黒斑山(くろふやま)とは
標高 | 山頂所在地 | 山域 | 最高気温(6月−8月) | 最低気温(6月−8月) |
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2,404m | 長野県小諸市 群馬県嬬恋村 | 上信越 | 17.2℃ | 3.8℃ |
「黒斑山」は長野県小諸市と群馬県嬬恋村の間に位置する日本百名山のひとつ、浅間山の外輪山で、花の百名山にも選ばれています。浅間山と佐久平を一望できる絶景が魅力で、秋の紅葉や冬の積雪期にスノーシューハイキングを楽しみに訪れる人が多いのも特徴。
今回は年間を通して人気がある「黒斑山」について、その魅力や登山ルート、アクセス、駐車場、温泉情報をあわせて紹介します。
浅間山の火口と佐久平の絶景を堪能!
黒斑山は、絶景を望むビューポイントとしても人気。秋の紅葉シーズンには麓のカラマツ林が鮮やかに色づき、冬は冠雪した浅間山の美しい姿を望めます。さらに、眼下に広がる佐久平の雄大な平地は幻想的な雰囲気。黒斑山からの景色は、一度見た人を虜にする魅力をもっています。
黒斑山は冬も人気!スノーシューで雪山を楽しもう
黒斑山は、夏山や紅葉のシーズンにくわえ、冬の積雪期にも人気があります。高峰ビジターセンターを拠点に黒斑山スノーシュートレッキングツアーが開催され、白銀の世界を楽しみに多くの人が訪れます。車坂峠目の前の高峰高原ホテルではスノーシューやスノーブーツ、ストックのレンタルも行っているので、冬山初級者でも気軽に挑戦できます。
浅間山麓国際自然学校|スノーシューレンタル
黒斑山の人気登山時期は?
黒斑山に最も人が訪れるのは、美しい紅葉の景色を堪能できる10月。年間を通して多くの登山者が訪れ、特に冬の積雪期も人気。黒斑山はスノーシューハイキングを楽しめる雪山としても有名で、冬の澄んだ空気の中での山歩きは格別です。
黒斑山に行く前に、火山状況をチェックしよう
近年噴火し、現在も活動が続いている活火山の浅間山。その外輪山である黒斑山へ登る際は浅間山の活動状況も確認する必要があります。噴火警戒レベルが変わることで登山道の規制なども発生するので、登山の前には必ず最新情報を確認しましょう。
火山情報はどこで確認できる?
浅間山の最新火山状況は、気象庁の防災情報ページより確認できます。同じく気象庁の浅間山火山防災連絡事務所ページでは浅間山のライブカメラ映像や週間火山概況、登山情報を掲載されているので、ぜひチェックしましょう。
気象庁|浅間山の活動状況気象庁|浅間山火山防災連絡事務所
黒斑山登山で注意するポイントは?
活火山であるということを前提にした行動が求められます。事前の情報収集はもちろん、万一噴火した際の行動も想定しておくことをおすすめします。
・登山可能コースであっても予知できない噴火により災害が発生する可能性があります。
・火山ガスは目に見えず大変危険なため、コース外には立ち入らないようにしましょう。
・事前に噴火警戒レベルと登山可能範囲を必ず確認しましょう。
・緊急放送時、噴煙や地鳴り等の異常を感じた時はすぐに浅間山荘や車坂峠へ下山しましょう。
・火山用シェルターは前掛山山頂付近、火山館、黒斑コースの槍ヶ鞘(表コース・火口約3km地点)の3カ所にあります。
・登山計画書を必ず提出して、自己責任で登山しましょう。
黒斑山の天気
事前に週間予報など天気情報をチェック!天候や気温にあわせて服装や持ち物を確認しておきましょう。それに加えて自分の通るルートやシェルターの場所などを地図で調べ、安全な登山計画を立ててください。
てんきとくらす|黒斑山
黒斑山のおすすめ日帰り登山ルート
黒斑山の人気登山ルートをご紹介します。登山ルートの特徴や距離、時間、難易度をチェックしてみましょう。
車坂峠から黒斑山を巡る人気登山ルート
最高点の標高: 2375 m
最低点の標高: 1975 m
累積標高(上り): 1043 m
累積標高(下り): -1043 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:3時間35分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
こちらのルートは、車坂峠から表ルートを通り、合流地点のトーミの頭を経由し黒斑山へ登るルート。標高が高い黒斑山ですが、スタート地点がすでに標高1900m以上にあるため登山標高差や移動距離が少なく、子供から年配の方まで親しまれているルートです。
今回のスタートは車坂峠から。駐車場やバス停もあり、自動販売機やトイレも併設。しっかりと準備を確認して出発しましょう。スタートしてすぐに表コースと中コースの分岐点に差し掛かります。どちらでも距離に大きな変化はありませんが、今回は展望が良い表コースへ。
表コースの途中には避難シェルターがあります。場所を確かめて、噴火した時に逃げられるようにしておきましょう。
しばらく進むと佐久平の雄大な景色が眼下に広がり、天気が良い日には富士山も姿を現します。表コースと中コースが合流するトーミの頭から先は、斜面側は切り立った崖になっている部分もあるので滑落しないよう充分に注意して進みましょう。
黒斑山山頂まで樹林帯に出たり入ったりを繰り返しながら登っていきます。徐々に浅間山がくっきりと見えるようになり、トーミの頭から20分ほどで黒斑山山頂に到着。
黒斑山山頂から足を延ばし、隣の蛇骨岳まで縦走するコースや、帰りは中ルートを通る周遊ルートも。黒斑山は季節や楽しみ方によって、様々な魅力が発見できます。
黒斑山から外輪山を周遊するルート
最高点の標高: 2377 m
最低点の標高: 1975 m
累積標高(上り): 1067 m
累積標高(下り): -1067 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:6時間35分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
黒斑山から浅間山の外輪山をぐるりと1周するコースです。最高の展望と日本とは思えない荒涼とした大地が楽しめます。稜線はザレているため、滑らないようにストックなどの装備があると安心です。
蛇骨岳までの道のりは浅間山側が崖となっているため、滑落に注意しながら進みます。蛇骨岳からは浅間山、嬬恋村のキャベツ畑が一望できます。蛇骨岳から仙人岳にかけて北側がどんどん開けていき、360度の爽快な展望となっていきます。
蛇骨岳から仙人岳・鋸岳を経由してJバンド方面へ向かいます。鋸山からJバンドは急坂の岩稜地帯のため、落石を起こさないように注意して歩きましょう。
カラマツ林に囲まれた賽の河原まで降りていきます。ここから湯の平までは平坦な道が続きます。
湯の平から先の草すべりはかなりの急登です。焦らずにゆっくり登ることで体力の消耗を抑えましょう。草すべりを登りきれば、トーミの頭から車坂峠へと下山できます。
冬はスノーシューハイキングを楽しもう!
黒斑山は冬のスノーシューハイキングや雪山登山も人気。雪に染まる樹林帯や、幻想的な樹氷、そして美しい雪化粧の浅間山を見ることができ、この時期だけの特別な景色を求め多くの人が訪れます。スノーシューハイキングの場合、通常の登山時期よりも気温が低いため長く休憩すると体温が低下します。休憩は短めに済ませましょう。
また、気象状況により、下りの急坂はアイゼンが必要になるケースも。スノーシューツアーを利用すると、より安全で便利に楽しめるのでおすすめです。
浅間・吾妻エコツーリズム協会|黒斑山スノーシュー
黒斑山登山口へのアクセス・駐車場情報
黒斑山の入り口、車坂峠までのアクセスを紹介します。車坂峠はクルマやバスなどアクセスがとても良く、シーズン中は混雑することもあります。
クルマの場合
・上信越自動車道「小諸」ICー県道79号ー県道80号ー高峰高原ビジターセンター駐車場
・中央自動車道「長坂」ICー県道32号ー県道28号ー国道141号ー国道299号ー国道141号ー高峰高原ビジターセンター駐車場
公共交通機関の場合
・北陸新幹線/JR小海線「佐久平駅」下車、JRバス関東「高峰高原」行乗車、「高峰高原ホテル前」バス停下車ー車坂峠
JRバス関東|高峰高原-佐久平駅線
高速バスの場合
・JRバス関東…新宿から高峰高原ホテル前までの直通バス
※運休の場合あり
JRバス関東|新宿~佐久・小諸・高峰高原
黒斑山下山後にもすぐ入れる!周辺の天然温泉情報
黒斑山登山から帰りに寄りやすい温泉を紹介します。登山で疲れきった体をぜひ温泉で癒やしていってください!
高峰高原ホテル
「高峰高原ホテル」は今回の登山口にあるホテルなので、下山後にすぐ温泉に入れます。風呂からは八ヶ岳や周辺の山並を一望でき、温泉に浸かりながら高原から眺めをゆったりと堪能できるのが魅力。
あぐりの湯こもろ
「あぐりの湯こもろ」は、小諸ICから車で約10分の場所にある日帰り温泉施設。丘の上にあるので、露天風呂から大パノラマを楽しむことができます。地元の特産品が食べれる食事処も人気。
黒斑山で雄大な自然を楽しもう!
「黒斑山」の登山道からは浅間山と佐久平の絶景が堪能できる登山コースが人気。秋の紅葉や冬のスノーシューハイキングも人気があり、年間をとおして多くの人に親しまれています。あなたも黒斑山の雄大な自然の景色を見に訪れてみましょう!