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朳差岳

朳差岳|ロングコースの先には天空のお花畑!3つの登山コース情報

朳差岳(えぶりさしだけ)は新潟県にある飯豊連峰の山。アクセスが悪く登山口から山頂までも距離があり、中級者以上向けの山です。登頂が大変な分、稜線から望む景色や満開のお花畑はまさに絶景。よく登られている3つのコースをまとめました。アクセスや宿泊地をしっかり調べた上でチャレンジしてください。

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目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

天空のお花畑が広がる山、朳差岳(えぶりさしだけ)

朳差岳
提供:ヤマレコ/dk_hal
標高山頂所在地山系最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
1636m新潟県関川村飯豊山地19.2℃9.4℃
参考:ヤマレコ

朳差岳は飯豊連峰の北部にある山で、日本二百名山の一つ。田植えの頃に農具の一種の「朳(えぶり)」を担いだ人の姿の雪形が山腹に現れることからこの名が付いたとされています。飯豊信仰とは縁がなかったために昔は登山道の整備もされていませんでしたが、山頂に避難小屋ができて以来登山者も増えてきました。

稜線歩きを堪能

朳差岳 稜線
提供:ヤマレコ/dk_hal

飯豊連峰の北端にある朳差岳は、飯豊連峰らしいたおやかな稜線上にあります。とくに前朳差岳から朳差岳、鉾立峰にかけての草原は美しく、稜線に出たときには急登を越えてきてよかったと思わせてくれる絶景が。残雪が残る白と緑のコントラストの美しさも飯豊連峰の山ならではです。

お花畑を満喫

朳差岳 お花畑
提供:ヤマレコ/alons_tep

朳差岳は高山植物の宝庫です。とくに雪解けすぐに見られるハクサンイチゲのお花畑は見もの。他にもカタクリやニッコウキスゲ、マツムシソウなど色とりどりの高山植物を見ることができます。

朳差岳の天気と地図をチェック

朳差岳に行く前に現地の天気をこちらでCHECK!また、事前に地図を用意してルートを確認してください。

朳差岳のふもと(胎内市)の10日間天気

日付10月17日
(金)
10月18日
10月19日
10月20日
(月)
10月21日
(火)
10月22日
(水)
10月23日
(木)
10月24日
(金)
10月25日
10月26日
天気晴
曇のち雨
曇のち雨
曇一時雨
曇一時雨
晴のち曇
晴のち曇
曇
曇時々晴
曇時々晴
曇時々晴
曇時々晴
曇時々晴
曇時々晴
晴時々曇
晴時々曇
曇
気温
(℃)
23
15
26
14
19
16
20
11
18
12
18
10
18
8
17
8
18
7
17
11
降水
確率
10807030303020203040

朳差岳の登山指数

日付10月17日
(金)
10月18日
10月19日
10月20日
(月)
10月21日
(火)
10月22日
(水)
登山
指数
B C C A A A
登山指数の留意点

登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。

  • 雷の発生の可能性
  • 前日の天気による道のぬかるみ
  • 局地的大雨
  • 土砂災害の発生の可能性
  • 雪崩の発生の可能性
  • 噴火の可能性
  • 積雪の有無
  • 濃霧
  • 低温または高温
  • 虫やヒルなどの発生状況

山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。

朳差岳周辺の山と高原地図

①奥胎内からのコース

朳差岳へ登るルートで一番時間が短いルートです。登山シーズンには林道を走るバスが運行されているので登山客も比較的多いコース。山頂までの片道を紹介します。

①奥胎内~朳差岳山頂

合計距離: 9.95 km
最高点の標高: 1606 m
最低点の標高: 352 m
累積標高(上り): 2286 m
累積標高(下り): -1047 m
【体力レベル】-
日帰り(片道)
コースタイム:7時間50分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

奥胎内ヒュッテ(70分)→足の松尾根取付(190分)→水場分岐(100分)→大石山(110分)→エブリ差岳

飯豊連峰の新潟県側、奥胎内ヒュッテからスタートして足ノ松尾根を登るコース。6~10月の夏季は、足の松尾根登山口まで乗り合いタクシーが数本運行していますが、期間外は奥胎内ヒュッテから登山口まで林道を1時間強歩きます。

杁差岳 登山口
提供:ヤマレコ/dk_hal

足の松尾根登山口から登山道に入っていきます。登山口には登山ポストが設置されているので登山届を出して登りましょう。

朳差岳    松の根の登山道
提供:ヤマレコ/saako

すぐに急登となり、岩と木の根がミックスした登山道となります。靴やトレッキングポールが引っかかりやすいので注意して。

朳差岳   岩場
提供:ヤマレコ/E-hiro

大きな岩を乗り越えて行く場所も。姫子の峰、英三ノ峰などいくつかの峰を越えて進んでいきます。

朳差岳      水場
提供:ヤマレコ/alons_tep

水場分岐に到着。近くの水場までは往復で15分ほど。急傾斜の斜面で足場はよくありませんが、よく冷えておいしい水です。

朳差岳  コース中の景色
提供:ヤマレコ/alons_tep(コース中に望む景色)

ブナの原生林の急登を登ります。次第に高い木が少なくなり、イチジ峰からは気持ちの良い稜線歩き。西ノ峰を越えると笹原となり大石に至ります。

朳差岳   大石山
提供:ヤマレコ/saako

大石山から鉾立峰へ。鉾立峰の向こうには目指す朳差岳の姿がとらえられます。

朳差岳  鉾立峰
提供:ヤマレコ/alons_tep

この辺りの登山道はハクサンイチゲのお花畑が素晴らしい場所。花の季節には、様々な高山植物が咲き誇ります。

  朳差岳  鉾立峰からの眺め
提供:ヤマレコ/E-hiro(鉾立峰から大石山方面を望む)

鉾立峰からいったん下り、再び朳差岳へ向けて登り返します。

朳差岳    山頂への道
提供:ヤマレコ/dk_hal(山頂への道と朳差小屋)

登山道には、朳差岳の登山道を開拓した藤島玄氏の碑が。山頂のすぐ手前に朳差小屋があります。

朳差岳  山頂
提供:ヤマレコ/saako

朳差岳山頂から望む飯豊連峰のたおやかな稜線は素晴らしく、近くには二王子岳や粟ヶ岳、佐渡の山々まで見渡すことができます。

②東俣からのコース

続いて東俣からのコースをご紹介。距離が最も長く、標高差も最もありますが、他のコースに比べて人が少ないので静かな山歩きを楽しめます。

②東俣彫刻公園~朳差岳

合計距離: 12.6 km
最高点の標高: 1606 m
最低点の標高: 200 m
累積標高(上り): 2817 m
累積標高(下り): -1411 m
【体力レベル】-
日帰り(片道)
コースタイム:7時間50分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★★☆
・岩場、雪渓を安定して通過できる技術が必要
・ルートファインディングの技術が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

ゲート(東俣彫刻公園)(60分)→林道終点(150分)→カモス峰(110分)→千本峰(90分)→前エブリ差岳(60分)→エブリ差岳

朳差岳  登山口
提供:ヤマレコ/higumi

東俣彫刻公園からスタート。ゲート手前に登山届箱が設置されています。

朳差岳  林道
提供:ヤマレコ/higumi

東俣彫刻公園から沢沿いの林道を1時間ほど歩いて登山口へ。初夏は新緑が気持ちの良い林道です。

朳差岳   一号橋
提供:ヤマレコ/higumi

林道終点からすぐに鉄製の一号橋を渡って東俣川の右岸へ。

朳差岳   二号橋
提供:ヤマレコ/kestrel

二号橋で東俣川の左岸に戻り、橋を渡るとブナの大木がそびえる森の中、カモス峰まで急登を進みます。カモス峰を越えると潅木帯となり視界が開け、展望が望めるでしょう。登山道の傾斜はいったんゆるくなり、再び前朳差岳へ向けて急登に。

朳差岳   前杁差岳山頂
提供:ヤマレコ/deresukey(前朳差岳)

前朳差岳に到着すればきつい登りは終わり。

朳差岳  前杁差岳山頂
提供:ヤマレコ/deresukey(前朳差岳からの眺め)

近くには二王子岳や飯豊本山が見え、気持ちの良い稜線歩きとなります。

朳差岳  池塘
提供:ヤマレコ/deresukey

長者原にある池塘。雲海や残雪とのコントラストが美しく、池塘の周りにも高山植物が咲いています。

朳差岳   山頂
提供:ヤマレコ/kestrel

池塘からはほぼ平坦な道で朳差岳に到着。360度の眺望があり飯豊連峰の眺めは圧巻です。

③飯豊山荘からのコース

最後は山形側から丸森尾根を登るコースをご紹介。尾根道とは言えいきなりの急登ですが、美しい主稜線を長く歩けるコースです。

③飯豊山荘~朳差岳

合計距離: 9.88 km
最高点の標高: 1769 m
最低点の標高: 424 m
累積標高(上り): 2126 m
累積標高(下り): -944 m
【体力レベル】-
日帰り(片道)
コースタイム:9時間40分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

飯豊温泉(170分)→夫婦清水(210分)→地神北峰(50分)→頼母木小屋(40分)→大石山(110分)→エブリ差岳

朳差岳 登山口
提供:ヤマレコ/yookoike

スタートとなるのは飯豊山荘の脇にある登山口。登山届が設置されています。

朳差岳 急登
提供:ヤマレコ/yookoike

登山口からいきなりの急登で、一部には岩の痩せ尾根もあり。ザレた場所もあるので足元に注意して。夫婦清水は小さな沢が流れています。

朳差岳  丸森峰
提供:ヤマレコ/hirok(丸森峰からの眺め)

さらに急登が続きますが、遠くには飯豊連峰のたおやかな稜線が見える場所も。登山道が崩れていてよじ登るような箇所もいくつかあります。丸森峰までくると森林限界。

朳差岳  地神北峰からの眺め
提供:ヤマレコ/yookoike(地神北峰から望む大石山・朳差岳方面)

急登を登りきると地神北峰で朳差岳の主稜線に乗り、分岐を右手の頼母木山方面へ。

朳差岳     頼母木山
提供:ヤマレコ/hirok(頼母木山から振り返って望む地神山)

頼母木山からは草付きの見晴らしが良い尾根道を下って頼母木小屋へ。

朳差岳  頼母木小屋
提供:ヤマレコ/hirok

稜線上に頼母木山小屋がある牧歌的な風景が見えてきます。頼母木小屋から大石山までは多少のアップダウンがある登山道で大石山へ。

朳差岳  大石山から見た朳差岳
提供:ヤマレコ/hirok(大石山から望む朳差岳と鉾立峰)

大石山を越えると分岐があり、ここからは①のコースと同じコースで山頂に向かいます。

コース上で利用できる宿泊施設・避難小屋

朳差岳登山で利用できる宿泊施設と避難小屋をご紹介します。冬季は閉鎖される小屋もありますので、営業期間は確認してから行きましょう。

奥胎内ヒュッテ

奥胎内ヒュッテ
出典:奥胎内ヒュッテ

奥胎内コースの登山口にある宿泊施設で、日帰り入浴も利用できます。周囲はブナの原生林に囲まれ、野鳥のバードウオッチングにも最適。レストランのテラスは川沿いに面しており、山小屋風の食事をいただくことができます。

所在地:新潟県胎内市下荒沢字胎内山1202-49
電話番号:0254-48-0161
営業期間:通年

奥胎内ヒュッテのHPを見る

朳差小屋

朳差小屋
提供:ヤマレコ/E-hiro

山頂にある木造2階建ての避難小屋で平成4年に改築されました。水場は小屋の東側を10分ほど下ったところ。

営業期間:通年(無人)
収容人数:50名

朳差小屋について調べる

飯豊山荘

飯豊山荘
出典:おぐに白い森

山形側からのコースの登山口にある宿泊施設で日帰り入浴や足湯も利用できます。熊が傷を癒しているのを見つけたことから開湯されたと伝えられる湯治にも人気の温泉です。

所在地:山形県西置賜郡小国町小玉川663-3
電話番号:090-5234-5002
営業期間:冬期間は閉鎖
収容人数:69名

飯豊山荘について調べる

頼母木小屋

頼母木山避難小屋
出典:PIXTA

山形側からのコース上、頼母木山を過ぎたところにある小屋で、シーズン中は管理人が常駐しています。水場が豊富な小屋で10月中旬までバイオトイレの使用が可能。

営業期間:通年(管理人在中期間は7月1日~8月31日、9月1日~10月10日の土日祝)
収容人数:50名

頼母木小屋について調べる

登山口へのアクセス・駐車場情報

朳差岳の登山口までのアクセス方法や駐車場情報です。公共交通機関が少ないためマイカーかタクシーを利用するのがおすすめです。

①奥胎内登山口へのアクセス

【車の場合】
日本海東北自動車道 中条IC-奥胎内ヒュッテ(約1時間)
駐車場:あり

【電車・バスの場合】
JR中条駅よりタクシーにて登山口へ

奥胎内ヒュッテからの乗り合いタクシーについて

②東俣彫刻公園へのアクセス

【車の場合】
日本海東北自動車道 荒川胎内IC-東俣彫刻公園(約25分)
駐車場:あり

【電車・バスの場合】
JR越後下関駅よりタクシーにて登山口へ

③飯豊山荘へのアクセス

【車の場合】
東北自動車道 福島飯坂IC-飯豊山荘(約2時間20分)
駐車場:あり

【電車・バスの場合】
JR小国駅-町営バス南武線に乗車-飯豊山荘へ

小国町町営バスについて調べる

朳差岳の稜線美と咲き誇る高山植物

朳差岳
出典:PIXTA

朳差岳はどこから登っても急登があってツライという感想も見かけますが、「ツラくても登ってよかった!」と思える景色が待っています。急登の先にある美しい稜線と高山植物に会いにぜひ登ってみてください。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
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・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。

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