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桜と紅葉の名所|吉野山

吉野山は、奈良県の吉野町に位置する標高350mの山で、吉野川から大峯山脈へと続く約8kmの尾根一帯のことを指します。古来より山岳信仰の場とされ、現在でも歴史が息づく神聖なスポット。日本らしい風情を満喫できる吉野の散策は、海外からの観光客にも人気です。
桜の名所は紅葉の名所でもある

日本一の「桜の名所」として有名な吉野山。春には、山全体が淡い桜色に彩られ、その壮大さは「一目に千本見えるほど」ということから「一目千本」とも称されています。そして秋になると、その木々の葉は燃えるような赤や橙、黄に様変わり。例年、11月上旬~下旬にかけてライトアップが行われます。夜の闇に照らし出された紅葉はとても神秘的です。
2024年の見頃

吉野山の紅葉の見頃は、例年10月下旬から12月上旬。ピークは11月の中旬頃!最新の情報は、Xにて随時更新されます。ピークを逃さないように、こまめにチェック!
混雑予想

シーズン中、吉野駅から近い下千本から中千本にかけて大変混雑します。ピーク時の11月中旬~下旬の土日祝日は、自由に身動きが取れないほどになることも。時間に余裕のあるスケジュールを立て、柔軟に対応しましょう。
【エリア別】世界遺産と絶景スポット
吉野山は、高野山や熊野参詣道と並んで、山全体が世界遺産に認定されています。エリアは4つ。麓から順に、「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」と続きます。それぞれ周辺には、歴史・文化的価値の高い社寺や遺跡が点在。世界遺産に登録された建造物を巡ることもできます。谷や尾根を埋め尽くす壮大な紅葉と歴史散策を堪能しましょう。
七曲がり坂【下千本】

吉野山の入り口にあたる「七曲がり坂」。ロープウェイやバスを利用しない場合は、こちらの遊歩道を歩いて登っていきます。日本三大鳥居のひとつである「銅の鳥居」までは約25分です。
金峯山寺蔵王堂【中千本】

吉野山のシンボル、修験道の総本山で世界遺産に登録されている「金峯山寺」。檜皮葺きの大屋根は、高さ34m、四方36mにもおよびます。木造古建築では日本最大。蔵王堂と仁王門は、国宝にも指定されています。
拝観料:800円
拝観時間:8:30~16:00 ※年中無休
吉水神社【中千本】

豊臣秀吉が花見の本陣としたとされる逸話が残る、世界遺産「吉水神社」。知る人ぞ知る、パワースポットでもあります。境内からの眺めは、中千本と上千本の紅葉を一望できる絶景スポット。
拝観料:600円
拝観時間:9:00~17:00
吉野水分神社【上千本】

子授けの神としての信仰を集める「吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)」。世界遺産のひとつで、境内には桃山時代に再建された歴史ある社殿が建ち並んでいます。山頂に近いため色づき早く、見頃は11月上旬~中旬。
拝観料:無料
拝観時間:8:00~16:00
花矢倉展望台【上千本】

吉野水分神社から歩いてすぐのところにある展望台。吉野山の中でも、抜群に眺めが良いスポットです。眼下に広がる市街地や社寺と、山全体を覆う赤や黄の紅葉を見下ろすことができます。周辺には食事処もあるので、休憩の際に立ち寄ってみるのも◎。
高城山遊歩道【奥千本】

山頂に近い奥千本エリアは下千本に比べると人が少なめなので、静かに紅葉の中を散策したい人にはおすすめ。荘厳さを感じさせる真っ赤な紅葉の絨毯が高城山展望台まで続きます。展望台には、4台ほど駐車スペースありますが、すぐに埋まるので早朝がねらい目です。
金峯神社【奥千本】

かつては修験道の場として、菅原道真も祈願したとされる由緒正しき神社。世界遺産にも認定されています。境内から5分ほどの場所には、「義経が弁慶らと迫りくる追っ手から逃れるために隠れた」とされる「義経隠れ塔」があります。
拝観料:無料(義経隠れ塔 300円)
拝観時間:自由参拝(義経隠れ塔・不定休)
移動手段別の巡り方
吉野エリアは広いので、あらかじめ行きたいスポットを絞ってスケジュールを立てておくとスムーズです。車でアクセスする人は、まず駐車場の確保。駐車場の位置や観光スポットまでの距離などを事前に良く調べておくと◎。
紅葉をとことん満喫!ハイキングコース
最高点の標高: 728 m
最低点の標高: 231 m
累積標高(上り): 1215 m
累積標高(下り): -1215 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:3時間35分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
上記はコースタイムなので、観光や食事、休憩などの時間も加味して計画を立てましょう。また、散策の際には坂道や石段、人混みなどで足元が不安定になる可能性も。動きやすい服装、歩きやすい靴がベストです。
ロープウェイと路線バスの運行情報を事前にチェック!

千本口駅から吉野山駅に延びるロープウェイと、吉野山をめぐる路線バス。最新情報はホームページをご確認ください。
好きなエリアを巡りたい!車の場合
各エリアに駐車場が完備されています。駅に近い下千本エリアほど混雑するので、車で巡る場合は山頂側の奥千本エリアから回るのがおすすめ。しかし、奥のエリアに行くほど駐車台数は限られるので、早めの行動で駐車場を確保しましょう。
グルメ・温泉情報
吉野山の観光エリアのメイン通りには、多くの老舗飲食店や旅館が建ち並んでいます。散策の際には、ぜひ立ち寄ってみるのがおすすめ。吉野の歴史や風情を感じることができますよ。


吉野の名物といえば「葛(くず)」。美しく透き通った葛餅や葛切りは絶品です。他にも、鯖や鮭を使った「柿の葉寿司」も人気。臭みがなく肉厚です!
300年の歴史!吉野温泉元湯

約300年もの古い歴史をもつ「吉野温泉」。修験者や全国各地の文人にも愛されてきました。鉄を含んで赤みを帯びた湯は、神経痛や筋肉痛、健康増進にも効果あり。日帰り入浴の利用には予約が必要です。
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山902-2
電話:0746-32-3061
営業時間:11:00~15:00(最終受付14:30)
料金:800円(大人、小人同料金) ※フェイスタオル無料貸し出し
アクセス・駐車場情報
京都・大阪、名古屋から特急電車も運行しているため、アクセスしやすい吉野山。しかし、ベストシーズンは大変混雑します。事前に詳しいアクセス方法や駐車場情報を確認して、早朝から行動を始めるのが上手に回るコツです。
下千本駐車場
吉野山の玄関口に位置する駐車場。金峯山寺・蔵王堂までは、徒歩15分です。周辺には、食事処や売店、トイレや休憩所などもあり。混雑時は、お昼~夕方にかけて満車状態になることがほとんどなので、早朝を狙いましょう。観桜期以外は、奥千本(山頂)方面へ有料のマイクロバスも運行。
■下千本駐車場
駐車台数:400台
料金:観桜期&紅葉期のみ有料。それ以外のシーズンは終日無料
紅葉に染まる「世界遺産・吉野山」で日本の秋を感じよう!

今もなお、歴史が息づく神聖な山、吉野。古くから山岳信仰の聖地として、多くの人々が祈りを捧げてきました。淡い桜色に染まる季節も人気ですが、紅葉で色とりどりに染まる秋の吉野も魅力的。日本の秋を肌で感じることができますよ。歴史情緒を感じさせる街並みや社寺、温泉、グルメ、何をとっても完璧。この秋は、ぜひ「世界遺産・吉野山」に足を運んでみませんか?