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ダウンウェアってどうやって選べば良いの?

ダウンウェアは安いものではないので、できれば失敗したくないですよね。そこで今回は、初めての方でも失敗しないようにダウンウェア選びのポイントを解説していきます。
『暖かさ』と『持ち運びやすさ』のバランス

登山中は常にダウンウェアを着ているわけでなく、使用するのは主に休憩中。行動中はザックの中にしまっているため、暖かさだけでなく、軽さやコンパクトさなどの持ち運びやすさも重要です。
暖かさだけを考えると分厚いダウンウェアのほうが優れていますが、ダウンの量が増えると重さも比例して増加。また分厚すぎると、雨が降ってきた時に上からレインウェアなどが着れなくなり、ダウンが濡れてまったく暖かくなくなってしまうため注意が必要です。>
でも、『フィルパワー』などよくわからない言葉が・・・

そこで今回は
①暖かさに関すること
②化繊と天然ダウンの違い
③カタチの違い
の、3つの視点からダウンウェアの選び方を見ていきましょう。
ポイント①:暖かく高品質なダウンの選び方
ダウンウェアを着る目的は「保温」。つまり暖かくないと、着る意味がありません。まずは、暖かく高品質なダウンの選び方を見ていきましょう。そもそもダウンはなぜ暖かい?

ダウンウェアの中には「ふわふわ」とした羽毛(ダウン)が入っていています。羽毛は空気をたくさん含むことができるので、暖かな空気を逃がさず保温することが可能。
基本的に写真の右側のダウンウェアのように、大きく膨らんで分厚いほうがたくさんの空気を含むことができるので暖かくなります。
しかし厚みを出すためにダウンの量を増やすと、ウェアが重くなったり、コンパクトにならなかったりして持ち運びに影響がでるので、登山用のダウンは必ずしも分厚ければ良いというわけではありません。
➡次のページではフィルパワーについて解説
フィルパワーはダウンが膨らむチカラ

ダウンウェアの上から重さをかけると、ダウンはペチャンコになりますよね?そのまま放っておくと、ふわ~っと元の状態に膨らんでいきます。その時の、ダウンが元に戻ろうと膨らむチカラがフィルパワーです。

■フィルパワーの目安
・600~700FP:良質 街で十分に暖かい
・700~800FP:高品質 街や登山でも使える
・800FP以上:超高品質 雪山などの厳しい環境でも〇
というような認識を持たれていることが多く、低山の日帰りであれば目安は700~800FPです。
ダウンは『グースダウン』がおすすめ

ダウンとは水鳥の胸に生えている羽毛のことで、大きく分けるとグース(ガチョウ)とダック(アヒル)の2種類です。グースの方が毛が長く、より空気を含むダウンがとれるため高品質とされています。

しかしダウンの方が希少なため、ダウンの割合が高いもののほうが高品質なダウンウェアとされています。
取れた産地にも違いが!

【まとめ】
フィルパワーが高い=暖かいではなく、暖かさはダウンが作り出す空気の層の厚みが重要。ただし、登山では持ち運びやすさとのバランスも大切なため、700FP以上の軽量なダウンが人気です。
ポイント②:天然ダウンと化繊ダウンの違い
登山でダウンと呼ばれるものには、厳密にいうとダウンではないものがあります。それは化繊ダウンと呼ばれるもの。ここでは、天然と化繊ダウンの違いを見ていきます。

なかでも「プリマロフト」と呼ばれる素材は、化繊ダウンの代表格のように数多くの登山用のジャケットに採用されています。
【天然ダウン】
軽量で保温性に優れるが、水濡れや破れでダウンが膨らまなくなると暖かさを失う。
【化繊ダウン】
水濡れなどに強く、ダウンよりはタフに使用できるが、暖かさや軽さはやや劣る。
【まとめ】
主に休憩時などに使用し、暖かと軽さを重視するのであれば天然ダウン。天候が変わりやすい時に使う、行動中も着ることが多いのであれば化繊ダウンなど、自分の使用目的に合わせて選んでみよう。
ポイント③:カタチ選びにもこだわろう
ダウンウェアにも、いろいろなカタチがあります。それぞれ特徴があるので、主な用途によって選びましょう。凡用性抜群の丸首・ジャケットタイプ

行動中に着るのなら、ベストかTシャツタイプ
体幹はしっかりと保温してくれて、腕まわりは動かしやすいベストタイプは行動中に便利。Tシャツタイプは大きな血管のある脇の部分まで保温できるので、より暖かいです。また、ダウンベストはタウンユースとしても人気です。
厳しい寒さの山にはフード付きタイプ

【まとめ】
登山用として使うのであれば、まずはジャケットタイプがおすすめ。
お気に入りのダウンで登山をもっと楽しもう!
秋冬登山には、特に必要なダウンウェア。「寒くてきれいな景色をゆっくりたのしめない!」なんてことにならないように、必ずザックの中に入れておきましょう。見た目にもこだわりたい人は、一度お店に行って試着することが大切。その際、上に着るレインウェアなども一緒に持っていくと、ダウンの上に着た時の厚みも確かめられるのでおすすめです。