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「”記録”ではなく”未知の風景”を…」──8,000m峰の頂から風景写真家が届けたいもの(2ページ目)

上田優紀

撮影:YAMA HACK編集部

:でも、プロの登山でさえ時に命を落とす山で、誰もやってこなかったということは・・・相当難易度が高いということですよね?

上田さん:そうですね、人が生きていける環境ではないので容易なことではないです。2018年に行った、同じヒマラヤ山脈にある6,856mの『アマ・ダブラム』での撮影はとても苦労しました。高所ではシャッターを切ることも大変なんです。一枚の写真を撮るために、極限の環境下でカメラをセットし、酸素が地上の半分もないなかで息を止める。たったそれだけのことでも心臓が止まるかと思うほどそれは本当に大変な作業でした。

:そんな苦労が・・・。でも、それらの技術が「写真家・上田優紀」としての作品に繋がっているんですね。

提供:上田優紀(標高6,500mでこの垂直の氷壁を登っていく)

:登るだけでも大変なのに、撮影をするなんて・・・相当な体力が必要になるのでは?

上田さん:そうですね、実際に8,000mを超える領域での撮影はどうなるか分からないというのは正直なところです。ただ、『アマ・ダブラム』での経験があることは非常に大きいですね。必要とされていることはある程度分かっているので、日本でも高所登山を想定したトレーニングなどを行って入念な準備をしています。
トレーニング風景

提供:上田優紀(低酸素室でのトレーニングの風景)

「撮る」以上に大切にしたいこと

提供:上田優紀(アマ・ダブラム)

:2年連続でヒマラヤ山脈での撮影ということですが、そもそも自然を撮るようになったきっかけはなんでしょうか?

上田さん:実は僕はカメラを始めたのは24歳とかなり遅かったんです。撮るきっかけとなったのは1年半かけて45カ国を放浪した世界一周の旅でした。訪れた世界は見たこともないような絶景やその土地に暮らす人々との出会いに溢れ、本当に刺激的なものばかりでした。

:なるほど、ご自身の体験がベースになっているんですね。
機材

撮影:YAMA HACK編集部(持っていく機材の重量も相当ある)

上田さん:僕の目的は“登頂”ではなく、あくまで“撮影”。その瞬間にならないとわかりませんが、究極を言えば、もしカメラにトラブルがあって撮影ができないとなれば、恐らく生きることを最優先して下山すると思います。

:えぇ!?登頂できる可能性があってもですか?

上田さん:“未知の世界”との出会いには感動があります。しかし、そのような場所に行ける人は限られているのも事実です。だからこそ、それらを「写真」という形で多くの人に届けたいんです。写真を通じて感動を届けることが僕の使命だと考えていて、発信していくことに意味があると思っています。届けるとこが一番大切なので、絶対に無理はしません。

クラウドファンディングに込めた想い

アイテム

撮影:YAMA HACK編集部

:今回、クラウドファンディングで活動の支援を募集していますが、こちらにはどんな意図があるのでしょうか?

上田さん:1つは純粋に資金の確保ですね。海外登山には多額の費用がかかるので。2つ目は、撮影してきた「世界」を知ってもらうためです。僕のゴールは届けること。個展への招待や写真集をはじめ、もっと「非日常の世界を身近に感じて欲しい」と思い、様々な形でのリターンを考えました。

和紙を使った製品をつくる「SIWA」さんとコラボして、マナスルで撮影してきた写真をプリントしたコインケースやパスポートケースなどのオリジナルアイテムを用意しています。日々の生活の中で、少しでも自然の魅力を感じてもらえたら嬉しいですね!

:素敵なリターンばかりですね!本日はありがとうございました。マナスル登頂も撮影も成功する事を祈っています。無事に帰ってきてください!

上田優紀さんを応援しよう!

提供:上田優紀(アマ・ダブラム頂上から一望するヒマラヤの山々)

新進気鋭の写真家による、高所登山では類を見ない挑戦。日常生活からはかけ離れた世界を「写真」という形で共有することで、多くの人に感動を与えたい、そんな想いが伝わってきました。
上田優紀さんの挑戦を応援したい方は、下記リンクボタンから専用のページを確認してみてください。クラウドファンディングから支援された方には、数々の素敵なリターンが用意されていますよ!

CAMPFIREホームページ

上田優紀さんのホームページ

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