フリースとダウンってどうやって使い分けたらいいんだ・・・

もちろん厳しい寒さの雪山であれば両方持っていく必要があるのはわかるけど、できれば余計な荷物は増やしたくないというのが正直なところ。どうにかできないものでしょうか?
結論:登山スタイルや好みで使いわけよう!

フリースとダウンは同じ保温ウェアといっても、実は特徴も使いかたも違います。なのでフリースとダウンを選ぶポイントを理解して、自分にとって正しい選択をするのが◎。
上手に使い分けられるようになるため、保温ウェアに欠かせない『暖かさ』『持ち運びやすさ』『使いやすさ』の3つの視点でフリースとダウンを比べていきましょう。
ダウンという言葉は水鳥の綿毛を使ったものと化繊を使ったものをさすことも。ここでは、ダウンを水鳥の毛を使ったもの、化繊ダウンを化繊を使ったものとして比較していきます。
対決①暖かさで選ぶなら?
保温のためのウェアを選ぶのだから、あたたかさは大事なポイント。フリースもダウンも暖かいのですが、保温力の高さに差があります。選ぶ時のポイントは行動中や休憩中など、どんなシーンで使おうとしているかです。項目 | フリース | ダウン | 化繊ダウン |
---|---|---|---|
保温性 | △ | ◎ | ○ |
防風性 | △ | ○ | ○ |
通気性 | ◎ | △ | ○ |
保温力はダウンが優勢

ダウンは素材に綿毛を使っているため、空気を含みやすく保温性が高いです。防風性も兼ね備えているなど、暖かい空気を保ちやすい構造となっています。
でも本当にその暖かさ必要?

その点フリースは濡れても温度が下がりにくく、通気性も確保されているため、行動中などの体からの発熱があるシーンでの着用に向いています。
フリースでも注意が必要
保温性があって風も通してくれるフリースは、行動中に重宝するアイテム。ほとんどの時間動いている日帰り登山などであれば、フリースだけでも十分対応できることがあります。ただ、冬山などの厳しい環境では、保温力に物足りなさを感じることがあるのも事実です。今後、宿泊や雪山での登山を考えているのであれば、ダウンは必ず準備しておきましょう。
対決②持ち運びやすさで選ぶなら?
登山では、軽くてコンパクトに収納できることは大きな魅力です。ここでは暖かさ以上に違いがでました。項目 | フリース | ダウン | 化繊ダウン |
---|---|---|---|
軽さ | △ | ◎ | ○ |
収納性 | △ | ◎ | ○ |
軽さとコンパクトさは圧倒的にダウン優勢

編集部員の使用しているアイテムで比較したところ、ダウンがフリースの約半分の重さでした。

持ち運びの状態にするとその大きさの差は歴然。ダウンは空気を抜くとかなり小さくなるため、コンパクトに収納できます。
保温のウェアは休憩中のみの使用が多いため、基本ザックに入れる時間が長くなります。休憩時のみに着る場合は、コンパクトにできるダウンがおすすめです。フリースはダウンと比べてかさばりますが、行動中にずっと着用しているのであれば収納性に関しては気にする必要はありません。
ただし、行動中は体温が上がり頻繁にレイヤリングをします。最初から最後までフリース着ていることは、多くありません。荷物のスペースに余裕がない場合は、ダウンの方が収納しやすいのでオススメです。
対決③気軽につかいやすいのは?
登山では、ウェアが破れたり、濡れたりすることも考えられます。なので、動きやすさや濡れに対しての強さも重要です。項目 | フリース | ダウン | 化繊ダウン |
---|---|---|---|
濡れへの強さ | ◎ | ☓ | ○ |
ストレッチ性 | ◎ | △ | △ |
使いやすさはフリースに軍配が
ウェア着用時の動きやすさを重視するのであれば、フリースが一番。適度な保温性を持ちつつ、登山中の動きをジャマしないウェアを選びたい時にピッタリ。汚れてもダウンほどメンテナンスに気を使わなくても良いので、ガンガン使えます。ダウンは濡れや破れに要注意

フリースとダウンを使い分けて、快適な登山を!
かなり寒い雪山に行くのであれば、リスクヘッジのためにフリースもダウンも必ず持っていくようにしましょう。しかし、条件によってはどちらかだけでも対応できる場合もあります。
【フリース】
雪のない日帰りなどの【行動中心】の登山であれば、フリースでもOK!破れや濡れを気にせずにすみ、手入れも楽なので、ガシガシ着ることができます。
泊まりや雪山など、保温力が重要な場合は必ずダウンを持っていきましょう。
【ダウン(化繊ダウン)】
行動中は使用せず、休憩中の使用が多いのであれば持ち運びやすいダウンがおすすめ。
ウェアを選ぶ時は、山、地域、気温、標高、雪の有無、コースタイムなど、自身の登山計画に合わせて必要なウェアを選択するようにしましょう。そうすることで不要なものを減らすこともできます。