滑走中は雪崩地形を滑る事が多いですが、必ず1人ずつ滑走する、止まる時はもし雪崩が起きても雪崩が到達しない場所で止まるようにして下さい。 また、滑っていない人は滑走者を常に見ている事。もし雪崩に巻き込まれてもある程度の埋没地点が特定しやすくなります。 ハイクアップ中で危険な場所を通過する時も1人ずつ通過が原則です。 雪崩に巻き込まれても、最大でも1人が巻き込まれるような状況を常に作る事が大切です。ほとんどの斜面で安全な場所は意外と沢山点在しています。
【遭難について】
地図とコンパスを使いこなせるようにする事が大前提ですが、天候の悪化の兆候があれば細かく現在地を把握しておく事が大切です。
またGPS(携帯のアプリでもあります)をバックアップで持つ事も有効です。

【怪我について】
バックカントリーでの滑走は常に余力を残して滑る事を心がけて下さい。 急な雪質の変化や地形の変化の対応が瞬時にできるようすると怪我も少なくなります。
低体温症を防ぐには、暑い時でも汗をかかないようにハイクアップのペースをコントロールする事、汗は身体を急激に冷やします。寒い時には早めに防寒着を着用する事が重要です。 早めに対処しないと体温が低下していくと判断能力も落ちてしまいます。
もしトラブルが発生したら
それでも、自然条件とは意のままにならないもの。上記のようなトラブルが発生した場合の対処法を教えてください。
雪崩の対処法
滑走中雪崩が発生してしまったら、まずは転倒しないように集中して雪崩の走路、堆積区から外れる事を最優先して下さい。 雪崩の規模にもよりますが転倒してしまうと埋没する可能性が高くなります。
転倒してしまったら?
雪崩に流されながら体の一部でも雪面の上に出せるように努力します。体を動かせるのは流されている時まで。ここで全身埋没になるか部分埋没になるかで、救助までの時間は大きく変わると思います。
また、雪崩に流されている途中雪は口や鼻にも入ってきます。最後に口と鼻を手で覆えたら覆って下さい。少しでも空気の層が作れたら呼吸ができる時間が伸びます。雪崩の動きが止まったと同時に体は動かせなくなるので仲間を信じ、パニックにならないように心を落ち着かせて待ちましょう。ハイクアップ中や休暇中に雪崩に遭遇した場合は逃げる事が難しいですが、基本に忠実な行動をしていれば雪崩に遭遇する事はないと思います。