冬山必携のアイテム「バラクラバ」!そのワケは?
冬山で寒さから体を守るには、身体の先端を保温する事が大切。手はグローブ、足は厚手の靴下ですが、重要な部位が集まっている首から上は、どのように防寒していますか?
ネックウォーマー?ニット帽?厳しい冬山ではそれではちょっと心もとないかも・・・。冬山にぜひ持っていっておきたいのが「バラクラバ」です。
バラクラバとは?ネックウォーマーとは違うの?
バラクラバは、昔から「目出し帽」として知られている防寒具。その名の通り、頭から首まですっぽり覆い、目の部分だけ空いています。
しっかりと頭部を覆って防寒するので、氷点下の風が吹く冬山では着用しているのとしていないのでは大違い。隙間が空いたり、ずり落ちたりしてしまうネックウォーマーとニット帽に比べ保温性抜群です。
登山には登山用のバラクラバを!5つのポイント
でも、バラクラバと一言で言っても、様々な種類があります。登山向きのバラクラバはもちろん、スキー・スノボ向き、サバゲーなどの屋外活動向けなど。では、”登山向き”バラクラバを選ぶためのポイントは何でしょうか?
【ポイント①】ほどよい保温性
まず当たり前ですが、保温性が十分な事。しかし、保温性が高すぎると登山には向かないので、ほどよい保温性のものを選びましょう。目安として、生地が薄手の化繊かウール。厚手の物やニット製のものは向きません。
【ポイント②】速乾性
登山中は汗をかきやすいので、蒸れたり乾きにくかったりするのはNG。速乾性のある生地かどうかを確認しましょう。
【ポイント③】呼吸に対する工夫
バラクラバは耐風性を高めるため通気性を犠牲にしています。それは、鼻や口の周りも同様。しかし登山中に呼吸を阻害してしまうのは問題です。
そのため、呼吸を確保する工夫がされているか?息がゴーグルやサングラスを曇らせないか?などを確認しましょう。
【ポイント④】フィット性
顔全体を隙間なく、きつすぎない程よいフィット感が大切。フィットしていないと、頭の動きに追随せず視界を妨げることもあります。サイズはもちろん、素材のストレッチ性などもポイント。
【ポイント⑤】コンパクト性
バラクラバを登山口から山頂まで着用し続けることはほとんどありません。必要が無いときはバックパックに携帯することになるので、コンパクトに折り畳めるものを選びましょう。
強盗みたい!?バラクラバの疑問答えます!
筆者の周囲にバラクラバの印象を聞いてみたところ、「強盗みたいで恥ずかしい」「まるで覆面レスラー」などの見た目の感想とともに、いろいろな疑問が。その中から、いくつかの疑問に答えました。
【疑問1】 暑くないの?
素材にもよりますが、氷点下の冷たい風が吹くような場面でなければ、着用するとおそらく暑くなります。だからこそ、登山向きの携帯しやすいものを選びましょう。
【疑問2】 必要な季節、天候は?
中低山であれば、厳冬期で天候の悪化が予想される場合。3000m級の高山であれば、夏以外は携帯しておきたいもの。例えば、9月の高山の山稜では、雪交じりの強風が吹くこともあるので必要になることもあります。
【疑問3】 髪の毛がぺったりぼっさぼさになりそう
特に女性は気になる部分だと思いますが、これはその通り。ぺったりぼさぼさ、変なクセがついてしまいます。着用が予想されるときは、女性はできるだけ髪をまとめておきましょう。おすすめは、おさげやツインテールなど。男性は・・・あきらめしょう。
【疑問4】 口の周りが臭くなるんじゃ・・・
口や鼻に密着していることから、息や唾液が付いて臭くなるのは否めません。ウール素材は防臭性があるので、口の周りが臭くなってもかなり軽減されます。また、口の周りだけ防臭素材を使用するなど工夫をしているものもありますので、気になる人は確認しましょう。
冬山登山におすすめのバラクラバはこれ!
ここからは実際に販売されている登山向きバラクラバの中から、筆者がおすすめしたい、個性が光る一品を揃えました。
リーズナブルなのに暖かい|モンベル スーパーメリノウール バラクラバ
ウール素材で高機能なのに、3000円という驚きのハイコストパフォーマンス。さすがモンベルという一品です。耐風性がちょっと物足らないので、極寒の高山には向きませんが、中低山で使用するには十分なアイテムです。
おすすめポイント
クセが無い被り心地なので、バラクラバ初心者にもおすすめ。このコスパは見逃せません。春秋の高所登山での緊急用バラクラバとして携帯しておくのにもおすすめ。
息苦しさを解消|ファイントラック メリノスピン バラクラバ
鼻から口廻りの形状が特徴的なメリノスピンバラクラバ。この形状から想像する通り、呼吸がしやすいと評判です。息の抜け道が確保されているので、息が上に抜けてゴーグルやサングラスを曇らせてしまう事もありません。冬の中低山から高山帯までカバーする保温力です。
<おすすめポイント>
従来のバラクラバでは息苦しい方、アイウェアの曇りに悩まされている方におすすめ
抜群の防風性|アウトドアリサーチ ソニックバラクラバ
このバラクラバの特徴は、何といっても「ゴアウィンドストッパー」を使用した防風機能。しなやかなマイクロフリースですが、吹雪と強風が吹く厳冬期の高山の山稜でも冷たい風を防ぎ高レベルで保温します。保温性が高い場合、蒸れが発生しやすいというデメリットが生じますが、透湿性が高いゴアウィンドストッパーにより、その欠点を最小限にし、厳冬期の中級山岳から3000m級山岳にも対応できます。
<おすすめポイント>
信頼のゴアウィンドストッパー。高レベルの耐風性と通気性を求める方に。
アウトドアリサーチ ソニックバラクラバ
素材 | ゴアウインドストッパーマイクロフリース |
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サイズ | S:55cm M:57cm L:59cm |
重量 | 69g(Lサイズ) |
フィット感抜群の中厚手|ザ・ノースフェイス バラクラバ エクスペディション
ザ・ノースフェイスのバラクラバは、保温性と通気性のバランスを追求した、グリッドフリース素材の中厚手バラクラバ。
メイン素材には、リサイクルポリエステルバーサースモールグリッド、冷気の侵入を避けたい首元には、適度な防風性を併せ持つパワーストレッチフリースを使うなど、状況に合わせた仕様に。汎用性の高い定番モデルです。
<おすすめポイント>
低温環境で必要十分な機能を備える汎用性の高い定番モデル。最初の一枚にもおすすめです!
ザ・ノース・フェイス ミッドウェイトバラクラバ
素材 | Recycled Polyester Versa Small Grid(ポリエステル95%、ポリウレタン5%)<切替部>Power Stretch Fleece(ポリエステル49%、ナイロン40%、ポリウレタン11%) |
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サイズ | S、M、L |
重量 |
【番外編】これなら恥ずかしくない!?|フェニックス スノーウィーマウンテンワッチキャップ
「必要なのはわかったけど、やっぱりバラクラバはハズカシイ」と思っているならこれ。バラクラバというより、ネックウォーマー付きビーニーという感じのアイテムです。当然、本格的なバラクラバに比べると、防寒性は劣りますが、中低山の急な天候悪化には対応できます。ネックウォーマーはビーニーに収納できて便利。
<おすすめポイント>
ネックウォーマーを収納してしまえば、おしゃれなビーニー。普段使いから山まで。意外と使えます。
フェニックス Snowy Mountains Watch Cap
素材 | 表:ニット(アクリル67%、ポリエステル24%、毛9%)、裏: 吸汗速乾フリース (ポリエステル95%、ポリウレタン5%) |
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サイズ | フリーサイズ |
重量 | ー |
アイテムまとめ表
他にもバラクラバの種類はたくさん!!もっと見たいという方はコチラもチェック
バラクラバを持って冬山へ行こう!
真っ白な雪や霧氷に覆われた雄大な山容を見せてくれる冬山。そんな美しい姿とは裏腹に、ひとたび天候が悪化すると恐ろしい姿を見せるのも冬山です。だからこそ、準備が大切。様々な冬山対策用品がありますが、バラクラバもその1つとして用意しておきましょう。