バックカントリーをする際の注意点
バックカントリーとは、手つかずの大自然、つまりゲレンデ外を滑ること。その魅力や必要な技量・できる場所について、白馬を中心に活動されている番亭の竹尾ガイドにお話しを伺いました。
しかし、バックカントリーを楽しんでいた人が事故に遭ったという痛ましいニュースを度々耳にします。1つの大きなリスクとして「雪崩が発生する」という点は想像できるのですが、具体的にどんなリスクを伴うのでしょうか。今回は、バックカントリーをする際に必ず知っておくべき「リスク」について、引き続き竹尾ガイドに詳しくお話を伺っていきます。
バックカントリーにおいて、主なリスクとはいったいなんでしょうか?
雪崩・遭難・怪我
大きく分類してこの3つが大きなリスクです。
それらはどういったことが原因で発生するのでしょうか?
【雪崩】
雪崩事故のほとんどが人為的判断ミスで発生しています。雪が不安定な時に安易に斜面に進入、下部に人がいる時に滑走、ハイクアップの時に雪崩地形に入るなどが主な原因になります。
【遭難】
安易に山奥に入ったり、他の人のトレース(足跡や滑走した跡)をなんとなく追ってしまい途中で天候が悪化して現在地をロストしてしまいます。
【怪我】
バックカントリーでは滑走中の雪質の変化は珍しくありません。 雪質の変化に対応出来なくて木や雪のブロックに衝突なんて事もあります。雪崩に巻き込まれると岩や木に衝突して怪我をする可能性もあります。また、登りでも滑走中にアイスバーンで滑落して怪我をする事も考えられます。バックカントリーでは気温の急激な変化やハイクアップの時に発汗してその後風などの影響で低体温症になる方も多いです。
未然に上記のリスクを防ぐために、するべきことを具体的に教えてください。
【雪崩について】
雪崩を未然に防ぐために雪が降り積もった構造や雪の種類を勉強する事も重要なんですが、はっきり言って難しいです。 毎日山に入っているガイドでも雪崩れる、雪崩ないの100%の判断は難しい。まずは雪崩が発生しそうな場所、雪崩が発生しても雪崩が到達しない場所を覚えて下さい。『地形を把握する』というのは専門の知識がなくても理解しやすいです。雪崩は水の流れと同じように下流へ流れて行きます。 雪崩には発生する場所(発生区)、流れ落ちる場所(走路)、雪崩が止まる場所(堆積区)の3つが存在しますが、これらを避けての行動が原則です。 基本的に少しでも高い所が安全です。