基本的には『登る』を抑えた上で、臨機応変に行動しよう

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