COCOHELI 山岳遭難対策制度(ココヘリ) 550万円までの捜索救助を実施 入会金1,100円OFFで申込む

長野県は台風がこない!?登山者の中でにわかに噂される”ATフィールド”の謎を大解明!(2ページ目)

台風が弱まるなら山に行けるんじゃない?

本当に行っちゃダメ?
制作:ぶん

今週末は楽しみにしていた山登り♪
と思っていたら、なにやら台風発生のニュースが……。でも、ナガノケンダヨンのATフィールドで守られているから大丈夫!

なんて、油断していませんか?
台風の勢力が弱まったといえ、強風や大雨の危険はそこにあります。台風によってどのような影響があるかを確認しましょう。

台風が上陸する前だったら心配いらない?

気象庁
出典:気象庁(台風に伴う雨の特性)

「台風が上陸するのは明日だから、今日は山へ行ける!」というのは、ちょっと危険。台風がまだ遠くにいても、油断はできません。その理由は、主に2つ。

日本付近に前線(※2)がある場合は注意。台風から流れ込む「暖かく湿った空気」が前線を活性化させ、大雨をもたらします。特に山の斜面では上昇気流が発生しやすいので、雲の発達に警戒が必要

②台風本体の外側に、渦を巻くように点在している雲を「外側降雨帯」と呼びます。本体から200〜600km離れている場所に発生し、断続的に激しい雨が降る可能性があるので、台風が日本付近まで近づいてきている場合は、油断は厳禁

※2)寒・暖の空気が地表面で接触する線を前線と言います

風の動きにも注意!

台風の動き
出典:PIXTA 制作:ぶん

台風は進む方向の右側の風が強く、左側がそれよりも弱くなる特徴があります。右側が強くなるのは、台風の吹き込む風に台風を進めるための風が加わっているからです。

台風の周辺は間違いなく「強風域」や「暴風域」になっているので、慎重な行動を心がけましょう。さえぎるもののない山の上では、想像を絶する暴風が吹くこともあります。

「台風一過」で好天に期待!でもまだまだ油断は禁物

長野県の山
出典:PIXTA

台風が過ぎ去った後の好天を、台風一過と呼びます。澄み渡った青空の下での登山は、最高ですよね。
ただ通過したからといって危険がなくなったわけではありません。台風の後は、以下のことに気をつけましょう。

①沢の増水
大雨のあと、沢の水量が通常の状態に戻るには2日ほどかかります。水の色が濁っている場合は、まだ沢が落ち着いていないサイン。
沢沿いのルートは避けるなど、計画を変更することが大切です。

②土砂崩れや落石の危険
大雨により地盤がゆるみ、土砂崩れや落石が起こる危険があります。土砂崩れは斜面で発生することがほとんどなので、トラバース(斜面を横切るように進む道)は速やかに通過しましょう。

③倒木などによる登山道の荒廃
強風による倒木や増水により、登山道が荒れている可能性も考えられます。通常のコースタイムよりも時間がかかることも想定し、早め早めの行動を心がけましょう。また、ルートが消えていることも考えられるので、道迷いにも注意が必要です。

山は逃げない!必ず安全優先で判断しよう

快晴の山
出典:PIXTA

台風の予測は刻一刻と変わっていきます。スマホの天気予報でも簡単に確認することができるので、こまめに情報をチェックしましょう。

判断基準は安全を最優先に。

また、台風や天気に関して学ぶことは、安全のためだけでなく山の楽しさや魅力を発見するきっかけにもなりますよ。

監修:猪熊隆之さん

「猪熊隆之の観天望気講座」やチーム安全登山会員用ページの「登山講習」で「雲から山の天気を学ぼう」という連載を行い、登山中に見られた雲や登山前に確認すべき天気図のポイントについてわかりやすく解説。

ヤマテン|講習会
猪熊隆之の観天望気講座

※ログインしてアクセスしてください

ヤマテンでは、全国330山の山頂の天気予報、及びその山域の詳細な気象リスクや、天気の解説を発表しています。

単なる「晴れ」や「くもり」という発表だけでない、登山者の気象遭難を防ぐための情報が満載。月額550円(税込)の有料サービスです。
山の天気予報ご案内ページ

この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます

2 / 2ページ