鮮やかに夏山を彩る黄金の花「シナノキンバイ」特徴や見分け方、おすすめスポットを紹介

2022/06/24 更新

雪渓が溶けた後、湿地や草原に鮮やかな黄色の花を咲かせるシナノキンバイ。初夏を代表する高山植物です。黄色で大き目の花は遠くからも確認でき、夏の日本アルプスを登山した人なら、一度は目にしているのでは?本記事では、シナノキンバイの特徴や、ほかの花との見分け方、おすすめスポットを紹介します。

制作者

ライター

黒田猫太郎

近所の山から遠くの山まで、春夏秋冬、毎週のように山で遊んでいたら、いつの間にか25年、山歴だけは長くなってしまいました。山遊び経験を活かした様々なウェアやギアのレビュー、身近な山や自然の魅力を発信していきます。特に「くじゅう連山」や「脊振山地」あたりに出没中。

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花言葉は「呪い」!・・・シナノキンバイの特徴は?

花言葉は「呪い」!・・・シナノキンバイの特徴は?
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シナノキンバイ(エゾキンバイソウ)はキンポウゲ科キンバイソウ属の多年草で、花期は6月中旬から8月頃。分布は中部以北の高山帯から北海道、雪解け後の湿った場所によく見られる高山植物です。
信濃金梅
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漢字で書くと「信濃金梅」。その名の通り、信濃地方(今の長野県)に多く見られ、金色に輝く梅の花のように見える事からその名がついています。こんなにきれいなのに、ちょっと怖い花言葉が・・・。

信濃に咲く金色の梅のような花「信濃金梅」2
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花言葉は「恋」と「呪い」。「恋」は華やかな姿にぴったりですが、なぜか「呪い」も・・・ちょっと怖いですね。由来は、毒を持っていることによるという説も。決して口にしないようにしましょう。

黄色の花びらはガク片だった!

シナノキンバイ
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シナノキンバイの特徴である鮮やかな黄色の花びらは、実はガク片が変化したもの。実際の花びらは中心部のまわりの細い棒状に立っている部分で、よく見ないとわかりません。つまり花びらのように見える部分は「黄色のガク片」だったのです。

よく似た花が多い・・見分け方は花の大きさと葉

シナノキンバイが咲くエリアには同じ季節に咲く黄色い花があり、一見、見分けがつかないことがあります。見分けるポイントは、花の大きさと葉、それぞれポイントを紹介します。

シナノキンバイ

シナノキンバイ
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花径3~4cm、葉は深い切れ込みがあります

ミヤマキンバイ

ミヤマキンバイ
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花径は1.5~2㎝、葉が小さく3枚。花びらの先端にくぼみがあるのが特徴。

ミヤマダイコンソウ

ミヤマダイコンソウ
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花径は1.5~2㎝、葉は丸く茎を囲むように付いています

ミヤマキンポウゲ

ミヤマキンポウゲ
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花径1cm程度と小さく、葉は細長い針状です。

リュウキンカ

リュウキンカ
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花径は2~3cmと、ちょっと大き目、葉は丸みを帯び切れ込み無し。花径が大きいのでシナノキンバイと間違えやすいですが、葉が全く違います。

大きな黄色い花、葉に切れ込みがあるのであればシナノキンバイと判断して、ほぼ間違いありません。一緒にそのほかの花の特徴も覚えれば、お花畑の楽しさ倍増です。

次からは、そんな花たちが咲くおすすめ観賞スポットを紹介します。

シナノキンバイを見に行こう!

シナノキンバイを見ることができるのは、中部以北の高山帯と限られますが、その中から、いくつかのおすすめを紹介します。

北海道の”尾瀬”、秘境のシナノキンバイ|雨竜沼湿原 【北海道】

雨竜沼湿原
出典:PIXTA
【花の見ごろ:7月上旬~7月下旬】
雨竜沼湿原は北海道の尾瀬とも呼ばれる日本有数の山岳型高層湿原帯です。100以上の池塘が点在し夏は高山植物の花が咲き乱れます。

雨竜沼湿原のシナノキンバイ
シナノキンバイが咲くのは7月上旬~7月下旬、木道が整備され初心者でも歩きやすくなっていますが、ヒグマの目撃情報も多いので注意しましょう。
雨竜町公式サイト

尾瀬を彩る黄金色|尾瀬ヶ原・尾瀬沼 【群馬県・福島県】

尾瀬
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【花期:6月中旬~6月下旬】
尾瀬のシナノキンバイの花期は6月中旬~6月下旬と、ちょっと早め。尾瀬ヶ原、尾瀬沼の湿原全般で見ることができます。
尾瀬のシナノキンバイ
出典:PIXTA(尾瀬ヶ原のシナノキンバイ)
尾瀬沼東の大江湿原周辺ではリュウキンカと一緒に見ることができるので、見分けてみることも楽しいですね。
環境省公式|尾瀬国立公園

登山者憧れの地のシナノキンバイ|涸沢カール【長野県】

シナノキンバイ
出典:PIXTA(涸沢カールのシナノキンバイの群生)
【花の見ごろ:8月上旬~8月中旬】
穂高連峰に広がる涸沢カールは、紅葉とともにお花畑も人気。夏、シナノキンバイの群落が穂高の岩稜帯をバックに鮮やかに咲き乱れます。上高地から徒歩5~6時間、たどり着くのはちょっと大変ですが、多くの登山者が憧れる絶景が待っています。



上高地観光旅館組合公式|涸沢カール

シナノキンバイの大群落|千畳敷カール 【長野県】

千畳敷カール
出典:PIXTA
【花の見ごろ:7月~8月中旬】
中央アルプスの大観光地「千畳敷カール」は、ロープウェイで標高2612mまで行くことができる事から、多くの観光客や登山者で賑わいます。シナノキンバイはロープウェイ山頂駅そばの遊歩道でも見ることができますが、木曽駒ヶ岳への登山道の八丁坂や、宝剣岳直下など、1時間ほど歩くと大群落がありおすすめです。



信州駒ヶ根ガイド|千畳敷カール

ロープウェイで楽々!白馬山系のシナノキンバイ|栂池自然園 【長野県】

栂池自然園
出典:PIXTA
【花の見ごろ:7月~8月】
白馬三山の登山口の1つ栂池。栂池の高層湿原を自然公園化したのが栂池自然園です。標高約1,900mの位置にありますが、ゴンドラとロープウェイで行くことができ、登山する必要はありません。

栂池自然園のシナノキンバイ
出典:PIXTA(栂池自然園のシナノキンバイ)
1周3~4時間、よく整備された遊歩道を歩きながら、雄大な北アルプス白馬の山並みを背景に、シナノキンバイをはじめとしたたくさんの高山植物を楽しむことができます。

栂池自然園

世界の花とともに楽しむシナノキンバイ|白馬五竜高山植物園【長野県】

白馬五竜高山植物園
出典:PIXTA(白馬五竜高山植物園)
【花の見ごろ:6月中旬~7月】
白馬五竜高山植物園は、標高1515m、白馬五竜アルプス平の高山植物園で、周辺の高山植物をはじめとして、世界の高山植物を植栽した植物園です。ゴンドラに乗って簡単に行くことができる事から観光客に人気。

白馬五竜高山植物園のシナノキンバイ
出典:PIXTA(白馬五竜高山植物園のシナノキンバイ)
シナノキンバイとともに、ヨーロッパアルプスのエーデルワイスやヒマラヤの青いケシの花など、日本で自生しない高山植物も同時に鑑賞できるのが魅力です。

夏空に”映える”シナノキンバイ

シナノキンバイ
出典:PIXTA
夏空の下、黄色や黄金色に輝くシナノキンバイは、被写体として見映えが良いことから、昔から絵画にもよく描かれ、写真にもたくさん撮られています。今回、紹介したスポットを参考に、ぜひ、夏空に”映える”花、シナノキンバイを見に行きましょう。

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