登山のグループ

リーダー不在の「グループ登山」はNG? 安全に登山をするための方法を考えてみた

2022/11/25 更新

複数のメンバーで山に行く場合、「リーダーが必要」というのはよく言われることです。とはいえ、友達同士で、あるいは最近ではSNSで知り合った登山者同士で山に行ったりすることも多いと思います。そのようなときに、どんなことを最低限押さえておいたらひとまず安心して行けるか考えておくことは大事です。一緒に考えてみましょう。

目次

アイキャッチ画像撮影:筆者

グループ登山にはリーダーが必要!とは言うけど……

グループ登山ではリーダーが必要
雑誌などのメディアでもそういう記事が多いですよね。でも「リーダーがいなくても、ちゃんと無事に登って下りてきているよ」とか「同じようなレベルだし、リーダーができるメンバーがいないよ」という人も多いかもしれません。

「もっと気楽に登ってもいいじゃん」と言いたくなる気持ちもわかりますが、その前に、そう言われるその理由を考えてみましょう。

そもそもリーダーって何をする人?

雪山と筆者

撮影:青木雄司(これからの行動について説明する筆者)

簡単に言えば、リーダーとはメンバー全員の様子を見ながら、山行に関するすべてを最終的に確認して決める人です。

◎メンバーの経験や実力を元に、登る山やルート、行動予定などの山行計画を立てる。
◎メンバーの持ち物や体調を確認する。
◎山行中は安全対策に配慮しながら、歩く順番やペースをコントロールする。
◎不慮の事態の際には率先して対応する。

こういったことをグループ内で行うのが、リーダーの役割です。

リーダー不在が大きな遭難要因とされる事故例

2010年7月にとある山岳団体が行った初心者対象の沢登り講習で起きた事故を紹介します。

事故が起こったのは行動を開始してから9時間以上経ったとき。以前に登った他のパーティが張ったまま残していたロープ(残置ロープ)を頼りに滝壺の脇を通過しようとしていた受講生が足を滑らせ、いったんはロープにつかまってぶら下がったものの、持ちこたえられずに滝壺に落ちて流されて溺死しました。

沢登り

撮影:筆者(沢登りでのロープを使った安全管理の例。リーダーはパーティの安全管理の最終責任を負う。メンバーの技量や体力、コースの難易度に応じて装備や補助方法を考える)

この事故の原因はいったいどこにあるのでしょうか?

◎初心者向けとしては不適当なレベルだった
◎事前の下見が不十分だった
◎不慮の事態発生時の下山方法を事前にきちんと検討していなかった
◎入山前にメンバーの装備確認を行わなかった
◎歩く順番や難所の通過方法の助言など受講者に対する配慮が不足していた
◎とにかく計画通りに先に進むしかないと思い込み、時間のプレッシャーに負けた
◎難所の通過方法をパーティ全員で共有しておらずメンバーに対する指示が曖昧だった
◎9時間以上行動して疲れが溜まっていたにもかかわらず追加の安全対策を怠った

ひとつだけでなく、多くの原因が指摘されています。

仮にこの事故のようにリーダーがいても、ひとつひとつ適切に判断できなければ、いちばん弱いメンバーを守れずに事故に繋がってしまうのです。

リーダーがいない場合、最低限押さえておくべきこととは?

地図を見る登山者

撮影:筆者(現在地をメンバー全員で確認する)

リーダーが必要とされる理由はわかったし、リーダーが役割を果たせないことが原因で重大な事故が起きうることもわかった。とはいえ、プロガイドが同行するツアーでもなく山岳会や山岳部の活動のように明確なリーダーがいないというのが、実際にみなさんがしている登山ではないでしょうか?

友達同士の山行だとそこまで責任を持てるメンバーもいない、でも仲間だけで山に行きたい。

そんな登山者たちが最低限押さえておくべきことはなんでしょうか。準備段階」「行動中」「万が一のときに分けて考えていきましょう。

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