日本百名山の定義
日本の約70%は山地と言われています。それほどまでに多い山々の中で、「日本百名山」を記した深田久弥氏によると、その制定にはとある条件、基準があったようです。その条件とは、
・「品格・歴史・個性」を兼ね備えていること
・標高1,500m以上の山であるということ
・本人が登頂している山であること
以上の3つです。では、「品格・歴史・個性」とはいったいどのようなものと定義されているのでしょうか?
山の品格
人には人格があるように、山には『山格』のようなものがあるとし、誰が見ても立派な山だと感嘆する山であることを、第一の基準とした。山の歴史
昔から人間との関わりが深く、崇拝され山頂に祠が祀られている山であるというような山の歴史を尊重し、第二の基準とした。個性のある山
芸術作品と同様に、山容・現象・伝統など他には無いような顕著な個性をもっていることを、第三の基準とした。
出典:wikipedia
以上を、百名山に選ぶ際の山の条件として深田氏は述べていました。その他にも「観光開発が進みすぎている山は除外」とも述べられているようです。
このような選定基準から、日本にある素晴らしい山々が百名山として名を連ねたわけですが、当然「候補に挙がっていたがあぶれてしまった山」も数多く存在します。
今回は、魅力的だけど惜しくも選ばれなかった関東・上信越の山々を紹介していきます!
百名山に選ばれなかった関東・上信越の山
深田氏に「上信越地方はどこも高さは申し分なく、選定にもっとも迷った」と言わしめたエリア。さて、いったいどのような山が候補に挙がっていたのでしょうか?今後登る山の参考にしてみましょう!
女峰山(にょほうさん)
標高 | 山頂所在地 | 山系 |
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2,483m | 栃木県日光市 | 日光連山 |
惜しくも百名山の仲間入りは果たせなかったものの、日本二百名山である女峰山。古くから山岳信仰の対象として親しまれ、日光三山の1つにも名を連ねています。かつての修験道だった登山道は、なんと標高差が1,800m!「女峰の馬鹿尾根」という別称があるほどです。
仙ノ倉山(せんのくらやま)
標高 | 山頂所在地 | 山系 |
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2,026m | 群馬県・新潟県 | 三国山脈 |
お花畑と、展望の開けた稜線歩きが気持ちいい日本二百名山の1つです。平標山を経由する登山コースがメジャーですが、この平標山から仙ノ倉山へ続く稜線が広大で素晴らしい!山頂も360度の展望を楽しめます。谷川岳肩ノ小屋から入る縦走コースもおすすめ。
黒姫山(くろひめやま)
標高 | 山頂所在地 | 山系 |
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2,053m | 長野県上水内郡 | 妙高火山群 |
別名「信濃富士」とも呼ばれる、整った山容が特徴的な黒姫山。斑尾山、妙高山、戸隠山、飯縄山とあわせて「北信五岳」の1つでもあります。その昔、容姿端麗な黒姫という娘を慕った毒蛇の想いが実らず、仕返しに水害をもたらしたが黒姫自身がその身を犠牲にして退治した、という伝承が山の名前の由来と言われています。
飯縄山(いいづなやま)
標高 | 山頂所在地 | 山系 |
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1,917m | 長野県 | 妙高火山群 |
北信五岳の1つ。「飯縄」=「飯砂」(飯のように食用となる砂のこと)が名前の起源で、この地に生息する微生物の塊「テングノムギメシ」(天狗の麦飯)を指しています。昔凶作の時に、飯綱権現がこれを人々に配って危機を救ったという言い伝えがあります。