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ただ飲むだけはNG!?山で必要な水分量と、それを効率よく身体に取り込む方法とは(2ページ目)

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一気に飲んでも意味がない!効果的な水分摂取方法って?

効果的な水分摂取方法

編集:YAMA HACK編集部、出典:いらすとや

一気に飲んでしまったり、真水だけ飲んでいたりすると、体液が薄まり、先述した「水中毒」になってしまうことが。効果的に身体に水分を取り込むために、3つのポイントを意識するといいでしょう。では、それぞれ細かくみていきます。

《1》タイミング|こまめに水を摂取する

こまめに摂ることで、身体に吸収されやすくなります。

行動しながら15分おきくらいに飲むのが理想。ザックを下ろさずにチューブを通して水が飲める「ハイドレーションシステム」があると便利です。持っていない人は、最低でも1時間おきに摂取するようにしましょう。

体重60kgの人が軽装で8時間の日帰り登山をする場合

体重60kgの人が標準的なタイムで8時間歩くとした場合、先述の通り脱水量の7割の水を補給するとすれば1,680mlになります。

登山の運動生理学とトレーニング学 水分摂取の目安

出典:登山の運動生理学とトレーニング学、編集:YAMA HACK編集部、出典:いらすとや

朝食時に600ml摂取した(※)とすると、1時間おきに約150ml(コップ1杯分程度)を飲むことが目安に。

※朝ごはんと飲み物を摂取するとおおよそ400〜600mlほど摂取していることが多い

このように事前に計画を立てて実践することで、回数を重ねるごとに自分にとっての水分量の過不足を調整できるようになります。

《2》種類|水だけはNG!塩分も同時に摂取

長時間(目安として3時間以上の登山)歩く場合、汗をかくことによって体液中のナトリウムやカリウムなどの電解質が欠乏してしまいます。この状態で真水だけを飲むと体液のバランスが崩れ、痙攣や水中毒の原因に。電解質を補うためには、水分と一緒に塩分を摂る必要があります。

水を飲む登山者

出典:PIXTA

塩気のある行動食で塩分を摂取するのももちろんOKですが、電解質の入ったスポーツドリンクはより吸収されやすく、水分も同時に摂れるのでオススメ。最近では経口補水液というアイテムもあります。用途の違いを理解した上で、それぞれ少量ずつ持っているといざという時安心です。

スポーツドリンクや経口補水液を少量持っていく

スポーツドリンク 経口補水液 特徴

提供:大塚製薬(OS-1について詳しく知りたい人はこちらをチェック)、編集:YAMA HACK編集部、出典:いらすとや

それぞれ特徴が異なり、効果的な補給のタイミングも変わります。炭水化物(ブドウ糖)を多く含むスポーツドリンクは、行動中のエネルギーにもなるので積極的に摂るといいでしょう。

経口補水液の成分は体液の電解質(ナトリウム、カリウムなど)に近いため、スポーツドリンクよりも吸収速度がはやい。よってすぐに不足した分を補ってくれるので、ケイレンや脱水の症状が出た時に有効です。

ただすべて同じ種類だと、味に飽きて飲みづらくなってしまうことも。持っていく水分量の3分の1をスポーツドリンクにしたり、いざという時の飲み物として少量の経口補水液(350mlや500mlのペットボトル1本程度、またはゼリータイプ)を持っていったりと、2種類以上の飲み物を持っていくのがオススメです。

カフェインやアルコールはOK?

カフェイン アルコール 特徴

編集:YAMA HACK編集部、出典:いらすとや

基本的に飲み物の種類は、自分の飲みやすさで決めてOKですが、種類によっては向き不向きなものも。

カフェインは利尿作用もあるため、登山では避ける人も多いかもしれません。しかし実は集中力をアップさせたり、脂肪燃焼効果もあるので、朝食時や休憩中に少量摂取(コーヒー1杯程度)するといいでしょう。

アルコールは、脳や神経系の働きを低下させてしまったり、脱水を助長してしまったりと害があるため、登山中は不向きです。

山本教授

山本教授

アルコールは、「精神的」なエネルギー補充のために、夕食時に適量飲むのがオススメですよ。

《3》温度|季節に応じて水温を調節

冷えた水 ペットボトル

出典:PIXTA

暑いときは、5〜15度ほどの冷水の方が吸収されやすいとされています。なぜなら、

・腸での吸収がはやい
・身体の最深部である胃で、身体を冷やせる

という2つの理由から。夏は、沢に水筒をつけて冷やしたり、保冷剤と一緒に持っていったりと冷たい水が飲めるように工夫するといいでしょう。

反対に寒いときは、冷水だとすぐに身体が冷えてしまいます。冬は、保温ボトルにお湯や常温の水を。
気温に応じて、摂取する水温を調整するのがオススメです。

適切な水分量と飲み方の工夫で、快適な登山を!

水分補給する登山者

撮影:YAMAHACK編集部

飲めば飲むほどいいと思っていた水分。取りすぎも取らなさすぎもNGということがわかりました。
自分の必要な水分量を知って、回数を重ねるごとに細かい調整を重ねながら自分にぴったりの量を把握していくことが大切です。

効率的な摂取の仕方も実践し、より快適で安全な登山を楽しみましょう!

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