「常念岳」ってどんな山?
標高 | 所在地 | 山域 | 最高気温(6月‐8月) | 最低気温(6月‐8月) |
---|---|---|---|---|
約2,857m | 長野県松本市安曇 | 北アルプス南部 | 16.9℃ | 1℃ |
常念岳は日本百名山のひとつで、北アルプス南部、常念山脈にある標高2,857mのピラミッド型が特徴的な山です。山体は長野県の松本市と安曇野市にまたがっています。また、森林限界を越える高山帯は、ライチョウの生息地となっており、珍しい高山蝶も生息しています。
安曇野のシンボル・常念岳
常念岳は形の整ったピラミッド型が特徴的で、街から望む姿もとても美しく「安曇野のシンボル」とされています。
晴れた日の常念岳の山頂から望む景色は360度のパノラマが広がっており、穂高連峰や槍ヶ岳、燕岳などアルプスの山々を一望することができます。
常念岳の天気
標高も高く天気が変わりやすいので、事前に登山計画を立てるのはもちろん、天気をしっかり確認し、万全の準備をして登山に臨みましょう!
てんきとくらす|常念岳
※登山指数を参考に、天気予報や天気概況などの情報も検討したうえで登山計画を立てましょう
燕岳と常念岳、どちらが登りやすい?
北アルプスに挑戦しようと考える中級者にとって、行き先候補として上がりやすいこの2峰。どちらを登ればいいか迷うかもしれません。
「信州 山のグレーディング」を見ると、体力レベルと難易度は同じ。燕岳は「合戦尾根」、常念岳は「胸突き八丁」とそれぞれ急登があるのも似ています。ただ、距離と行動時間は常念岳のほうが長くなります。
健脚であればいずれも日帰りで登れなくはないですが、1泊2日と余裕を持って登ることをおすすめします。
【1泊2日】一ノ沢登山口ピストンルート
最高点の標高: 2819 m
最低点の標高: 1337 m
累積標高(上り): 2108 m
累積標高(下り): -2108 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 1泊2日
- コースタイム:9時間55分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
一ノ沢登山口(75分)→王滝ベンチ(120分)→胸突八丁(30分)→水場(50分)→常念乗越
常念乗越(70分)→常念岳(50分)→常念乗越(40分)→水場(20分)→胸突八丁(80分)→王滝ベンチ(50分)→一ノ沢登山口
まずは常念岳のみを登るルートを紹介します。大きな難所などはありませんが、総コースタイムは約10時間なので、初めての人は1泊2日で登ることをおすすめします。
一ノ沢登山口ルートは道幅が狭く、谷側は草で見えにくくなっていますので滑落に注意しながら行動しましょう。
登山口から最初は比較的なだらかな道が続きますが、「胸突八丁」からはその名の通り急登!がんばりましょう。
常念乗越に来ると絶景が広がっています!槍、穂高など北アルプスが一挙に見渡せます。
山頂からの眺めも素晴らしく、360°のパノラマは見ごたえ十分!次に行きたい山を見つけるのもいいですね。
【1泊2日】常念岳~蝶ヶ岳縦走登山コース
最高点の標高: 2819 m
最低点の標高: 1381 m
累積標高(上り): 3156 m
累積標高(下り): -3156 m
- 【体力レベル】★★★★☆
- 1泊2日
- コースタイム:14時間35分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
三股(120分)→まめうち平(160分)→蝶ヶ岳
蝶ヶ岳(55分)→蝶槍(205分)→常念岳山頂(5分)→常念岳(60分)→前常念岳(270分)→三股
ピストンコースとは異なる登山口・三股より入山します。まずは蝶ヶ岳を目指します。
蝶ヶ岳の頂上は開けており、槍ヶ岳を存分に望むことができます。1日目の行程はここまでですが、2日目は蝶槍から常念岳、そして下山と長丁場なのでしっかりと休息を取りましょう。
2日目のメインは常念山脈の稜線歩きです。高低差はありますが、北アルプスならではの眺望を楽しみながら歩けます。1日目に比べると行動時間が長いため、下山時刻に注意しながらペース配分を行いましょう。
上級者ならば燕岳への「常念山脈縦走」も可能!
常念岳は常念山脈の中央あたりに位置するため、縦走の一部に取り入れられることが多いのが特徴。南は蝶ヶ岳や上高地、北は大天井岳や燕岳と、レベルに応じて挑戦してみましょう。
登山口までのアクセス
ここでは紹介したルートの登山口(一ノ沢・三股)へのアクセスや駐車場情報について紹介します。
いずれの駐車場もハイシーズンの週末には朝早くから満車となる可能性が高いので、麓からタクシー移動なども選択肢として考慮しておきましょう。
クルマの場合
長野自動車道「安曇野」IC−県道495号
公共交通の場合
JR「穂高」駅よりタクシー
※下山時のタクシーは電話予約が必要
南安タクシー|北アルプス登山
安曇野観光タクシー|登山情報
登山シーズン中は各地発着の登山バス「毎日アルペン号」の利用も可能です。
まいたび|毎日あるぺん号
常念岳登山の山小屋情報
常念岳の周辺山小屋情報を紹介します。山小屋が営業しているのは、例年5月上旬〜11月上旬になりますが、雪解けや降雪などにより期間は多少前後します。
常念小屋
1919年創業、風格のある佇まいがある100年を超える歴史ある山小屋です。小屋近くにはコマクサが咲き、登山者の目を楽しませています。
蝶ヶ岳ヒュッテ
蝶ヶ岳ヒュッテは穂高連峰を目前にした風景が素晴らしい山小屋です。小屋の食事は地元安曇野の農家が作った米、スタッフ手作りの味噌と心づくしです。
常念岳近くのおすすめ観光スポット
常念岳周辺のおすすめ観光スポットを紹介します。常念岳周辺には魅力的ある素敵な観光名所がたくさんありますので、登山ついでに観光地を満喫しちゃいましょう。
安曇野蝶ヶ岳温泉 四季の郷 ほりでーゆ〜
登山を楽しんだ常念岳を望みながら浸かることができる露天風呂がとても魅力の温泉施設です。露天風呂以外にも大浴場の他、高温サウナやジャグジー、打たせ湯等もあります。館内のレストランでは長野のご当地グルメ「山賊焼」も食べることができますよ。
田淵行男記念館
山岳写真家であり、高山蝶の研究家であった田淵行男。彼が生前撮影したフィルムなどの原盤、撮影機材や愛用の登山道具、蝶を描いた細密画などを収蔵しています。長野道の安曇野インターチェンジからも近い場所にあるので、ぜひ立ち寄ってみては。
北アルプスの稜線歩きを楽しもう!
常念岳は街から見える堂々たる山容から、登山者なら一度は登ってみたい山。単体で登るだけでなく、北アルプスのなかでは、比較的難所も少ないため、縦走などでも人気となっています。高山植物や蝶々が待つダイナミックな山へぜひ登ってみてくださいね。