SNS時代のリアル店のあり方。クラフトビールで繋がるハイカーたちの夜に潜入!

2019/12/24 更新

東京・戸越銀座に「ビールが美味しく、かつハイカーやランナーが集まる店がある」との情報が。早速潜入してみると、小さな店内でビール片手に、山やビール、旅の情報で盛り上がるお客さんたち。SNS時代においてリアルな情報にどうしてひとは惹かれるのでしょうか?とりあえず乾杯からはじめまーす!


アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

ある日インスタに流れてきた、「ハイカー猫」とよき予感

ドリフターズオープンの記事
提供:instagram/drifters_stand
2019年9月中旬、instagram(以下インスタ)に流れてきた「ひっそりとボトルショップ開けます」とハイカー猫がビールを掲げた画像。見れば「いいね!」を押してる人たちのアイコンは、登山・ハイク・ラン・ビールの数々。……これは何やら「よき予感」しかしない。

ということで、東京ウエストの下町・戸越銀座にできた「drifter’s stand(ドリフターズスタンド。通称ドリフ)へ行ってきました。

クラフトビールとガレージブランド。共通点は「クラフトマン」の思い

営業日はインスタ(@drifters_stand)で告知され、基本は水〜金曜の3日間のみ。営業時間は19〜22時。オーナーはタケミチさん・エミさん夫妻です。

ジャケ買いしたビールを角打ちスタイルで飲みます

ドリフのクラフトビール
撮影:YAMA HACK編集部
賑やかな商店街の路地を1本入り、外階段で2階へ。
ドアを開けるとまず飛び込むのが、「おぉぉ!これはジャケ買いの世界!!」とアナログ世代は興奮してしまう、アートワークが際立つ缶ビールの数々。北米を中心としたクラフトビールが冷蔵庫に陳列されています。

それを買って持ち帰るもよし、抜栓料200円(うまい棒食べ放題付き)を払い、特製パイントグラスで角打ちとするもよし。「HAZY IPA系が多いですね。エントリーの方々にもクラフトビールの美味しさがわかりやすく伝わるビアスタイルだから」とタケミチさん。

ちなみに「角打ち」というのは、酒屋で買ったものをそのまま店内で立ち飲みするスタイルのこと。「さくっと1杯」もOKな気軽な飲みかたができるのです。

使っているからおすすめできる、ガレージブランドのギア

drifter's stand店内
撮影:YAMA HACK編集部
「自身が愛用しているブランドであることが前提なんです」と店内奥で販売されているギアは、旅用ポーチ[Ridge Mountain Gear]や「Gコ山」こと鹿ちゃんワッペンの[Great Cossy Mountain]、韓国のULシーンで注目の[CAYL]など、2人が長年のハイクライフの中で見つけてきたものばかり。

ビールもギアも作り手の意図まで伝えるという点で「遊び続けた経験(ULハイク、旅、ビール)のすべてが活かせてますね」と言います。その経験からの独自セレクトアイテムも特徴的。

[mikikurota]のビアコンテナ
撮影:YAMA HACK編集部
ひとつはハイクでも日常でも出番が多いこと請け合いの[mikikurota]のビアコンテナ。ビールとギアという店のコアをしっかりつないだプロダクトです。

[and handwork]のトリップウォレット
撮影:YAMA HACK編集部
もうひとつは[and handwork]のトリップウォレット。旅先ではパスポートとカード、紙幣があればいいけど、パスポートウォレットは大きいし、ジャストサイズなものがないという悩みを解決してくれるもの。これを作っているはぎーさん(後述)もドリフの常連。

尾西の白飯とOD缶が並ぶ「ハイカーズコンビニ」

尾西のアルファ米
撮影:YAMA HACK編集部
登山へ行く前日に「あ!OD缶がない!」と焦ったことはありませんか?

意外とアウトドアショップでしか売っていないOD缶とアルファ飯が置いているのは、ハイカー心がわかっている店主だからこそ。

最初は一見さん、今は常連さんが語る「ドリフが好きな理由」

ドリフファン
撮影:YAMA HACK編集部
取材日も1人また1人とふらっとお客さんがやってきました。ビールを選んで、狭い店の片隅に落ち着くと、「じゃあ乾杯しましょう!」とお隣さんから声がかかります。
実はドリフにやってくるのは、ほぼ全員ひとり客。今夜は3名のドリフファンにお店の魅力について聞きました。

はぎーさん @andhandwork
ドリフ頻度:月2回/クライミング歴:11年/ビール歴:6年

みつさん @333toneworks
ドリフ頻度:週1回/ハイク歴15年/ビール歴:2年

しょうこさん @voadora832
ドリフ頻度:週1回/ラン歴:7年/ビール歴:ほぼゼロ

ーみなさん、ドリフは何がきっかけで通うようになったんですか?

はぎー:タケミチさんとイベントでお会いしたことはあったけど、インスタですね

みつ:僕もインスタです。山って仕事帰りに登れないじゃないですか。それで「ランをして銭湯へ行ってビールを飲む」というのをやっていたんです

しょうこ:私も友達のストーリーを見てですね。定期券範囲内で通えるのもよかった(笑)

ー今夜はクライマー、長距離ランナー、クラフトビールマニアなどお客さんの幅が広いですよね

しょうこ:実は私、1年前まで名古屋に住んでいたんです。向こうでは毎週走る仲間がいたんですが、ドリフにも同じマインドを持つ人が集まっていて、仲良くなれたのがうれしいです

みつ:ここでの出会いがつながって「Drifter’s Jog Club」ってグルランを最近始めたんですよ

はぎー:「and handwork」というクライミングギアのガレージブランドもやっているのですが、クライミングは車で行くことも多いので、お酒が好きな人が少ないんです。でもキャンプ→クライミング→ビールという流れが僕はいいなと思っているんです

しょうこ:ランもハイクもやらないけれどビールが好き!という人ももっと増えるといいなーと思ってます

みつ:僕はビールを目当てにくるお客さんにおすすめを教えてもらったりもしますよ

ドリフのビール

撮影:YAMA HACK編集部(抜栓してもらいオリジナルパイントグラスで飲みます)
3名とも来店のきっかけはインスタ。でもリアルな「山の文化」がここにはあるといいます。ひとりで来て、挨拶から会話が始まり(ドリフでは「乾杯!」)、情報交換しながら、最後はまたひとりでいい気分のまま帰路につく。

その文化の中では、ハイカーもランナーもクライマーもビールマニアも、教えたり教えてもらったりお互いの関係性がフラットなのです。

ひとと情報が集まる「ローカル・スモール・ハブ」へ

竹山道雄さん・絵美さん
撮影:YAMA HACK編集部(常連が地元のレアビールを持参。振る舞い酒!)
ところで、この記事では店主であるおふたりの紹介をあまりしていません。

お店を開く前からブログなどを通じて、ハイカーには知られた存在ですが、時に会話に入りつつも、店ではカウンターの中でにこやかに、ホストに徹しています。オーナーズショップとしてはとても控えめかもしれませんが、その背景にはこんな思いがありました。

「ドリフが理想とするのは、山やランが好きな人、旅好きやビール好きの素敵なメンバーが集まり続ける場所。ドリフの魅力はお客様のクオリティです。これはほんとスゴイ。だから、それを継続できるようにすることが店主の役割なんです」

思い思いいろんな人と話すお客さんたち
撮影:YAMA HACK編集部(自由にあちこちで会話が始まっています)
SNSやネットを通じて、山や旅の情報を収集することが容易になりましたが、でも「その楽しさ」は言葉や表情とともに、人から人へと直接手渡されるものかもしれません。

「各地のローカルエリアのトレイルやフードが網羅されたおすすめMAPをたくさん作って、新手の観光案内所になりたいんです。そしてこういう店が増えて、そこを目的地にするのも素敵。聞きに来てくれる人もいるので、僕らが旅して得た情報は惜しみなくお伝えしています」

「ローカル・スモール・ハブ」がドリフの目指す姿。クラフトマンシップがこもったビールを片手に、旅や山の土産話、美味しいローカルフード情報など、シェアみてくださいね。

※写真を見てわかる通り、10人も入れば満員御礼のお店です。4名以上のグループなどご遠慮いただくこともあります。満員の場合、戸越銀座商店街のローカル居酒屋を教えてもらってから時間をずらして再訪もおすすめですよ


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ドリフターズスタンド
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YAMA HACK編集部 村岡

YAMA HACK運営&記事編集担当。スキー好きが嵩じて北アルプス山麓に移住し、まんまと夏山登山にもはまる。アクティビティとしての登山の楽しみとともに、ライフスタイルとしての「山暮らし」についても発信していきます。

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