スリルと達成感を求めて!魅惑の鎖場トレッキング
目の前にそびえる険しい岩場。そこに架けられた鎖を頼りに山を登る行為は、スリリングかつ達成感抜群ですよね。日本アルプスや八ヶ岳、修験道の行場となった戸隠山や石鎚山など、日本全国には「鎖場のある名山」がたくさん!鎖場のスリルや達成感にアドレナリンがどばどばと出て、病みつきになる人も多いのではないでしょうか。
ただ前述の山々は、日数が必要だったり遠方であったりと、なかなか気軽に行けないのが残念…。
そこで今回は、首都圏から日帰り可能で本格的な鎖場を体験できる、
●首都圏から電車で簡単アクセス!埼玉と神奈川エリアの2山
・破風山(埼玉県)|コースタイム約4時間30分
・三峰山(神奈川県)|コースタイム約5時間45分
●中央線特急で約1時間!山梨エリアの2山
・岩殿山(山梨県)|コースタイム約3時間50分
・乾徳山(山梨県)|コースタイム約6時間40分
4つの登山コースを紹介していきます!まずは鎖場での注意点をおさらいしていきましょう。
まずはおさらい!鎖場で気をつけるべき3つのポイント
鎖場には、鎖が設置された必然性があります。それは「滑落・転落する恐れがある急斜面・危険箇所である」ということ。
そのために、気をつけておきたい3つのことを頭に入れておく必要があります。
①ピッチに入るのは1人まで
②状況に応じてグローブやヘルメットを用意
③岩が滑りやすいコンディション化では特に注意を
それでは各項目を細かくみていきましょう。
①ピッチに入るのは1人まで
一定の間隔で岩に打ち込まれたボルトなどに、鎖が固定されている「支点」があります。そして支点と支点の間が「ピッチ」。
もし先行の登山者と同じピッチにあなたが入ってその登山者がバランスを崩したら…。先行の登山者の巻き添えで転落したり、振り落とされてしまったりと事故や怪我に繋がる恐れがあります。そのため、前を進む登山者とは一定の距離をおいて、原則として1つのピッチに入るのは1人までにしましょう。
②状況に応じてグローブやヘルメットも着用!
鎖場のある岩場では浮石も場合も多く、先行の登山者が誤って起こした落石があなたの頭部を直撃する可能性が。そんな時は、頭部を守ってくれる「ヘルメット」があると安心です。
鎖だけでなく岩も掴んで行動するのが、鎖場での身体の動かし方の基本。花崗岩のような表面がザラついた岩も、グローブがあれば手のひらに負担をかけずに登れますよ。
③岩が滑りやすいコンディションでは特に注意を
危険なコンディションは、雨や霧で濡れている、雪が積もっていて“岩が滑りやすくなっている”状態。こうした場合は特に足場に注意を払い、天候によっては撤退・停滞やルート変更など鎖場での行動を控えるのも賢明な選択肢です。
首都圏から行きやすい!埼玉・神奈川エリアのおすすめ2山
では最初に、首都圏から行きやすい奥武蔵・丹沢エリアからそれぞれオススメの山をピックアップ。おなじみの山域でも鎖場を楽しめる、こんなコースがあるんです。
破風山(埼玉県)|奇岩の連続!低山といえどあなどれない強者
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コース全長:約7.6km
- コースタイム:約4時間30分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
- *交通アクセス*
- ・往路:池袋駅〜皆野駅・東武東上線(小川町駅経由)で約90分
・復路:秩父華厳前〜皆野駅前・皆野町コミュニティバスで約24分/皆野駅〜池袋駅・東武東上線(小川町駅経由)で約90分
皆野町と秩父市の境にそびえる皆野アルプス。破風(はっぷ)山周辺は猿岩・如金峰などの奇岩が点在し、大前山・天狗山へ続く稜線上には手応えのある鎖場が。低山とは思えない充実感を味わえるルートです。
皆野駅から車道を歩き、大渕登山口から樹林帯の中のなだらかな稜線を進みます。風戸分岐を直進し、猿岩という巨岩の下を通過すると、破風山山頂に到着です。
札立峠まで下り大前山へ向かうと登山道は一変、痩せた尾根にロープや鎖場が点在する手強いルートに。武蔵展望台を越えて、大前山に登頂します。
大前山からも気の抜けない岩稜が続き、小さな祠のある天狗山に登頂。ここからは沢沿いの樹林帯を秩父華厳の滝登山口まで下り、車道を5分程歩けば秩父華厳バス停に到着します。バスの時刻に余裕があれば、秩父華厳の滝を鑑賞するのもオススメです。
三峰山(神奈川県)|鎖場と梯子の連続!狭くて細い稜線にドキドキ
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コース全長:約10.5km
- コースタイム:約5時間45分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
- *交通アクセス*
- ・往路:新宿駅〜本厚木駅・小田急線で約50分/本厚木〜煤ヶ谷・神奈川中央交通バスで約30分
・復路:広沢寺温泉〜本厚木・神奈川中央交通バスで約30分/本厚木駅〜新宿駅・小田急線で約50分
丹沢山塊のランドマーク・大山から北東方向に伸びる稜線上にある三峰山。その名の通り、北・中・南と3つの峰で構成されます。山頂付近の稜線はアップダウンも激しく、まるでナイフリッジ。丹沢主脈などのメジャールートとは異なる様相を見せてくれます。
煤ヶ谷バス停から杉谷戸沢沿いの道〜トラバース道と進むと尾根に出ます。途中には写真のような注意看板があり、この山が手強い存在であることを実感。崩落箇所も多い道を注意深く進むと物見峠へ、ここからが主稜線の始まりです。
いくつもの鎖場や梯子が設置された稜線を進みます。アップダウンを繰り返して、三峰山山頂へ。鎖場がない場所でも稜線の幅が狭いため、転滑落には細心の注意を払って行動しましょう。
足を伸ばしてでも行きたい!山梨エリアのロングな鎖場2山
少し遠方にはなりますが、中央線沿線の2つの山をご紹介。特急列車を利用すれば、時間にゆとりを持ってチャレンジすることができるので首都圏から日帰りも可能です。ぜひチャレンジしてみてくださいね。