浅間山(あさまやま)とは
標高 | 山頂所在地 | 山域 | 最高気温(6月−8月) | 最低気温(6月−8月) |
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2,568m | 長野県軽井沢町・御代田町 群馬県嬬恋村 | 浅間山系 | 15.4℃ | 3℃ |
「浅間山」は長野県の軽井沢、御代田町と群馬県嬬恋村に位置する山で、日本百名山、および花の百名山に選ばれています。活火山として大噴火の記録が残る浅間山は、現在も火山活動が観測されています。
黒斑山、牙山などの外輪山に囲まれて、なだらかな曲線を描く美しい山容は、登山者からも人気。麓に広がる紅葉や、冬に冠雪した山頂など数々の美しい姿で、多くの人を魅了しています。
浅間山の魅力とは?
浅間山と名付けられた山は多くありますが、そのなかでも最も有名なのが、この山。その魅力を見ていきましょう。
高山植物が彩る「花の百名山」

浅間山は近隣の黒斑山、高峰山とともに「花の百名山」に選定されています。春から夏にかけては可憐な高山植物、秋にはカラマツの黃葉など、四季折々の植物の魅力があります。
冠雪も美しい「冬の浅間山」
冬の積雪時期に見られる冠雪した姿も有名です。軽井沢などの観光や周辺の温泉、ウィンタースポーツとあわせて、浅間山の美しい姿を眺めることもできます。また装備と技術があれば、雪山登山も可能です。
ダイナミックな「外輪山」と「賽ノ河原」

一方、前掛山から眺める外輪山(黒斑山、牙山、剣ヶ峰など)もまた、山体崩壊の荒々しさと火山ならではの火口原(賽ノ河原)が広がり、独特の景観を作り出しています。
浅間山の火山状況をチェックしよう!

浅間山は現在も活動が続いている活火山です。そのため、火山活動の状況により噴火警戒レベルが変わることがあります。それにともない、登山道の規制なども発生するので、登山の前には必ず最新情報を確認しましょう。
過去の火山活動は?
浅間山は歴史上で度々大噴火の記録が残っています。直近の大噴火は江戸時代の天明3年(1783年)で、火山灰による日照不足が「天明の大飢饉」の一因とも言われます。2000年以降の浅間山の目立った火山活動は下記のとおりです。
・2004年9月 中規模噴火
・2008年8月 小規模噴火
・2009年2月 噴火後、関東の広範囲に降灰
・2015年6月 小規模噴火
・2019年8月 小規模噴火
火山情報はどこで確認できる?
浅間山の最新火山状況は、気象庁の防災情報ページより確認できます。同じく気象庁の浅間山火山防災連絡事務所ページでは浅間山のライブカメラ映像や週間火山概況、登山情報を掲載されているので、ぜひチェックしましょう。
気象庁|浅間山の活動状況気象庁|浅間山火山防災連絡事務所
浅間山登山で注意するポイントは?
活火山であるということを前提にした行動が求められます。事前の情報収集はもちろん、万一噴火した際の行動も想定しておくことをおすすめします。
・登山可能コースであっても予知できない噴火により災害が発生する可能性があります。
・火山ガスは目に見えず大変危険なため、コース外には立ち入らないようにしましょう。
・事前に噴火警戒レベルと登山可能範囲を必ず確認しましょう。
・緊急放送時、噴煙や地鳴り等の異常を感じた時はすぐに浅間山荘や車坂峠へ下山しましょう。
・火山用シェルターは前掛山山頂付近、火山館、黒斑コースの槍ヶ鞘(表コース・火口約3km地点)の3カ所にあります。
・登山計画書を必ず提出して、自己責任で登山しましょう。
ヘルメットは必要?
小諸市は浅間山登山する際にヘルメットなど安全装備の着用を推奨しています。ヘルメットは各登山口にある浅間山荘・高峰高原ホテル・高峰ビジターセンター、登山道の火山館で無償貸与をしていますが数に限りがあります。できるなら自分で用意して登山に臨みましょう。
浅間山の天気と地図をチェック
登る前に週間予報など天気情報をチェック!天候や気温にあわせて服装や持ち物を確認してください。地図で自分が登るルートや避難シェルターなどの位置チェックも必須です。また、登山届を提出し万全の状態で登りましょう。登山届は現地の登山ポストの他に、PCやスマートフォンからも提出可能です。
浅間山(前掛山)のふもと(小諸市)の10日間天気
日付 | 10月03日 (火) | 10月04日 (水) | 10月05日 (木) | 10月06日 (金) | 10月07日 (土) | 10月08日 (日) | 10月09日 (月) | 10月10日 (火) | 10月11日 (水) | 10月12日 (木) |
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天気 | ![]() 曇 | ![]() 雨のち曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 曇 | ![]() 曇時々雨 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 曇時々晴 |
気温 (℃) | 21 7 | 17 14 | 21 13 | 18 9 | 17 8 | 19 7 | 19 10 | 21 13 | 20 11 | 21 10 |
降水 確率 | 40% | 100% | 30% | 20% | 20% | 20% | 30% | 70% | 20% | 20% |
データ提供元:日本気象協会
浅間山(前掛山)の登山指数
日付 | 10月03日 (火) | 10月04日 (水) | 10月05日 (木) | 10月06日 (金) | 10月07日 (土) | 10月08日 (日) |
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登山 指数 |
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登山指数の留意点
登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。
- 雷の発生の可能性
- 前日の天気による道のぬかるみ
- 局地的大雨
- 土砂災害の発生の可能性
- 雪崩の発生の可能性
- 噴火の可能性
- 積雪の有無
- 濃霧
- 低温または高温
- 虫やヒルなどの発生状況
山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。
データ提供元:日本気象株式会社
浅間山周辺の山と高原地図
▼登山計画書の出し方を詳しく解説
黒斑コース|カラマツ林から外輪山の絶景へ!
最高点の標高: 2482 m
最低点の標高: 1942 m
累積標高(上り): 1492 m
累積標高(下り): -1492 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:7時間35分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
車坂峠から表ルートを通り、トーミの頭を通過して湯ノ平口で火山館ルートと合流、賽ノ河原分岐から頂上の前掛山まで登ります。草すべりは標高差300mあるため、帰りの登り返しでは非常に体力を使います。
今回のスタートは車坂峠から。駐車場やバス停もあり、自動販売機やトイレも併設。しっかりと準備をしてから出発しましょう。スタートしてすぐに表コースと中コースの分岐点に差し掛かります。表コースには槍ヶ鞘手前に火山シェルターがあり展望も良いので、今回は表コースを選択。
火山シェルターに続いて槍ヶ鞘を過ぎると、さらに展望が開けてきます。もう少し進むとトーミの頭に到着。
表コースと中コースが合流するトーミの頭からは佐久平の雄大な景色を眺めることができ、天気が良い日には富士山も姿を現します。ここで外輪山の黒斑山方面と前掛山へ向かう湯ノ平口方面に分岐しますので、湯ノ口へ進みます。
トーミの頭から草すべりを大きく下り、再び登り返して湯ノ平口へ。湯ノ平口で火山館ルートと合流し、賽ノ河原へ向かいます。
賽ノ河原で、浅間山(前掛山)方面とJバンド(鋸山)方面に別れます。火山警戒レベル2の時は浅間山方面にこれ以上進めません。Jバンド方面から鋸岳、仙人岳、蛇骨岳、黒斑山を縦走してトーミの頭へ戻る周遊ルートもあります。
火山館コース|山岳信仰の歴史を感じる
最高点の標高: 2482 m
最低点の標高: 1415 m
累積標高(上り): 1936 m
累積標高(下り): -1936 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:6時間50分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
浅間山荘から火山館を経由して、湯ノ平口より前掛山に登るルートです。浅間神社や昔は滝行をしていた不動滝などを通過し、山岳信仰の歴史を感じることができます。
火山館は休館などがあるため、トイレは入山前に済ませておきましょう。稜線上は風も強く日差しが強いため、寒さ対策やサングラスなどの日焼け対策をおすすめします。
スタートは駐車場のある天狗温泉浅間山荘から。しっかりと準備を確認して出発しましょう。登山口の鳥居をくぐり、緩やかな上り坂を進みます。
道中には過去の火山岩や清涼感のある不動滝があります。一ノ鳥居、二ノ鳥居を過ぎると徐々に硫黄のような匂いが漂います。
さらに進むと、浅間山火口から2.3km地点にある「火山館」に到着。ここでは登山・火山情報のほか、火山避難用シェルターや無料休憩スペースも併設(飲食・宿泊提供はありません)。公衆トイレ利用時に環境保護協力金を募っています。毎週月・火曜日は休館日となっています。また、臨時館日は休憩スペースやトイレが使用できません。
火山館を過ぎると、すぐに湯ノ平口分岐に差しかかり黒斑コースと合流します。賽ノ河原分岐から高度を上げていくと、浅間山山頂、仙人岳、蛇骨岳など外輪の山々が望めるでしょう。
1時間弱登ると「火口立ち入り禁止看板」に到着。近くには避難用シェルターもあります。看板から火口の縁を進み、前掛山山頂に到着です。
迫力の火口、晴れていれば眼下に小諸の町並みも見渡せます。火口周辺は風が強いことも多いので、充分に注意してください。F
浅間山登山口へのアクセス
車坂峠登山口
【クルマの場合】
・上信越自動車道「小諸」ICー県道79号ー県道80号ー高峰高原ビジターセンター駐車場
・中央自動車道「長坂」ICー県道32号ー県道28号ー国道141号ー国道299号ー国道141号 ー高峰高原ビジターセンター駐車場
【公共交通機関の場合】
・北陸新幹線/JR小海線「佐久平駅」下車、JRバス関東「高峰高原」行乗車、「高峰高原ホテル前」バス停下車ー車坂峠JRバス関東|高峰高原-佐久平駅線
【高速バスの場合】
・JRバス関東…新宿から高峰高原ホテル前までの直通バス
※運休の場合あり
JRバス関東|新宿~佐久・小諸・高峰高原
浅間山荘登山口
【クルマの場合】
・上信越自動車道「小諸」ICー県道79号ー県道80号ー浅間山荘登山者用駐車場
・中央自動車道「長坂」ICー県道32号ー県道28号ー国道141号ー国道299号ー国道141号ー浅間山荘登山者用駐車場
【公共交通機関の場合】
・北陸新幹線「佐久平」駅下車、JRバス関東「高峰高原」行乗車→「浅間山登山口バス停」下車ー浅間山荘JRバス関東|高峰高原-佐久平駅線
下山後にすぐ入れる!浅間山周辺の天然温泉
高峰高原ホテル
「高峰高原ホテル」は黒斑コース登山口にあるホテルなので、下山後にすぐ温泉に入れます。風呂からは八ヶ岳や周辺の山並を一望でき、温泉に浸かりながら高原の眺めをゆったりと堪能できるのが魅力。
天狗温泉 浅間山荘
「天狗温泉 浅間山荘」は、火山館コースの登山口にある旅館。こちらの天然温泉施設を日帰り入浴で利用できます。鉄分を豊富に含んだ赤褐色のお湯が、疲れた体をじんわりと温め癒やしてくれます。
浅間山の美しい姿を堪能しよう!
「浅間山」の美しさと存在感は、古くから人々を魅了してきました。豊かな自然を抱く浅間山は、秋の紅葉や冬の雪景色など季節ごとに違った魅力をみせてくれます。あなたもぜひ浅間山の美しい姿を堪能してみてくださいね!