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『クライマーズ ハイ』そもそもの意味は?

『クライマーズ・ハイ』は、横山秀夫の小説です。彼が記者だった時代に起きた日本航空123便墜落事故をもとにつくられています。数々の賞を受賞した傑作ともいえる作品です。その後、ドラマや映画化がされました。
クライマーズ・ハイ(文春文庫)
「クライマーズ・ハイ」とは、登山者の興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態のことである。
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映画『クライマーズ ハイ』のあらすじと感想

御巣鷹山で日本航空123便が消息を絶った。地方紙の新聞記者である悠木は一報を受け、事故の全権デスクを任されることに。県警キャップの佐山たちは現地へ赴き現場のレポートを始める。谷川岳へ友人の安西と登るという悠木の予定は立ち消え、その安西も報道の渦中で過労で倒れ亡くなる。

佐山のレポートは社内の人間関係や対立などに呑まれ、握りつぶされてしまった。様々な報道が飛び交い、新聞社の人間たちの思惑や関係が交錯する中、デスクは次第に興奮状態になっていく。悠木は、登山におけるクライマーズハイに近い状態に自分たちがいると感じる。

興奮状態が極限に達した状態は最もミスを犯しやすい時であることを分かっている悠木は、新たに飛び込んできたスクープ「事故の原因」について慎重な姿勢で臨む。悠木はネタを出した玉置に佐山を付けて確実なウラ取りを指示。翌日の原稿締切が迫る中、このスクープを世に出すべきかどうか二者択一の決断を迫られる。
ネタバレ注意!『クライマーズ ハイ』はどうなる?

完璧なウラを取れなかったこともあり、悠木はスクープの掲載を見送る。翌日、他社がその特ダネを抜いた。そして悠木は会社を辞める。時を経て、あの時立ち消えた谷川岳登山に悠木は安西の息子と挑む。悠木は音信不通にしていた息子の自分を想う気持ちを安西の息子から聞き、会いに行くことを決意する。
『クライマーズ ハイ』 みんなの感想
この映画、原作を読まずに映画館で見ました。映画が面白かったので、原作を買って読み、テレビ版のDVDも買って観てしまいました。
映画は、原作とはちょっと違いますが、逆に、一本の映画としては非常に良く出来ています。予備知識が無くとも、十分に楽しめる映画です。
出演者は芸達者多く、特に佐山役の堺雅人が恐ろしく良かったです。とにかく良かった。加えて、個人的には等々力役の遠藤憲一が良かったです。
でも、改めて、思い出してみると、この映画、かの『仁義なき戦い』に似てるなあ、と勝手に思ってしまいました。
カット割が頻繁で、緊張感にあふれる展開、そして男の情熱、プライド、嫉妬、陰謀がぶつかり合うというノリはまさに『仁義なき戦い 北関東新聞社編』です(笑)。
昔、「仁義なき戦い」シリーズが大好きだった方にはお奨めです。
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今年の1月に購入してから、もう5回くらい観たかな。
でも、まったく飽きる事が無い。
とにかくすさまじい緊張感が画面の中から、これでもかと噴出してきます。
次にこうなると解っていても、その場面がまた観たいって映画中々ありませんよ。
この映画にはそんなシーンが沢山あります。
まだ未見の方は是非観てください。
日本映画、捨てたものではありません。
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本作は、日航123便の事故をセンセーショナルに描いたものではない。地元新聞社(モデルは上毛新聞)の記者を通しての「あの長い夏」の記憶だ。とにかく全編に漂う緊張感がタダものではない。皆が本当に、現場にいた新聞記者に見えてくるのだ。実直だが一本芯の通った堤真一、クールな熱血漢の堺雅人のすさまじいまでの気迫と、エンケンやでんでんの味のある妙技。そして山崎努の圧倒的な芝居。すべてに驚かされた。新聞社員や自衛隊の役もエキストラは使わず、俳優オンリーで通したことが成功要因だろう。また「殯の森」で見事な芝居を見せた尾野真千子が、カッコいい女性記者を颯爽と演じていたのが印象的だった。加えて、事故現場の凄惨さを再現していて、当時の陰鬱な気持ちを思い出した。忘れてはいけない記憶を映画が紡ぐ、というのは「活動写真」の役割のひとつだと思う。原田監督の作品はどこかアメリカナイズされたものが多く「大好き」といえるものがなかったが、本作は掛け値なしに凄いシャシンだ。現在までの原田組の最高傑作と断言してしまおう。デ・パルマなみの事故発覚シーンの長廻しワンカットも見どころだ。2008年の日本作品では最上位の1本といえよう。ぜひ観てください。
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もう既に100回以上観ました。今も見続けています。
原作は、読んでいません。自分の中では、映画と原作は、まるっきり別物との位置づけを持っています。
初回は、自分の人生と重ね合わせているかのように、映像に食い入りました。その一方、新聞社の人間関係、物語の背景が一回では理解できず、むしろ、この映画の埋もれた部分を探すように視聴を重ねていきました。もちろんその間、心は、この映画に惹き付けられ続けていましたが。
この映画の表現には気になる部分もあります。しかし、監督と映画論を語る訳ではないので、作り手の表現の仕方、個性として理解しています。そして現在もこの作品に満足しています。
昨日は、興味が嵩じて原作とサントラを購入しました。原作では、また違う世界を楽しめたらと思います。
私は52歳ですが、同年齢層の方にはおすすめの作品だと思います。
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『クライマーズ ハイ』の動画とキャスト
『クライマーズ ハイ』の主要キャスト一覧
- 堤真一(悠木和雄 役)
- 堺雅人(佐山達哉 役)
- 尾野真千子(玉置千鶴子 役)
- 高嶋政宏(安西耿一郎 役)
- 山崎努(白河頼三 役)
- 遠藤憲一(等々力庸平 役)
- 田口トモロヲ(岸円治 役)
- 堀部圭亮(田沢善吉 役)
- マギー(吉井弁次郎 役)
- 滝藤賢一(神沢周作 役)
- 皆川猿時(伊東康男 役)
- でんでん(亀嶋正雄 役)
- 中村育二(粕谷隆明 役)
- 螢雪次朗(追村穣 役)
- 野波麻帆(黒田美波 役)
- 西田尚美(安西小百合 役)
- 小澤征悦(安西燐太郎 役)
『クライマーズ ハイ』はNHKドラマとしても放送

ドラマ『クライマーズ ハイ』は、2005年12月に、土曜ドラマとして放送されました。ドラマと映画を観比べてみるのもおもしろいかもしれませんね。
クライマーズ・ハイ DVD(NHKドラマ)
ドラマ『クライマーズ ハイ』の主要キャスト
- 佐藤浩市(悠木和雅 役)
- 大森南朋(佐山達哉 役)
- 新井浩文(神沢夏彦 役)
- 高橋一生(安西燐太郎 役)
- 岸部一徳(等々力竜司 役)
- 塩見三省(迫村忠士 役)
- 大和田伸也(粕谷亘輝 役)
- 光石研(田沢直人 役)
- 松重豊(岸文平 役)
- 岡本信人(稲岡信也 役)
- 石井愃一(亀嶋格 役)
- 谷本一(守屋政志 役)
- 山中聡(吉井健一 役)
- 嶋尾康史(宮田道男 役)
- 菅原大吉(久慈進 役)
- 久遠さやか(依田千鶴子 役)
- 植松真美(高木真奈美 役)
- 安居剣一郎(望月亮太 役)
- 橘ユキコ(配信部員 役)
- 寺島進(登山指導員 役)
- 美保純(悠木弓子 役)
- 石原さとみ(望月彩子 役)
- 中村優子(遺族 役)
- 川口翔平(安西燐太郎・少年時代 役)
- 大川翔太(悠木淳 役)
- 木村茜(悠木由香 役)
- 赤井英和(安西耿一郎 役)
- 岸本加世子(安西小百合 役)
- 伊武雅刀(末次勲 役)
- 杉浦直樹(白河社長 役)
臨場感に溢れ、見る者もクライマーズハイに!

日航機墜落という大きな事故を取り上げたハードな社会派ドラマですが、俳優の熱演やカメラワーク等の演出技術、細部に至るまで作り込んだクオリティにより、事故で騒然となった新聞社社内の臨場感やリアリティ、仕事に対する熱い思い等を強く感じられ、見ごたえがあります。