アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部
街での生活と自然をつなぐ、“YURI MIYATA”のアクセサリー

撮影:YAMA HACK編集部
登山中に思いがけず美しい植物に出会ったことはありませんか?
森の中を歩いている時、ふと見つけた植物たちの個性的なフォルム。その自然の美しさをかたちにしたのが、“YURI MIYATA”の「IN THE FOREST」シリーズです。

提供:宮田さん(Leaf / Circle pierce)
葉っぱや枝をモチーフにした繊細なアクセサリー。

提供:宮田さん(Branch / Stripe brooch)
手作りならではのぬくもりで、日常にも優しく溶け込むデザイン。

提供:宮田さん(Leaf / Circle pierce)
シンプルでいて上品な華やかさを添えてくれる柔らかなフォルム。

提供:宮田さん(Leaf / Stripe brooch)
山にだって連れていきたくなる愛らしい表情
『
毎日の生活でも山の空気が感じられて、自然の中でも気分が楽しくなる』
今回は、そんな自然に寄り添うアクセサリーを生み出しているデザイナーの宮田有理さんにお話を伺ってきました。アクセサリーに込められた、たくさんの想いとは
――?
肌で感じたさまざまな感動をカタチに

撮影:YAMA HACK編集部(YURI MIYATAデザイナー宮田有理さん:大学でセラミックデザインを学んだ後、洋食器会社に形状デザイナーとして5年間勤務。退職後、2015年よりアクセサリーの制作を開始。現在は定期的に様々な山へ行きつつ、東京都内で活動中。)
――山で見かけた植物をアクセサリーにされているとのことですが、宮田さんにとって山の魅力って何でしょうか? 季節によって同じ植物でも表情が違うので、それが楽しいですね。

提供:宮田さん(キヌタソウをモチーフにしたピアス)
ちょうど夏に山に登ったときに見つけた植物をモチーフにしたこのピアス。キヌタソウっていう植物で、幾何学的な感じがすごくきれいだったんです。

撮影:YAMA HACK編集部([左]山で見つけたキヌタソウ、[右]キヌタソウをモチーフにしたピアス)
花が咲いている季節に登っていたら見つけられなかったかもしれない。だから偶然出会えるって嬉しいし、それを楽しみにいつも出掛けています。

提供:宮田さん(宮之浦岳 2013.7月)
雨の日の登山は残念だけど、雨が降ったときの景色もきれい。いろんな表情があって楽しいなって思いながら登っています。

提供:宮田さん(金峰山・五丈岩の建造物のように積み上がったさまに圧倒されたという宮田さん。)

提供:宮田さん(五丈岩がモチーフとなったヘアゴム)
植物だけでなく、岩をモチーフにした作品もあるんです。金峰山の五丈岩を見たときに積み重なっている感じが素敵だなって。岩モチーフで何かを作りたいなと思って生まれたデザインです。
そんな風に「
自然から感じる思いをかたちに。」をテーマに作品を作っています。街でも山の空気を感じられて、
毎日の生活と自然をつなぐような存在になれたら嬉しいです。
富士登山をきっかけに、山へ行くように。
提供:宮田さん(蝶ヶ岳 2017.8月)
――ということは、もともと登山をされていたんですか? 山へ行くようになったのは2011年頃から。周りの人たちが突然富士山に登り始めて。人生で一度は登ってみたいというのがちょっとブームになったんです。あと、「山ガール」っていう言葉も出てきて、カラフルな登山服を着て、女の子たちでも楽しく山に登れることを初めて知りました。周りの人たちの登山をしているブログなどをみて、すごく楽しそうだな~っていう、ちょっとした興味本位でまず富士山に登ったんです。

提供:宮田さん(大菩薩嶺 2013.10月)
何も知識がなかったのですが、靴とリュックとレインウエアだけは調べて揃えて、ガイドツアーで連れて行ってもらったんです。それが本当に楽しくて、初めて見る景色に感動しました。その分すごくつらかったんですけど、道具を揃えたし他の山にも行ってみようかなと思い始めて。

提供:宮田さん(三重県・御在所岳 2011.11月)
ちょうどそのとき仕事で愛知に住んでいたので、三重とか岐阜の山に登るようになりました。それでまた全く違う景色に出会って、しかも富士山より楽で(笑)。景色も山によって違いますし、それぞれの山の雰囲気があるんだなっていうのを知っていくうちに、どんどん惹かれていきました。

提供:宮田さん(木曽駒ケ岳 2012.9月)
山に行って植物や景色の写真を撮ったりしながら、ずっとゆっくりのペースなんですけれど、山歩きを続けているという感じです。
このフォルムを“かたち”にしたい!

撮影:YAMA HACK編集部
――登山を続ける中で、アクセサリーを作ろうと思ったきっかけがあったのでしょうか? もともと、愛知県にある洋食器の会社で食器の形をデザインする仕事をしていました。石膏を削ってモデルを制作したりするのですが、型を使う点や、綺麗なフォルムを作るために細かく削って整えていく所など、その工程や重要なポイントがアクセサリー制作とよく似ているんです。

提供:宮田さん
形をつくる仕事をしていたこともあって、山で出会う見たこともない植物の造形に「わぁ~!」って感動して。「削りたい! このフォルムを何かにしたい!」って思ったんです(笑)。

提供:宮田さん
会社に勤めながらも何か自分で作ってみたいなと考えるようになって。退職して東京にきたタイミングで、山に登っていたときに削りたいと思っていたものを作ってみようと。それがアクセサリー制作の始まりでした。

提供:宮田さん
山を歩いていて「あ、この植物なんだろう?」って見つけたものを、図鑑だとかを広げて毎回調べるんですけど、名前を探すのがすごく難しいんです。詳しい人に聞いたりもして。でも、そうやって
知っていくことも楽しいんですよね。
この「楽しさ」を共有したい! 初めてのワークショップ
2018年10月に「THE NORTH FACE3(march)」で初めてのワークショップを開催した宮田さん。YAMA HACK編集部員も参加させていただきました。

撮影:YAMA HACK編集部(FIND YOUR FAVORITE PLANTS THE NORTH FACE3×YURI MIYATA)
――初めてのワークショップはいかがでしたか? 自分で作った植物を山を歩いていて偶然見つけることがあるんです。そのときすごく嬉しくて、その気持ちを共有できたらいいなという想いがずっとありました。
ありがたいことに、ちょうどそんな機会をいただいて。山に行って、植物を見つけて、街に戻って考えながら制作するという、普段自分がアクセサリーを作っている工程を簡単にして、体験してもらうことにしました。作業は本当に地味なんですよね、黙々と削るみたいな。楽しんでいただけてよかったです。

撮影:YAMA HACK編集部(ワークショップの様子)
みなさんそれぞれ山に行く目的や好きになったきっかけがあると思うんです。私もいろんな方のトークイベントなどに行くことがあるのですが、「こんな山の楽しみ方もあるんだ」という新しい発見があって楽しいんですよね。

撮影:YAMA HACK編集部(好きな植物のモチーフをアクセサリーに。)
私が山に興味を持ったのが植物のフォルムに感動してだったので、ワークショップでその感動を共有できたらいいなって。

撮影:YAMA HACK編集部(ワークショップで編集部員が作ったヘアゴム。お弁当箱をバンダナで包んだときに留めたり、タオルを首にかけて結んだり。山につけていっても楽しい。)

提供:宮田さん(アクセサリーの台紙のリボンは、登山道でよく見かけるピンクのリボンがモチーフになっている。)
好きな植物を見つけて作って出来上がったものを使ってもらうという流れを楽しんでもらえたり、
山に行く楽しみや興味がちょっとでも広がるきっかけになれば嬉しいですね。
新しいシリーズを制作中

提供:宮田さん
――今後デザインしてみたいものってありますか? 「IN THE FOREST」は実際にある植物を見つけてシンプルな形状に落とし込むということをやっているんですが、次のシリーズはちょっと抽象的なものを考えています。

提供:宮田さん
テントから出たときのひんやりとした冷たさとか、もやーっとした霧がかかっている景色だとか、そういうところからイメージしたものを形にできたらいいなと思っています。
“YURI MIYATA”のアクセサリーと共に、自然のフォルムを探しに行こう。

提供:宮田さん(明神ヶ岳 2016.9月)
足元を見れば、植物の愛らしい表情や力強く生きる姿など、自然の中には美しい小さな世界がいっぱいあることを教えてもらいました。
お話を伺えば伺うほど、山を歩くときの宮田さんの目のつけ所に感心するばかり。「もともと形をつくる仕事をしていたからですよ(笑)」と話す宮田さんですが、自然を大切にしているからこその豊かな感性ではないでしょうか。

撮影:YAMA HACK編集部
いつもは見過ごしてしまうような目立たない植物にも注目してみると、新しい発見があったり、山歩きの魅力がさらに増すことでしょう。“YURI MIYATA”は、そんな山での感動を街でも楽しめるアクセサリー。自然のモチーフを身につけて、日常でも山の空気を感じてみてはいかがでしょう。
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提供:宮田さん
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