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バス待ちの間にいつも気になっていた『maunga 御岳本店』【気になる山ショップ#2】(2ページ目)

マウンガの店内

撮影:PONCHO

とはいえノリだけでなく、聞けば、考えや想いもきちんと持っていらっしゃいます。

「今でこそメルカリ等で中古のアウトドア用品を売り買いする人が増えてきました。それでも、結婚して子供が生まれてハードなアウトドアスポーツを奥さんに止められたり、高齢になって高い山に登れなくなったり、子供が成長してキャンプに行く機会が減ったり・・・。また新しい山道具を買って、前に使っていた道具がどんどん増えている等々、理由は様々ですが、自宅で眠っている道具って結構多くあるんです。そのまま使わずに劣化させてしまったり、捨ててしまってはもったいない。それらを買い取り、必要とする人に使ってもらう手助けになれればと思ったんです」

遠藤さんが話してくれたこの考えは、『無駄を排し、シンプルに生きる』という意味で、とてもアウトドア的と言えるでしょう。

並ぶザック

撮影:PONCHO

きちんとメンテナンスをすれば長く使えるのがアウトドア道具

そこで、遠藤さんのアウトドア歴を尋ねてみました。

「19歳の時に訪れたオーストラリアでラフティングを初めて経験したんです。もう、それが楽しくてハマってしまいました。するとガイドになればオーストラリアに住めると聞き、すぐにガイドになることを決めたんです。

オーストラリア北東部の都市ケアンズの近郊にタリーという街があって、その近くに流れるタリー川がラフティングのメッカなんです。そこでラフティングガイドとして2年働き、その後、ニュージーランド、北海道と渡り歩き、ガイドとして過ごしました。ちなみに店名の『maunga』は、ニュージーランド原住民マオリ族の言葉で “山”という意味です」

店の壁

撮影:PONCHO

その後、アウトドアメーカーで働き、ギアを勉強。生産ラインだけでなく、修理の方法も学び、中古品を再び活用できるようにするノウハウを身に付けたそうです。それが現在の中古道具を買い取り、販売する際の基盤となっているといいます。

「クルマをはじめ洋服やインテリア、雑貨などには中古を売るお店があるのに、アウトドア道具だけないって不思議だなとも思ったんです。元々、きちんとメンテナンスをすれば長く使えるのがアウトドア道具ですし。
それに例えば、登山、特に雪山登山に使う道具って高価です。それらを安く中古で買い揃えられれば山へと向かうハードルが下がるし、もっと多くの人が自然の美しさに触れる機会が増えるとも思うんです」

確かに、中古であっても、よいものを安く買い揃えれば、山に何度も登りに行けます。登山は季節によって揃えなければいけないものが多いので、中古道具をうまく活用するのは賢い方法です。

火器

撮影:PONCHO

「海以外の外遊びがなんでもできる」御岳の自然と、そこに集まる人々

ところで、御岳でお店を始めようと思ったのは、なぜでしょう?

「僕は東京の杉並出身なんですが、小さな頃から外遊びが好きで奥多摩にもよく来ていました。都心から近いのに、これだけの自然があるのはいいなぁと感じていたんです。

それに御岳って海以外の外遊びがなんでもできるんです。山で登山やトレイルラン、岩でボルダリング、川で釣り、カヌー、カヤック、ラフティング、そしてSUP。僕は仕事前にパックラフトをよくやるんですが、そういうことができる環境のよさが、御岳を選んだ理由のひとつです」

ピンバッヂ

撮影:PONCHO

聞けば、遠藤さんの知り合いには、御岳付近からSUPに乗って多摩川の河口の羽田まで下るという凄い人もいるそうです。自然環境のよさはもちろん、その環境が好きで御岳、そして奥多摩で暮らし始めた人達のコミュニティのよさも感じました。こんなエピソードもあります。

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