ご存知「キキョウ(桔梗)」の高山種
「キキョウ(桔梗)」といえば秋の七草としても有名な植物ですが、「イワギキョウ」はその高山種です。漢字で書くと「岩桔梗」で、その名の通り高山の岩場や砂礫地(されきち)を中心に生息しています。
キキョウの背丈が15~150cmほどに比べると、イワギキョウは3.5-10cmほどと小さめ。
ただその背丈の割には大きな花を咲かせ、荒涼とした岩場に爽やかな彩りを加えてくれるため、登山者からも人気の高い植物です。
ラテン語で「小さなベル」の学名
イワギキョウの魅力といえば、なんと言ってもその可愛らしい「花」。開花時季は7-8月頃で、5つに分かれた、鮮やかな青紫色の花を横向きに咲かせます。
学名はラテン語で「Campanula lasiocarpa Cham」といい、Campanula(カンパニュラ)は「小さなベル」の意味。その学名通り釣鐘型のベルのような形をしています。
へら状でギザギザのある葉
キキョウの葉にも同じく鋸歯がありますが、イワギキョウのほうが幅の狭い葉を持っています。
風に負けない!「風衝地」でも育つ強い植物
高山の尾根や森林限界あたりで、上の写真のような場所を見たことないでしょうか?
ここは常に強い風が吹き続ける「風衝地(ふうしょうち)」というエリア。強風が吹き付けるゆえ岩肌が露出し、動物はもちろん、植物にとっても生息が難しい場所です。
そんな風衝地でも力強く自生するのが今回のイワギキョウ。はかなげな見た目とは裏腹に、実はタフな植物でもあるんです。
過酷な環境でも根をはり、健気に花を咲かせるイワギキョウはより一層きれいに見えるかもしれませんね。