重要! レインウェアに保温力はない
編:ふむふむ…では、他に「これは重要だよ!」っていうウェアってありますか?
冨田さん:フリースやダウンなどの保温着ですね。これも必ず忘れないでほしいです。登山用の保温着は、汗抜けも良いし軽くて暖かく、コンパクトになるものがほとんどです。いきなり揃えるのが難しい場合はお手持ちのもので、出来るだけコンパクトになるものを使用してください。
編:はぁ…でもなんかピンと来ないですね。ものすごい標高の高い山へ行くって場合は、何となく地上と気温差があって寒い…というのはイメージできるんですけど。夏場にそんなに高くない山に行く場合も保温着って必要ですか?
冨田さん:フリースはせめて持っていきましょう。例えば夏の東京で30℃の時、標高2,500mの富士山5合目で気温はひとケタ前後くらい。であれば、2,000m前後の山でも…
編:あ、それは要る! 初冬の東京ぐらいってことですよね。それは保温着必要ですね…!
冨田さん:そう。あと、レインウェアって風を遮ってくれるので、体に風が当たらないだけで冷えは軽減できるんですが、それ以上はないんです。
編:レインウェアに保温性はないってこと?
冨田さん:その通り。ウィンドブレーカーと同じと考えましょう。なので、動きが止まる休憩の時に急に寒くなってきちゃったら、夏であってもやっぱり暖をとれるウェアは必要なんです。
それぞれがお互いの機能を補完し合うのが登山ウェア
冨田さん:山登りって登りはしんどいんですが、それをいかに快適にするかがウェアの役目。最初揃えるとなるとお金かかるけど、山を登るうちに徐々に色々と揃えていくのがおすすめです。そうやって自分なりの快適さを実現しつつ、美味しいものを食べたり良い景色を見る! 登山はやっぱりこれが醍醐味です!
レインウェア以外に、その下に着るウェアも重要ということについてお話をお伺いしてきました。要点をまとめると、
・レインウェアは結局ムレる! その下に着るウェアが重要
・綿はNG。化繊が基本、寒い時期はウール素材のものを選ぶ
・登山用のパンツは軽くて動きやすい! 汎用性が高いのは3シーズン用
・レインウェアに保温性はない。夏の低山でも保温着は持っていこう
以上がポイント。あとは、各メーカーによってサイズ感やデザイン、シルエットなどが異なるので自分の好みと照らし合わせてフィット感が良い物を選びましょう!
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