創業者ダグ・トンプソンと1968年からはハップ・クロップが加って開発された最初の商品は、スリーピングバッグ。これは業界初の最低温度規格を表示したことで話題となり、今でも大人気のダウン製品のルーツとなっています。ヒット商品が生まれたのは1969年のこと。軽量で当時にはなかった内部フレームパック構造のバックパック「Ruthsack」は世界のバックパックの概念を変えました。これよりバックパックは今のような機能性の高いものとなっていきました。
それからほどなくして、世界初のドーム型テントを開発し、テント界にも革命を起こします。現在でも、「最小限のエネルギー・物質で、最大限の機能を引き出す」ことをテーマに、新たな商品開発を続けているブランドです。
フリースのイメージが強い「パタゴニア」はまさかの鍛冶屋からスタート
パタゴニアの前身、シュイナード・イクイップメント社はもともとクライミングでロープを固定するために岩に打ち込む金具「ピトン(ハーケン)」を製造・販売する会社でした。
自身もクライマーの創業者イヴォン・シュイナードが、独学で鍛造を学んで作ったピトンは手作りでは追いつかないほど好評になりました。しかしながら、岩に打ち込むピトンは岩を破損するため、人気のクライミングルートが深刻なダメージを受けていることに気づき、ピトンの製造をやめることを決断します。これが、パタゴニアに今日にも続く環境配慮への考えの芽生えでした。
その後、クライミングに適した強度のあるラグビーシャツをヒントに、ウェア部門を設立します。当時のアウトドアウェアでは珍しいカラフルなデザインで、タウンユースとしても人気となりました。