COCOHELI 山岳遭難対策制度(ココヘリ) 550万円までの捜索救助を実施 入会金1,100円OFFで申込む
モンベルのレインウェア「バーサライト ジャケット&スーパードライテック レインパンツ」

新しくなったモンベル登山用レインウエア8モデルから、「バーサライトジャケット」を選んだ理由

長く愛用していたレインウエアが経年劣化によって機能しなくなり、買い換えることになりました。新しいレインウエア選びの基準は「コスパ」と「軽さ」。そこで候補の一番手で比較検討したのがモンベルの登山用レインウエアです。

でも2025年は8モデルもラインナップされ、どれもコスパ、軽さに長けたもの。そこで私がどんなことをポイントにしてひとつに絞ったのかを、解説、紹介します。

目次

記事中画像撮影:長谷川拓司、ポンチョ

コスパ=単に安いというだけではない。価格と性能・価値のバランス

OMM カムレイカジャケット
約12年愛用したOMMのカムレイカジャケット。伸縮性に長け、着心地のよさがありましたが、経年劣化で買い換えることにしました。

レインウエアの耐用年数は、一般的に5年くらいといわれています。モノ持ちのよい私は、OMMというブランドのレインジャケット&パンツを12年着ていましたが、昨年から怪しくなり、今シーズンがはじまってシームテープや裏地の剥離が起きたため、ついに買い換えることにしました。

再びOMMの同じレインウエアをとも考えましたが、私の山行はデイハイク&ランが中心。テント泊、山小屋泊の際には、時間を自由に使える仕事柄、雨予報が出ているときに登ることは滅多にありません。

また近年は小雨であればウィンドシェルでやり過ごし、少し強めの雨でも森のなかなら傘をさすようになったため、過去5年間で雨天時にレインウエアを着たのは、5回あったかなかったか。月に3~4回ペースで登山をして、年に1回程しかレインウエアを雨天時に着用しないのであれば、コスパに長け、できるだけ軽いレインウエアを選ぶことが最適だと判断しました。

ちなみにOMMのレインウエアを選んだ当時は、トレイルランニングのレースに頻繁に出場していたので、ストレッチ素材による動きやすさを重視して選択。でも、雨のレースで上下ともに着用したのは一度だけでした。

私同様に多くのハイカーの皆さんも、デイハイクが中心で、よっぽどの雨男雨女でなければ、年に数回しか、雨天時にレインウエアを着る機会はないでしょう。だから、「高価なレインウエアでなく、安価なもので……」と考える方も多いと思います。例えばワークマンのレインウエアも、かなり機能がアップしていて、しかも驚きの低価格。低山のデイハイクであれば問題ありません。

でも、シーズン中に2,000~3,000m級の山も登るなら、安価なだけでなく、シビアな自然環境下でも快適性を維持してくれる機能を装備していることが、不可欠です。

上記した「コスパ」とは、安価というだけでなく、登山で動きやすく、快適さを損なわない機能を装備していることを意味します。

モンベルの2025年版登山用レインウエアは、8モデル

モンベル 2025年レインウエア
提供:モンベル 編集:ポンチョ

コスパと軽量性を装備し、登山での機能も十分なレインウエアの筆頭は、モンベルです。私が主宰する登山のツアー・イベントで登山用のレインウエアのおすすめを聞かれることが多くありますが、最初に紹介するのはモンベルです。

同社の登山用レインウエアは、あらゆるアウトドアアクティビティに対応した機能を備えた定番。そして現在もラインナップされている1982年発売のストームクルーザーは、雨の多い日本のフィールドで機能するレインウエアの在り方を、常にリードしてきたモデルです。

私も、初めてのレインウエアで選び、多くの登山で装備しました。そこで初心に返って、今回はモンベルから選ぶことにしました。

ですが、モンベルの登山用レインウエアの2025年モデルを見てみると、ジャケットのラインナップ数はなんと8モデルもありました!(※上画像そのラインナップです。すべてメンズモデルですが、いずれもウィメンズモデルが用意されています。またレイン上には他に、袖を取り外せるコンバーチブルモデルなども、あります)

8モデルのなかから、どれを選ぶべきか?まずはスペックの比較検討です。

200gを切るレインジャケットは3モデル

番号モデル名価格重量素材表地の厚さ
ストームクルーザー¥22,000254gスーパードライテック30D
テンペスト¥35,200247gゴアテックス20D
レイントレッカー\29,200301gゴアテックス50D
トレントフライヤー\23,200186gスーパードライテック15D
ピークシェル\32,000185gゴアテックス15D
バーサライト\24,000143gスーパードライテック7D
サンダーパス\14,800325gドライテック50D
レインハイカー\12,980252ドライテック50D

私の今回のレインウエア選びの基準は、「コスパ」と「軽さ」です。モンベルの登山用レインウエアの8モデルで比較すると、

  • コスパ」で選ぶなら、¥15,000以下の⑦サンダーパス、⑧レインハイカー
  • 軽さ」なら、200gを切る④トレントフライヤー、⑤ピークシェル、⑥バーサライト

となります。
もし耐久性を含めたバランスのよさを求めるなら、定番①ストームクルーザーでしょう。どれにするか迷ったら、ストームクルーザーにしておけば間違いありません。価格も安いですし!

ところで、私は暑がりなのです。そのため、気温の高い時期は、レインジャケット内がムレと汗でビショビショに濡れてしまいます。だから、小雨程度の場合なら、ムレにくいウィンドシェルを着ることが多いんです。

そこでポイントとなるのが、“素材”です。

安定のゴアテックスか、独自素材スーパードライテックか

上の表で紹介した通り、モンベルのレインウエアには、防水透湿素材の定番として知られるゴアテックス、同社独自素材のスーパードライテック、ドライテックの3種類の素材が使用されています。その違いは、透湿性と耐水性の性能です。

  • ゴアテックス
    透湿性:20,000g/m²・24hrs、耐水圧:20,000mm以上
  • スーパードライテック
    透湿性:50,000g/m²・24hrs(ストームクルーザーは40,000g/m²・24hrs)、耐水圧:20,000mm以上
  • ドライテック
    透湿性:15,000g/m²・24hrs、耐水圧:20,000mm以上

※上記数値は、いずれもモンベルのレインウエアにおける数値

モンベル バーサライトジャケット

さてゴアテックスの防水透湿素材には、現在3種類が用意されています。モンベルがレインウエアに採用しているのは「パフォーマンス」というモデルで、丈夫な表生地によって、高いプロテクション性を装備しているものです。レインウエアとして、バランスのよさを装備できます。

スーパードライテックは、高い透湿性と耐水圧を実現した素材で、雨を防ぐだけでなく、ウエア内のムレにくさが特長です。ストームクルーザーの透湿性が40,000g/m²・24hrsと他モデルに比べて低いのは、表地が厚いからでしょう。

そしてドライテックは、アウトドアで必要な防水透湿機能を装備したコスパモデルといえます。

ちなみに、モンベルのレインウエアはの耐水圧は、素材の違いに関わらず、すべて20,000mm以上となっています。これは嵐でも問題なく着用し続けられるレベルです。山で嵐のなかを移動はしませんが、それだけゆとりがあるということは、ゲリラ雷雨に遭遇して強い雨に打たれても、身体がびしょ濡れになる可能性を低くできます。

ムレにくさと軽さ、薄さで選んだ、バーサライトジャケット

モンベル バーサライトジャケット

今回、全8モデルあるレインウエアのなかから、まず軽さを重視して、重量200gを切る④トレントフライヤー、⑤ピークシェル、⑥バーサライトの3モデルに絞りました。

さらに暑がりな私は、信頼性は高いですが、透湿性に劣るゴアテックス製の⑤ピークシェルを省き、透湿性の高い、スーパードライテック製の④トレントフライヤー、⑥バーサライトを最終候補としました。

この2モデルの違いは、2点です。

ひとつは表地の厚さです。④トレントフライヤー:15D、⑥バーサライト:7D。
どちらもレインウエアとしてはかなり薄手です。

もうひとつは、④トレントフライヤーは胸ポケットを装備、⑥バーサライトはポケットを装備していません。

2つのジャケットを端的に表現してみれば、

薄くて軽く、必要最低限の使い勝手を装備した④トレントフライヤー。
軽量コンパクトさに特化してシンプルさを極めた⑥バーサライト。

とはいえ、どちらも15Dと7Dという表地の薄さを心配する人も多いでしょう。しかし、これは表地の薄さで、実際には防水透湿素材の膜と裏地が合わさった生地なので、その厚さは倍以上になります。

一方で薄手のウィンドシェルであれば、15Dや7Dの生地一枚です。私が愛用しているウィンドシェルはいずれもその薄さですが、どれも5~20年以上着用、破れや穴開きもありません。

クライミングや藪漕ぎ等、通常の登山道以外のバリエーションルートを頻繁に登るなら、厚みのある定番ストームクルーザー等を選ぶ方が安心です。でも、ノーマルルート、通常の登山道を登るなら、薄さは、レインジャケットについていえば、心配は不要だと考えます。もちろん、私の登山スタイルにおいてという鍵括弧付きです。

ポケットは必要か?それとも不要か?

ここまで比較してきた段階で、以前の私であれば、恐らく④トレントフライヤーを選んでいました。わずか40gの差ならば、使い勝手のよさを装備している方に、道具としての価値を感じていたからです。

でも、使い勝手=便利な機能って、案外使わないことの方が多いんです。むしろ不便さから自分なりに使い方を工夫した方が、実は使い勝手がよくなる経験をしてきました。だから、今回選ぶべきは、便利さよりも、シンプルさ、軽さだと考えました。

それに、私はランニングやファストハイクをしているので、ベスト型のバックパックを愛用。またショルダーハーネスにポケットがないバックパックには後付けポーチを追加して使用しています。スマホは防水防塵仕様なので、レインジャケットにポケットが装備されていなくても、問題ありません。

さらに登山時にはサコッシュを肩掛けしているので、小物類はレインウエアのポケットに収納する必要もありません。雨が降ってきたら、レインジャケットの内側にサコッシュを肩掛けすれば、腹が出て見た目は不格好ですが、サコッシュ内の荷物を濡らすこともありません。

だからレインジャケットにポケットがなくても、なんとかなります。いや、むしろ私の場合は不要です。
という訳で、私は⑥バーサライト ジャケットを選びました。

1 / 2ページ