2つの峰が特徴的!大阪平野を見渡す人気の低山
標高 | 所在地 | 最高気温(8月) | 最低気温(8月) |
---|---|---|---|
517m | 奈良県葛城市・大阪府南河内郡 | 29.7℃ | 19.9℃ |
二上山(にじょうさん)は、金剛山地北部に位置し、奈良県葛城市と大阪府南河内郡太子町にまたがる双耳峰。金剛生駒紀泉国定公園に属しており、「大阪みどりの百選」にも選定される自然の美しい山です。
奈良側からも大阪側も登山道はよく整備されており、初心者でも安心して歩くことができます。山頂や登山道からは、大和平野や大阪湾、葛城山や金剛山など、素晴らしい眺めが楽しめます。
「駅からハイキング」ができる好アクセスの山
奈良側からの場合、駅から歩き始めることができるのも魅力のひとつ。車でも駐車場があるのでアクセス良好。ハイキングコース周辺にはた観光スポットやお店があるので、観光気分で訪ねることができます。
桜に紅葉。山を彩る四季の花
二上山は四季を通して色々な表情を見せてくれる山です。桜や紅葉はもちろん、他にも様々な花を見ることができます。周辺には花の名所もあり、中でも専称寺の枝垂れ桜や、當麻寺や石光寺の牡丹は有名。初夏にはササユリも楽しめます。
万葉集にも登場する歴史ロマンを散歩
奈良盆地から西に位置することから、古くから日の沈む神聖な山として崇められていました。また、山頂付近には大津皇子の墓所も。皇子の死を悼んた姉、大伯皇女が万葉集に残した歌から「二上山」と呼ばれるようになったともいわれています。他にも、中将姫がこもったとされる岩屋や、本格的な大陸風石窟寺院であった鹿谷寺跡などもある、歴史深いエリアです。
二上山の登山適期は?
二上山ふるさと公園や専称寺の桜、當麻寺や石光寺の牡丹を楽しめる春が人気ですが、ササユリを見られる6月もおすすめです。また、美しい紅葉の中を歩ける秋も良いでしょう。冬に訪れる際には、積雪情報に注意し、冬用の装備と防寒対策をしっかりしてください。
歴史を感じながら登るハイキングコース【奈良県側から】
最高点の標高: 489 m
最低点の標高: 78 m
累積標高(上り): 664 m
累積標高(下り): -672 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:3時間40分(周回)
- 【技術的難易度】★☆☆☆☆
- ・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要
まずは、奈良側からのルートを紹介。距離は短くありませんが、急な上りや難所はありません。また、ルート上には有名な史跡も多数あり、自然だけではなく歴史もたっぷり楽しめます。季節によって様々な花を見ることもできるので、初心者からベテランまで、レベルに関係なく楽しめるでしょう。
近鉄南大阪線「二上神社口」駅からスタート。車の場合は「道の駅ふたかみ・パーク當麻」へ駐車し、そこから歩きましょう。
葛木倭文座天羽雷命神社(かつらきしずりにいますあめのはいかづちのみことじんじゃ)の脇を抜けて登山道へ。イノシシよけの金網が設置されていまので、扉を開けて入ってください。開けっ放しになっているとイノシシが入ってしまいますので、ちゃんと閉まったことを確認しましょう!
序盤は気持ちの良い森林歩き。登山道はしっかりと整備されています。
出発した二上神社口駅の隣の駅「二上山駅」からのルートとの合流地点です。ここから雄岳方面へ進みましょう。
雄岳山頂は残念ながらあまり眺望は良くありません。一息ついて、雌岳方面の「馬の背」へ進みましょう。
馬の背は雄岳と雌岳の間の、ちょうど凹んだところ。トイレもあるので、小休憩にはちょうど良い場所です。
雌岳山頂は、雄岳と違っては明るく開けた空間。日時計や東屋もあって、お弁当を食べたり、休憩するにはピッタリの場所です!
雌岳山頂は眺望が良く、奈良方面には大和三山をはじめとする大和平野、大阪方面には河内平野の高層ビルや、遠く明石海峡大橋まで見渡すことができます。
下山は岩屋峠へ。葛城山分岐に来たら、道標に従って祐泉寺方面へ向かいます。ここからは沢沿いに下って行きましょう。
祐泉寺に到着。この辺りは、秋には一面真っ赤に染まります。紅葉の季節に、ぜひ足を運んでみてください。
ここからさらに直進し、當麻寺へ向かいましょう。
中将姫の伝説で有名な古寺、當麻寺に到着。牡丹の寺としても知られ、春には庭園にある80種・3000株の牡丹が咲き誇ります。
ここから少し歩いた當麻寺駅でゴールです。
【大阪側から】往復1時間30分のお手軽ハイキングコース
最高点の標高: 445 m
最低点の標高: 226 m
累積標高(上り): 388 m
累積標高(下り): -388 m
- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:1時間20分(往復)
- 【技術的難易度】★☆☆☆☆
- ・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要
大阪側からの登るルートはコース距離も短く、往復で1時間半程度なので手軽なハイキングを楽しめます。
子ども連れや体力に自信のないひとでも、標準コースタイムを気にせず、のんびりと時間をかけて登ることができます。
二上山山麓にある公園、「万葉の森」の駐車場からスタート。近くにはトイレやカフェもあるのでゆっくりと準備をしましょう。
まずは鹿谷寺跡を目指します。よく整備された歩きやすい道で、季節によってアセビ・ハギ・ツバキ・アジサイなどの花々を楽しむことができます。
鹿谷寺跡は、日本に唯一現存する奈良時代に作られた本格的な石窟寺院跡です。過去には、日本最古の貨幣といわれる和同開珎が出土したことも。
鹿谷寺跡からは尾根道コースを進みます。岩の道は濡れていると滑りやすいので、雨天には注意が必要です。
途中、展望台があります。上に上ると大阪方面を見渡すことができ、天気が良い日は明石海峡大橋が見えることも。夜景の撮影ポイントとしても人気です。
雌岳への分岐に到着。右へ行けば直接雌岳へ行くこともできますが、雄岳にいく場合は馬の背方面へ進みましょう。
雄岳の山頂近くに、大津皇子の墓所があります。皇位継承権をめぐる争いに巻き込まれ、若くして命を落とした皇子は、悲劇の皇子として有名です。
現在は宮内庁が管理しているため、中に入ることはできません。静かにそっと、お参りしましょう。
雄岳から馬の背までもどり、雌岳へ。山頂からの展望を楽しみつつ、ゆっくり休憩をとりましょう。
雌岳からは岩屋峠を経由して下山。途中中将姫がこもったとされる岩屋(史跡)が見られます。林道を歩いて駐車場まで戻りましょう。
ハイキング後に立ち寄りたいスポット
二上山周辺には史跡や寺社など立ち寄りたいスポットがあります。今回は子ども連れにおすすめの公園と、お土産にもぴったりな甘味処を紹介!
子供が喜ぶ遊び場!二上山ふるさと公園
二上山のふもとにある自然公園。広い芝生広場があり、ピクニックに最適です。木製の遊具やおもちゃ館など、子供が喜ぶ遊びがいっぱい。夏にはテラスで水遊びもできますよ。
名物はよもぎ餅!中将堂本舗
奈良側ルートの下山地点、當麻寺駅すぐそばにある、よもぎ餅が有名な甘味処。春に葛城の里に自生するよもぎを収穫し、丁寧に下処理して保存しているため、一年中おいしいよもぎ餅をいただけます。夏には冷たく冷やしたものも。持ち帰りもできます。万葉の森駐車場からは、車で約10分。
登山口までのアクセス
クルマの場合は奈良側、大阪側ともに近隣に駐車場があるので利用可能です。公共交通の場合、奈良側は駅は起点・終点になります。大阪側の場合は駅から路線バスの利用となります。
奈良県側へのアクセス
【クルマの場合】
国道165号−道の駅ふたかみパーク當麻
【公共交通の場合】
近鉄南大阪線「二上神社口」駅下車
大阪側へのアクセス
【クルマの場合】
国道166号−二上山万葉の森
【公共交通の場合】
・近鉄長野線「喜志」駅下車−金剛バス「喜志循環線」「太子中央循環」乗車−「六枚橋東」バス停下車、徒歩30分
・近鉄南大阪線「上ノ太子」駅下車−金剛バス「畑・平石線」乗車−「六枚橋東」バス停下車、徒歩30分
心豊かに、のんびりとした山歩きを楽しもう
二上山は自然豊かで貴重な植物の宝庫です。また、史跡も多く、歴史の勉強にも。じっくり観察してみるのと面白い発見がありますよ。
いつもよりゆっくり歩く、低山ハイクを楽しんでみてはいかがでしょうか。