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意外と重要!ネックウォーマー・ネックゲイターの役割とは

防寒と聞くと、フリースやダウンなどウェアを着込む姿を思い浮かべますよね。もちろん体の中心を温めることも大切ですが、首から上は無防備になりがちです。
ですが登山において首まわりの防寒・防風対策はとても重要。首まわりをしっかりカードすることで、全身の冷えを抑える働きにつながります。
そこで役立つのは今回紹介するネックウォーマー(またはネックゲイター)。頭からさっと被って着用する筒用タイプが一般的で、軽量でコンパクト。携行性に優れているためアクティブな登山にぴったりなアイテムなのです。

首まわりを保護するアイテムを総称して「ネックゲイター」と呼びますが、一般的には保温性がある防寒重視のタイプを「ネックウォーマー」、冷感素材やUVカット機能がある夏向けを「ネックゲイター」と呼び、わかりやすいよう区別されています。
まずは冬向けのネックウォーマー、夏向けのネックゲイター、それぞれの登山における役割からみていきましょう。
ネックウォーマーは体の冷えを抑える役割

冒頭でも触れましたが、身体の中で首まわりは体温調節に重要な部分。首まわりは皮下脂肪や筋肉が比較的薄く、そのうえ血液を循環させる太い血管が通っています。そのため長時間首を冷やしてしまうと、全身の冷えにつながる恐れがあるのです。
全身の冷えや体力消耗を軽減するためにも、首まわりの防寒対策はマストといっても過言ではないでしょう。
防寒アウターやウェアだけでは首元に隙間ができやすく、対策としては不十分。ネックウォーマーを着用することで、より効果的に冷気を遮断できます。アウトドア用であれば50g前後と軽量な製品が多いので、少しでも不安に感じるなら持っておくと安心です。
ネックゲイターは紫外線から首を守る役割

夏登山の天敵、紫外線。とくに標高の高い山では影響を受けやすく、日焼け止めを塗っても汗で流れ落ちてしまうことも……。紫外線対策を甘くみていると、日焼けによる水膨れができたり、ひどい場合は火傷に似た症状が現れる場合もあります。
そんな紫外線対策に一役買ってくれるのがネックゲイター。UVカット機能を備えた製品も多く、紫外線を高確率でブロックしてくれます。
また気になる発汗時の蒸れですが、吸湿速乾性のある素材を用いた汗処理に優れた製品も多く、夏でも快適に使えるよう工夫されています。
これはネックウォーマー・ネックゲイターに共通しますが、土埃や砂などから喉を守る役割も果たします。
ネックウォーマーの選び方3つのポイント
ネックウォーマー・ネックゲイターはどれも形状が似ており見た目では違いが判断しにくいもの。
以下の3ポイントを意識することで、自分の使用目的に合った適切なモデルを見つけやすくなります。
ネックウォーマー選び3ポイント
- 使用目的にあった「素材」
- 扱いやすさで選ぶ「着脱方法」
- フィット感を調節する「機能」
①使用目的にあった「素材」で選ぶ

登山向けのネックウォーマー(ゲイター)に採用されている主な素材は、主に以下の4種類。
- フリース
- ボア
- メリノウール
- 化繊
まずは各素材のメリット・デメリットと適した登山シーンを知り、どの素材が自分の行動スタイルに合っているのかを考えてみましょう。
フリース:毛並み感が少なく、ウールに近い肌触りが特徴
メリット | ウールに近い質感で温かい 軽量で速乾性に優れている |
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デメリット | ウールより保温性は劣る |
→ 防寒目的で使う冬季登山に適している
ボア:羊の毛のようなモコモコした肌触りが特徴
メリット | 軽量で保温性もあり、価格もリーズナブル |
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デメリット | 繊維がカールしているため、ホコリ・ゴミがつきやすく毛玉もできやすい 静電気が起こりやすい |
→ 防寒目的で使う冬季登山に適している
メリノウール:天然素材でなめらかな肌触りが特徴
メリット | 保温性が高く、吸湿性に優れているため蒸れにくい 天然消臭効果がある |
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デメリット | 天然素材のため高価で、フリースやゴアに比べて耐久性は低い |
→ 天然素材で通気性・保温性を持ち通年で使用できる
化繊:ポリエステル100%や、ポリウレタンを混合した素材やメッシュタイプの製品が多い
メリット | 紫外線を通しにくい |
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デメリット | 長期間連続して使用すると、汗などによる臭いがつきやすい |
→ 紫外線対策で使う春~秋にかけての登山に適している
②「着脱方法」で選ぶ

頭から被って使う筒状タイプの他、ジッパーやボタンで開け閉めして着脱するオープンタイプがあります。
いずれものタイプも一長一短。
それぞれのメリット・デメリットを知り、自分に使いやすいタイプがどれか考えてみましょう。
筒状タイプ
頭から被って着脱するタイプ。夏用のネックゲイターには、耳に掛けられる製品もある。
- メリット:軽量で、たたんでポケットに収納できるコンパクトさ
- デメリット:帽子やサングラスを着用していると着脱しにくい
ボタン&ジッパータイプ
ジッパーやボタンで開け閉めして着脱するオープンタイプ。
- メリット:着脱が簡単で、温度調節もしやすい。帽子を被ったままやヘアスタイルを崩さず身につけられる
- デメリット:ボタンやジッパーなどのパーツが増える分、重さのある製品が多い
③「フィット感の調節機能」の有無で選ぶ

鼻まで覆える長さがあると、着用中に徐々に動いてずれてしまうことが多々あります。そんなとき、ドローコードなどのアジャスター機能があればフィット感を調節できて便利です。
しかし、あえてアジャスター機能がないモデルを選ぶのも手。生地の長さがあれば、片面を裏返すだけで温度や蒸れを調節でき、ドローコードなどで調節するより簡単です。
また夏向けのネックゲイターの中には、マスクのように耳にかけられるタイプもあります。フェイスマスクのような感覚で使えて便利です。
登山におすすめのネックウォーマー・ネックゲイター24モデル
ここからはアウトドアブランドが出している、登山向けのネックウォーマー・ネックゲイターを紹介します。シーズン別にピックアップしているので、自分の登山スタイルに合った製品を見つけてくださいね。
冬季登山におすすめのネックウォーマー17モデル
まずは主に秋~春先にかけて、積雪のない冬の低山登山向けのネックウォーマーを紹介します。着脱タイプで分けています。
なお雪山登山の場合、ネックウォーマーのみでは肌の露出部分が多く防寒対策として不十分です。
氷点下の中で暴風や吹雪に見舞われることがあり、肌を露出した状態だと体温を奪われて凍傷や低体温症になるおそれがあります。
凍傷を防ぐためにも、しっかりと顔周りを保護することが大切。そのため目出し帽の名で知られる「バラクラバ」の着用が必要となります。
▼バラクラバについて知りたい方はコチラ
頭からかぶる筒状13モデル
コロンビア バックアイスプリングスネックゲイター
素材 | MTRフリース(ポリエステル100%) |
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フィット感の調節機能 | なし |
重量 | - |
サイズ | 幅25×丈22cm |
シンプルで街にも馴染むデザイン
軽量で暖かなMTRフリースを使用したコロンビア定番のネックゲイター。厚すぎない程よいボリュームで、ジャケットの首元もかさばらないのでどんな服にも合わせやすい。
カラーは無地の他、毎年発表されるイヤーズプリントにも注目です。
コロンビア トレイルシェイカーゲイター
素材 | OHR Fleece(ポリエステル100%) |
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フィット感の調節機能 | あり |
重量 | - |
サイズ | - |
熱反射保温機能で暖かさをキープ
ブランド独自開発の熱反射保温機能『オムニヒート』を採用したネックゲイター。後頭部のアジャスターがあり、フィット感の調節も可能です。程よい厚みで、登山はもちろんランニングにもおすすめ。
ザ・ノース・フェイス スーパーバーサロフトネックゲイター
素材 | Recycled Sherpa Fleece Bonding(ポリエステル100%) |
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フィット感の調節機能 | あり |
重量 | - |
サイズ | 幅30×丈22cm |
毛足の長いフリース素材を使用し、肌触りの良さにこだわったモデル。表面のモフモフ感がおしゃれで、タウンコーデにも合わせやすいデザインです。
フィット感を調節できるドローコードも配備されています。
カリマー light fleece neck warmer
素材 | ポリエステル100% |
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フィット感の調節機能 | - |
重量 | 25g |
サイズ | 横26×縦25cm |
軽量でコンパクト性に優れている
コンパクトに折りたため、ポケットにもしまいやすいシンプルなネックウォーマー。軽量で保温性に優れた中空糸と、吸汗速乾性に優れたフリースを採用。スマートなシルエットとムダのない洗練されたデザインで使いやすいモデルです。
カリマー neck warmer
素材 | Polyester 85%、Polyurethane 15% |
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フィット感の調節機能 | あり |
重量 | 40g |
サイズ | 横26×縦27cm |
吸汗速乾性に優れ、不快な蒸れを軽減する
後ろのドローコードで口元のフィット感を調整できるネックウォーマー。POLARTEC® Power Stretchを使用し、ストレッチ性や吸汗速乾性にも優れています。襟元でかさばらない形状なので、冬の登山やスノースポーツにもぴったりです。
マムート Taiss Light Neck Gaiter
素材 | technical fleece |
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フィット感の調節機能 | なし |
重量 | 48 g |
サイズ | 高さ32×幅25cm |
ストレッチ性と吸湿性で快適な着心地
軽量で伸縮性のある素材のネックゲイター。汗を積極的に吸い上げてくれるので、冬のハイキングやスキーツアーなどアクティブシーンでも快適な被り心地です。生地の一部に耐摩耗性に優れたポリアミドを使用し、耐久性も申し分なし。
ミレー ポーラ エルゴ ネック ゲイター
素材 | Polartec® CLASSIC MICRO ポリエステル100% |
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フィット感の調節機能 | あり |
重量 | 40g |
サイズ | - |
立体裁断で高いフィット性を誇る
軽くて保温性と速乾性に優れたPolartec®フリースを使用した高機能モデル。口元には消臭素材も使用しています。
運動性を考慮した立体裁断と鼻上部の形状記憶樹脂によって高いフィット性を誇り、多様なマウンテンスポーツに対応します。
ミレー ポーラ ハイ ロフト ネック ゲイター
素材 | Polartec® THERMAL PRO HIGH LOFT ポリエステル100% |
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フィット感の調節機能 | あり |
重量 | 40g |
サイズ | - |
毛足の長いフリースで肌触りと保温性を両立
毛足が長いPolartec®ハイロフトフリースを使用したなめらかな肌触りのネックゲイター。調整用ドローコード仕様なので、簡単にフィット感を調整でき非常に便利です。
ミレー バック ボア ネック ゲイター
素材 | ポリエステル100% 撥水加工 x ポリエステル75% アクリル25% |
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フィット感の調節機能 | あり |
重量 | - |
サイズ | - |
裏ボア仕様でスタイリッシュな見た目
スタイリッシュな見た目ですが、裏ボア仕様で保温性もバッチリ。表側には風を防ぐポリエステル生地を配置し、風や冷気をシャットダウンします。
ドローコードでフィット感の調整も可能です。
アイスブレイカー フレクシーシュート
素材 | 200g/m2 Jersey(ウール100%(メリノウール)) |
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フィット感の調節機能 | なし |
重量 | - |
サイズ | - |
長めの生地でフレキシブルな使い方ができる
ニュージーランド産メリノウール100%の高品質なネックウォーマー。肌に直接触れてもチクチクしない、柔らかな肌触りが特徴です。
天然消臭効果で、長時間の着用による臭いも気になりません。チューブ型で全長50cmと長めのデザイン。
フェイスガードやヘッドウエアなど、フレキシブルな使い方ができる点も魅力です。
ジッパーやボタンで開け閉めする5モデル
コロンビア オウルピークネックゲイター
素材 | 表地: BOA13175(ポリエステル100%) 裏地: MICRO FLEECE(ポリエステル100%) |
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フィット感の調節機能 | なし |
重量 | - |
サイズ | - |
着脱しやすいジッパー仕様
着脱しやすいジッパー仕様のネックゲーター。表面は暖かみのある立体感のパイル編み、裏面には肌ざわりのよいフリース素材を採用。コーディネートに取り入れやすいクセのないデザインなので、アウトドアシーンや旅行をはじめタウンユースにもおすすめ!
ザ・ノース・フェイス バーサアクティブネックゲイター
素材 | PERTEX QUANTUM AIR ECO(ナイロン100%)、切替部:ポリエステル100% |
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フィット感の調節機能 | なし |
重量 | - |
サイズ | 縦幅(前)20×縦幅(後)15×横幅28cm |
通気性と透湿性に優れた
軽さと防風性を備えたPERTEX QUANTUM AIR ECO(パーテックスカンタムエコ)を使用したモデル。肌面には、優れたストレッチ性と吸汗速乾性を併せ持つナイロンフリースを使用しています。
後部のスナップボタンと面ファスナーの2wayで着脱できます。
ザ・ノース・フェイス リバーシブルネックゲイタージップ
素材 | NORTHTECH Cloth Eco(ナイロン100%、Versa Mid ECO(ポリエステル100%)) |
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フィット感の調節機能 | なし |
重量 | - |
サイズ | 上口幅28×裾幅33×丈(ファスナー長)24cm |
リバーシブルで見栄えも変わる
防風性のあるコットンのような肌触りのナイロン素材と、毛足が長くあたたかいバーサーミッドエコフリース素材の2面をリバーシブルで使えるネックゲイター。フロントファスナー採用なので、サングラスや帽子をかぶった状態でもスムーズに着脱できます。
夏登山におすすめのネックゲイター6モデル
最後に、夏登山におすすめの紫外線対策に有効なネックゲイターをご紹介。筒状モデルが多いですが、マスクのように耳かけるタイプも登場します。
Buff CoolNet UV+
素材 | 95% ポリエステル 5% ポリウレタン |
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UPF(紫外線防止指数) | UPF50+ |
フィット感の調節機能 | - |
重量 | 37g |
サイズ | 22cm×53cm |
工夫次第でヘアバンドや帽子にもなる
UPF50(紫外線98%カット)のUVカット機能を備えています。ネックゲイターやフェイスマスクとしてはもちろん、工夫次第でヘッドバンドや帽子などにもアレンジ可能です。
天然銀塩を使用した抗菌技術で臭いを抑え、快適さな着心地をキープします。
認定済みペットボトルから作られた、ポリエステルマイクロファイバーのみを使用した環境にも配慮された製品です。
フォックスファイヤー マルチマッフル
素材 | ポリエステル100% |
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UPF(紫外線防止指数) | - |
フィット感の調節機能 | なし |
重量 | 30g |
サイズ | - |
夏山こそ快適なツルツルした肌触り
顔を覆う・頭にかぶる・首に巻く、といった様々な使い方が可能なマルチマッフル。
吸汗速乾素材を使用し、ツルツルした肌触りが特徴です。縫い目が一切なく、ストレッチ性も高いので動きやすさ抜群。夏の登山をはじめ、炎天下での釣りやスポーツ観戦などの際に活躍します。
エヌリット チューブナインクール
素材 | ポリエステル92%、ポリウレタン8% |
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UPF(紫外線防止指数) | - |
フィット感の調節機能 | なし |
重量 | 約22g |
サイズ | 23.5×30cm |
接触冷感素材でヒンヤリ効果も
帽子だけではカバーしきれない首元や頬の部分まで覆えるネックゲイター&フェイスマスクの2way仕様。耳に通せるイヤーホールを使用すればフェイスマスクになり、すれ落ちにくくなります。
通気性に優れたメッシュ生地で、運動時でも快適性を保ちながら首をしっかりガード。
接触冷感素材を採用し、水に濡らして使用すると気化熱の働きでひんやり感じる効果もあり、暑い夏のアウトドアシーンに最適なアイテムです。
ティートンブロス Axio Neck Gaiter
素材 | Axio Lite(特別なハイブリッドウール) |
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UPF(紫外線防止指数) | - |
フィット感の調節機能 | なし |
重量 | 30g |
サイズ | - |
薄くて通気性があり、シーズン問わず活躍する
ブランドの特別なハイブリッドウール・Axioを使用したネックゲイター。特殊な加工により、吸湿性のみでなく拡散性と速乾性にも優れているため1年を通して活躍します。
長さがあるためマスクやヘアバンドなど、ネックゲイター以外にも様々な活用方法があります。、
首まわりを防寒して冬も山を楽しもう!

ネックウォーマーを着用しているだけで、ずいぶん体感温度は変わってきます。首まわりを温めることで全身の体温を保ち、冬も快適に。登山やキャンプはもちろん、旅行やバイク・自転車でのツーリングなどでも役立ちます。デザインや素材、機能など自分にあったモデルを見つけて、寒い季節もアウトドアを楽しみましょう!
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