【実験してみた】登山でアイスクリームが食べたい! 最強の持ち運び方を探せ

暑い日に食べたくなるものの代表格、アイスクリーム。登山の休憩中にも食べることができたら嬉しいですよね。しかし、長時間の山歩きをする登山では、アイスを溶かさずに持ち運ぶことは至難の業。「どうにかして山頂できれいな景色を眺めながらアイスを食べたい!」という熱い思いから、実験開始。今回は、アイスを溶かさず山頂へ持ち運ぶ方法を真剣に考えてみました。はたして、最強の持ち運び術は見つかるのでしょうか!?

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

山頂でアイスクリームは食べられる?

登山アイスクリーム 出典:PIXTA
息を切らして、やっとの思いで辿り着いた山頂。美しい景色を眺めながら、あなたが食べたいもの・飲みたいものは何ですか? 編集部員Oは「夏はアイス、冬はコーヒー」なのですが、実際に夏の山頂でアイスを食べたことはありません。登山でアイスを持ち運ぶのはハードルが高く、実現できていないのです。

そこで今回は一念発起、“山頂アイス”を叶えるべく、なんとかアイスを溶かさずに山頂へ持っていく方法を探してみたいと思います。夏の終わりに、大人の自由研究のはじまりはじまり。

【実験①】登山の相棒、溶けにくいアイスを探せ!

アイス
撮影:YAMA HACK編集部
スーパーやコンビニには、さまざまなアイスが並んでいます。“山頂アイス”を成功させるためには、やはり一番溶けにくいアイスを持って行きたいところ。そこで、編集部員Oが独断と偏見で8つの定番アイスをピックアップ。溶けにくさを比べてみました。

アイス
撮影:YAMA HACK編集部(8月中旬の真夏日、室内の冷房設定温度は24℃)
選んだアイスは以下の8種類。

①パピコ
②チョコモナカジャンボ
➂スイカバー
④ガリガリ君
⑤雪見だいふく
⑥スーパーカップ
➆サクレ
⑧クーリッシュ

部屋の中でも気温の高い窓際にパッケージのまま放置し、30分と60分経過時点での様子をみていきます。

30分経過、早くも脱落アイスが!?

アイス
撮影:YAMA HACK編集部
まずはこちらの3つ。開封してみると、パピコはほんのり柔らかく、スイカバーは角が丸みを帯びてきましたがアイスとして健在。チョコモナカジャンボはまだまだ硬さがありました。

アイス
撮影:YAMA HACK編集部
続いてカップ入りの3つ。雪見だいふくは餅で守られているからでしょうか、中身がまだしっかりとしています。スーパーカップはカップの周りがやや溶け始め、サクレは結構ゆるくなっています。クーリッシュはそろそろ飲めるかなという程度に柔らかくなっていました。

ガリガリ君
撮影:YAMA HACK編集部
そしてガリガリ君は…。袋から出そうとしたら、棒から外れて落下。形を保てないほど溶けてしまっていました。元が硬く、本命だっただけに残念でなりません。

1時間経過

撮影:YAMA HACK編集部
1時間経つと、BIGサイズが人気のスイカバーが、なんと3分の1ほどのサイズになっているではありませんか。隣のチョコモナカジャンボは見た目の変化はなさそうですが…? 後ほど中身を見てみましょう。

サクレ
撮影:YAMA HACK編集部
サクレはまさに溶けたかき氷。本来の食感はないですが、まだまだキンキンに冷たいので食べられる(飲める)範囲内です。

スーパーカップ
撮影:YAMA HACK編集部
中心にアイスの塊が残っているものの、ほとんど溶けているスーパーカップ。溶けた部分が泡立ったような状態で、だいぶ味が落ちています。

クーリッシュ
撮影:YAMA HACK編集部
コンセプトが『飲むアイス』のクーリッシュ。すでに飲むアイスではなく、飲む甘~い液体に。

パピコ
撮影:YAMA HACK編集部
パピコもほぼ液体化。溶けてしまうと、開けるときに溢れるので注意が必要です。

撮影:YAMA HACK編集部
雪見だいふくは中身が柔らかくなっていますが、完全に溶けてはいませんね!

チョコモナカジャンボ
撮影:YAMA HACK編集部
チョコモナカジャンボのモナカを剥がしてみると、柔らかくなっていますが、溶けて垂れるほどではありません。そして驚いたのが、中央に挟まっている板チョコが全く溶けずにカチカチの状態だったこと。

実験の結果、チョコモナカジャンボと雪見だいふくが溶けにくいアイスだと分かりました。

【考察】溶けにくいアイスを探せ!

アイスの種類
撮影:YAMA HACK編集部
アイスの溶けにくさには、下記2点が影響してると考えられそうです。

■パッケージ
パピコや雪見だいふく、チョコモナカジャンボのように、外袋以外にアイスを包んでいる“何か”があるアイスは、熱を遮断する層が1つ多いことで溶けるまでの時間が長くなるようです。

■アイスの種類
詳しい成分についてはここでは割愛しますが、アイスの種類によって溶ける速さに差が見られました。溶けにくかったチョコモナカジャンボと雪見だいふくはいずれも『アイスミルク』。溶けるのが早かったガリガリ君・スイカバー・サクレは『氷菓』。そしてパピコ・スーパーカップ・クーリッシュは『ラクトアイス』でした。

【実験②】登山で使える、効果の高い100均の保冷剤を探せ!

100円ショップの保冷剤
撮影:YAMA HACK編集部
冷凍庫から出すと、室内でも30分も経つと溶け始めてしまうことが分かったアイスたち。山頂まで数時間かかる登山では、持ち運びに保冷グッズが欠かせません。

しかし、100円ほどのアイス1つのために、何千円もする高機能保冷剤や保冷バッグを使うのはなんだかもったいない感じがしますよね。そこで今回は100円ショップで手に入る保冷剤をピックアップ。一番長持ちする保冷剤はどれか、実験してみました。

保冷剤
撮影:YAMA HACK編集部
100円ショップで購入した大きさや容量の異なる保冷剤4種類を冷凍庫でしっかりと凍らせ、アイスと同様に窓際に置いて観察。保冷剤の代用とすることも多い、ペットボトルの水を凍らせたものも用意しました。それぞれのスペックは以下の通り。

①凍らせたペットボトルの水(550ml)
②巻いて使うペットボトル用保冷剤(350ml用)
保冷時間:2時間~3時間
➂氷点下クールキーパー(内容量150g)
保冷時間:記載なし
④クールパック(内容量500g)
保冷時間:約4時間
⑤クールメイト(内容量300g)
保冷時間:記載なし

冷凍庫から取り出したばかりの時点では、ペットボトルやケース入りの保冷剤よりも袋タイプの方が表面上は冷たく感じられます。果たして、冷たさの持続力が高い保冷剤はどれなのでしょうか!?

1時間経過

保冷剤
撮影:YAMA HACK編集部
②と➂がすでに柔らかくなり危うい印象。②はもともと凍らせても硬くならないタイプではありますが、他の保冷剤のようにキンキンではなくなってしまいました。

➂はキンキンに冷たいですが、ほとんど溶けた状態。パッケージに「本製品の特性上、同内容量の一般保冷剤(0℃タイプ)に比べて早く解凍します。」との注意書きが! 表面温度は低いけれど、解凍が早いということでしょうか。長時間の持ち運びに向かなそうな②➂はここで終了とします。

2時間経過

保冷剤
撮影:YAMA HACK編集部
⑤のケース入り保冷剤は冷たさを保持しつつも、すっかり液体化しているのでここで脱落。ペットボトルは溶けた水がだいぶ増えていますが、細い氷の柱が残っています。健在なのが④の内容量が多い保冷剤。四隅から溶け始めてはいますが、凍った大きな塊がまだあります。

3時間経過

保冷剤と凍らせたペットボトルの水j
撮影:YAMA HACK編集部
①凍らせたペットボトルはすっかり溶けてしまいました。しかし水はキンキンに冷たい状態。④は3時間経過しても、中心部が凍った状態でキンキンを持続。パッケージに記載の通り、保冷時間約4時間は持ちそうです。

実験の結果、持続力が高い保冷剤は④のクールパック(内容量500g)だということが分かりました。

【考察】効果の高い100円保冷剤を探せ!

保冷剤
撮影:YAMA HACK編集部
山頂にアイスを持って行くために使う保冷剤選びは、下記を考慮する必要がありそうです。

■冷えると溶けるの関係
熱は温度が高いものから低いものへ移動するので、保冷剤は「冷やすために溶ける=溶けることで熱を奪う」という大前提があります。そして、溶けきるまで、融点の温度(個体⇔液体に変わる温度)をキープしようとします。

例えば、➂の“-10℃”の氷点下保冷剤は溶けるまで“-10℃”の表面温度を保ちますが、その反面、融点が-10℃より高い保冷剤よりも溶けるのが速いのです。全ての保冷剤が当てはまるわけではありませんが、「溶けにくい」ということは、「冷えにくい(温度が下がりにくい)」といい換えることもできそうです。

【実験➂】アイスを溶かさずに登山するべし!

保冷袋
撮影:YAMA HACK編集部(100円ショップで購入した保冷袋)
実験①②の結果から、今回は溶けにくかった『チョコモナカジャンボ』×保冷時間の長い『クールパック(内容量500g)』で挑戦することに。

そしてもう1つ、山頂へアイスを溶かさずに持って行くために必要なのが“保冷袋”。こちらもできるだけお金をかけずにチャレンジするため、100円ショップの保冷袋を用意しました。

プチプチ
撮影:YAMA HACK編集部(100円ショップで購入したエアークッション)
しかし、なんとなく100円の保冷袋は心もとない…。ということで、手軽に保冷効果を高められる+αのアイテムはないかと考え、思い浮かんだのは梱包などに使われる“エアークッション”。熱伝導率が低い物質といえば『空気』であることから、空気が詰まったプチプチはもしや使えるのでは!?と仮説を立ててみました。

そこでアイスと保冷剤をプチプチで包んで保冷バッグへ。そしてもう1つ、家に必ずあるもの“タオル”で包んだパターンも試してみます。

いざ、高水三山へ!

高水三山地図
出典:ヤマプラ
保冷剤の保冷時間が約4時間であることを踏まえ、自宅から山頂まで4~5時間程度で辿り着ける山、高水三山の一つ『岩茸石山』の山頂をゴールに設定。いざ出発です!

自宅最寄り駅⇒軍畑駅
(乗車時間:約2.5時間)

軍畑駅⇒高水山⇒岩茸石山
(標準コースタイム:約2時間)

岩茸石山の山頂に到着!

岩茸石山山頂
撮影:YAMA HACK編集部
この日の気温は20℃程と、動いていると汗は出ますが、かなり過ごしやすい日でした。計画通り、冷凍庫からアイスを取り出してから約4.5時間で山頂に到着。早速アイスを取り出してみましょう。

アイス
撮影:YAMA HACK編集部
まずは、アイスと保冷剤をタオルで巻いた方(左)から開けてみます。

タオル&アイス
撮影:YAMA HACK編集部
保冷剤は柔らかくなっているものの、まだ冷たさを持続。溶けたアイスが袋に若干ついていますが、漏れてはいません。モナカを割ってみると…

タオル&アイス
撮影:YAMA HACK編集部
うわぁ~、中は溶けているではありませんか。もう1つはどうでしょう。

プチプチ&アイス
撮影:YAMA HACK編集部
プチプチを巻いたバージョンもオープン。こちらも溶けたアイスが袋についていますね。中身は…

プチプチ&アイス
撮影:YAMA HACK編集部
まさかまさかの、こちらも溶けてしまっています。せっかくなので食べましたが、本当のおいしさを知っているだけに、残念な味としか言いようがありません。

こうして“山頂アイス”の夢があっけなく破れたのでした。

【考察】アイスを溶かさずに登山するべし!

保冷袋
撮影:YAMA HACK編集部
実験が失敗に終わり、反省点をまとめながら下山。以下のポイントが気になりました。

■保冷袋に無駄な空間があった!?
広い部屋よりも狭い部屋の方がエアコンが効きやすいですよね? そう考えると、写真の赤色部分の空いたスペースをなくせば、保冷袋内をもっと効率的に冷やせたのではないでしょうか。

■タオルとプチプチは余計だった!?
アイスと保冷剤をタオルやプチプチで巻いてしまったことで、「保冷袋内の温度はそれほど低くなかったのではないか」との疑問が沸いてきました。保冷袋の内側は、アルミ蒸着シート×発砲ポリエチレンで覆われているので、その保冷効果を活かせなかったように思います。

【実験④】リベンジ! 今度こそアイスを溶かず山頂へ

アイスと保冷剤
撮影:YAMA HACK編集部
1週間後、前回同様のコースで“山頂アイス”に再度チャレンジ。今回は、保冷袋にアイスと保冷剤を直接投入。保冷剤も2つに増やしてみます。

アイスと保冷剤
撮影:YAMA HACK編集部
さらに、保冷袋に無駄な空間ができないように折りたたみ、保冷袋の周りをプチプチ&タオルでぐるぐる巻きに。太陽や背中の熱が極力保冷袋に伝わらないようにしてみました。

アイスと保冷剤
撮影:YAMA HACK編集部
この日は27℃と前回より気温が高く、行動中は常に汗が流れる暑さ。しかし、前回より数を増やした効果でしょうか、保冷剤は2つともまだカチカチです。さぁ、肝心のアイスはどうでしょう!?

山頂でアイスクリームを開封する様子
撮影:YAMA HACK編集部
今回もサイドはやや溶けていますね。割ってみると…

2つに割ったチョコモナカジャンボ
撮影:YAMA HACK編集部
おや、アイス感がありますね。これは成功か!?

アイスクリーム
撮影:YAMA HACK編集部
前回よりだいぶ原型を保っているのですが、右側から溶け始めており完全とはいえません。食べてみると、
チョコレートはパリパリ。しかし、バニラ部分の理想的な食感は失われていました。

【考察】今度こそアイスを溶かず山頂へ

アイスのパッケージ表示
撮影:YAMA HACK編集部
またまた失敗に終わった“山頂アイス”への挑戦。アイスの保存に関して、根本的なところを見落としていたことが敗因のよう。パッケージの裏には、「保存上の注意:-18℃以下で保存してください。」との記載があります。

今回の実験では、保冷時間の長さで保冷剤を選定し、保冷剤や保冷袋内の温度までは考慮していませんでした。
その結果、アイスが溶けない-18℃には到底及ばず…。溶ける速度こそ緩やかにできたものの、一番おいしい状態をキープできなかったのではないでしょうか。

アイスを溶かしてしまいましたが、日帰りでの低山登山にしてはいつもより重い装備となったため、トレーニングになったことは間違いありません。

【結論】登山でのアイスの持ち運びは、難易度が高い!

岩竹石山山頂とアイスクリーム
撮影:YAMA HACK編集部
登山での『最強のアイスクリームの持ち運び方』を見つけることはできませんでした。しかし、実験と挑戦により、確実に成功へと近づいています。これは、登山経験を重ねるごとに登山レベルが上がるのと同じ。

また、特に秀でた山頂の眺望ではなかったり、山小屋がない山では、山頂での楽しみを自ら作ることも、つらい登りを乗り切るためには有効であると感じました。

“山頂アイス”の挑戦は来年の夏にまたリベンジしたいと思います。低コストで叶える最強のアイス持ち運び術をお持ちの方は、ぜひ教えてください。

【追記】“山頂アイス”成功事例をご紹介!

なんと、アイスを溶かさず山頂へ持って行くことに成功された読者様より、持ち運び術が寄せられましたのでご紹介します。

山頂アイスもやってみたくて試行錯誤の末、100均一の発泡スチロールボックスにドライアイスを入れてガリガリ君7本を山頂に持っていき、無事成功しました。発泡スチロールの箱は100円で買えますし、ドライアイスはスーパーのレジでもらうことが出来る店舗もあります。

コツとしては、入手したドライアイスは新聞紙で包み発泡スチロールの箱に入れてガムテープで密閉。翌朝出発時点でアイスも入れて再度ガムテで密閉。

これで朝5時に家を出発、11時山頂でしっかりアイスを食べることが出来ました。スーパーでは小分けのドライアイスで溶けやすいので、業務用でドライアイスを販売しているところでブロックで確保出来ればさらに安心です。

持ち運び術のご提供ありがとうございます!

▼暑い日のキンキンヒエヒエ術!

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登山アイスクリーム
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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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