テクノロジーが登山を変える!?遭難捜索×ドローンの可能性から目が離せない!
スマホや登山用GPSアプリ、ココヘリなど、山でもさまざまなテクノロジーを見かけるようになってました。その中の1つであるドローン。ダイナミックな写真や映像が撮影できるので、山でも使用している人を見かけます。そんなドローンが山岳遭難捜索の現場で活用されているという噂を聞いた編集部員。ドローンの技術で捜索に協力している株式会社トラジェクトリーの小関さんに、今後のドローンの可能性について聞いてきました。
2019/10/29 更新
制作者
YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部 大迫
YAMA HACK運営担当。
六甲山で山歩きをはじめ、関西・中四国の山を中心に歩き回ってきました。
ボルダリングと自然の中を歩くのが好きなギア・ウェア好きです。最近はゴミを拾ったり、子供を背負ったりしながら山を楽しんでいます。
長く山や自然を楽しめるように、情報発信していきます。
YAMA HACK編集部 大迫のプロフィール
アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部
ハイテクの流れが山にも押し寄せてきた!

出典:PIXTA(山をドローンで撮影した写真)
最近はドローン(※1)を使って、山の写真や動画を撮影する人も増えてきました。人の視点からでは撮影できない映像は、臨場感がありとても魅力的。
※1)ドローンとは、人が機体に乗らずに操縦する航空機のこと。(厳密にいうともう少し細かくわかれますが、この記事ではコレくらいで十分です。)
ドローンが遭難捜索に使われている?

出典:PIXTA
そんなハイテク機器のドローンが遭難捜索の現場で活用され、その可能性に注目を集めているという噂を聞いた編集部員。
実際にドローンの技術を使って山岳遭難捜索に協力している株式会社トラジェクトリーの小関さんと、遭難捜索の現場で活用した経験のある山岳遭難捜索チームLiSSの中村さんに、捜索現場におけるドローンの可能性について取材。その話の中には、これからの登山業界が目指すべき1つの考え方がありました。
ずばりドローンを遭難捜索に活用するメリットって?

撮影:YAMA HACK編集部
空を飛びながら撮影ができるドローン。山岳遭難捜索の現場では、どのように活用できるのでしょうか?
そのメリットは大きく2つあるそうです。
メリット①捜索活動の効率化

出典:
PIXTA(情報がないと捜索範囲が広すぎる・・・)
まずは、効率的な捜索を行うことができるようになること。もちろん木が生い茂る樹林帯の中などの苦手な場所もありますが、人が歩き回るよりも広い範囲をスピーディーに確認できます。
確かに空からだと、全体を俯瞰(ふかん)して確認できますね。
人が見つからなかったとしても、それはそれで有益な情報なんです。
例えば、想定していた場所に人がいなかったのであれば、捜索プランを変更することができます。こっちにいないのであれば、別の場所かもしれないと。これだけ広い山の中で人を見つけなければいけないので、正確な情報があることにこしたことはないですよね。
メリット②捜索する人のリスクを軽減できる

提供:中村さん(実際に中村さんが捜索をしている時の様子)
中村さんたちのような捜索隊員の人たちも、怪我などのリスクがあります。捜索範囲を絞って山にいる時間を短くすることで、捜索隊員が危険にさらされるリスクを低減することも可能です。
「捜索隊員」というとスペシャリストのように思われがちですが、同じ人間なのでもちろん怪我もしますもんね。
知識も経験もある捜索隊員の人たちの命とドローンであれば、ドローンが犠牲になるほうがまだ良いと考えています。もちろん、ドローンを山に落としてはいけないということは前提ですが。
それだけでなく、ドローンが現場の具体的な映像を撮影してくれることで、現場の具体的な状況がわかります。なので、装備の準備もしやすいんです。映像もかなりきれいなんですよ。

撮影:YAMA HACK編集部(実際にドローンの4Kカメラで撮影した映像)
めちゃくちゃキレイですね。これだけ鮮明に映るのであれば、現場を具体的にイメージできますね。
カメラの性能にもよりますが、40倍ズームが可能なものもあるので、かなり鮮明な映像が撮影できますよ。
これだけメリットがあるのになんで広がらないの?

撮影:YAMA HACK編集部
捜索の効率も上がって、捜索隊員のリスクも軽減できるメリットだらけの山岳遭難でのドローンの活用。でも、なぜあまり広がっていないのでしょうか。
話を聞くと、どうやらまだ多くの人に普及できる状態ではないようです。