アイスクライミングとは
アイスクライミングとは、凍った自然の滝や人工的に作られた「アイスキャンディー」と呼ばれる氷瀑(ひょうばく)を、道具を使いながら登る冬季限定のアクティビティ。基本的に2人かそれ以上でパートナーを組み、互いにロープで結んで安全を確保しながら登ります。
そもそもどこを登るものなの?
元々は積雪期登山において、登頂するための合理的な方法としてアイスクライミングの技術が生まれました。現在では、アイスクライミングそのものを目的とするケースも多く、人工的に作られたアイスキャンディーなどは練習の場としても利用されます。巨大な冷凍庫のような屋内ジムもありますよ。
アイスクライミングに必要な道具
基本的に積雪期の登山装備を用意します。ゲレンデ(アクセスがしやすいエリア)では動きやすいソフトシェルが使いやすく、山頂を目指すようなマルチピッチの場合にはハードシェルがベストです。叩いた氷が顔面に落ちてくることもしばしばありますので、サングラスやゴーグルを着用することがおすすめ。
使用する道具を一式揃えると非常に高額なので、道具レンタルできる施設を後半でご紹介しますのでご安心ください!
【服装】
・積雪期用登山ウェア一式
・積雪期用登山靴
【装備】
・アイスアックス
・アイゼン
・ヘルメット
・クライミング道具一式
アイゼンの選び方
アイスクライミングに使用するアイゼンは、前爪が縦(垂直)に付いているものが最適。前詰めが平たくついているアイゼンも使用することは可能ですが、縦爪の方がより氷に食い込みやすく安定します。また、フロントポイント(前爪)はモノポイント(爪1本)が使いやすいので、デュアルポイント(爪2本)と交換可能なタイプのアイゼンがおすすめです。アイゼンは靴との相性が重要ですので、必ず持っている靴と合わせてから購入しましょう。
アイスアックスの選び方
アイスクライミング用のアックスは、縦走用のピッケルに比べてシャフト(柄の部分)が大きくカーブしているのが特徴。持ち運びにはなるべく軽い方が良いですが、ある程度重さがある方が振扱いやすいです。ブレード部分は「アッズ」と「ハンマー」の2種類から選べます。
アイスクライミングの始め方
アイスクライミングが体験できるスポット
赤岳鉱泉 アイスキャンディ
標高約2,300m、八ヶ岳南部のベースキャンプとして通年営業している赤岳鉱泉の人工氷瀑で、八ヶ岳連峰を望むことができる最高のロケーションに聳え立っています。
電話:090-4824-9986(赤岳鉱泉直通電話)
期間:12月中旬~3月末※氷の状況で変わることあり
参加人数:2人~(クライマー、ビレイヤー)
料金
赤岳鉱泉宿泊客:1シーズン1,000円(シーズン初回に1,000円払えば、以後シーズン中は料金がかかりません)
テント泊・日帰り客:1日1,000円
貸出可能用品:ヘルメット、アックス、アイゼン(各500円)
※貸出可能な数に限りがあるため、できるだけ持参推奨
アイスクライミング初心者体験会
ハーネス、ロープ、アイゼン、ヘルメット、アックス等の道具が不要!アイスキャンディの初心者向けルートをトップロープで数回登れます。 安全確保はスタッフがやってくれるので安心です。 ※前日までに赤岳鉱泉受付で要申込、各回先着10名
赤岳鉱泉 ホームページ
小川山 岩根山荘 アイスツリー
長野県と山梨県の境に位置し、フリークライミングのメッカとなっている小川山にある岩根山荘に作られたアイスクライミング施設。駐車場の目の前にあり、使い勝手の良い立地に建てられた高さ11mの氷壁です。
電話:0267-99-2200
期間:1月上旬~3月上旬
利用時間:9:00~12:00、13:00~17:00
料金
宿泊客:大人 1日1,000円/子供 1日700円
一般客:大人 1日2,000円/子供 1日1,050円
貸出可能用品:アックス、アイゼン、ヘルメット等
プロによるレッスンも期間中に定期的に行われており、初心者も用具の無料レンタルを受けて体験コースに参加可能。アイスクライミングの基礎を学ぶことができます。
日本各地にあるイベントに参加しよう!
各地方で、ガイド付きツアーや初心者向けイベントが開催されています。レンタル品も込みなので、普段体験できない刺激が欲しい人はぜひチャレンジしてみましょう!
【栃木】
大自然の中の氷瀑を舞台に、しっかりした指導を受けながら挑戦できるアイスクライミングツアーがあります。
omuche outdoor & sports club
【岐阜】
緩やかな斜面での基礎練習からスタートするので全くの初めてでも大丈夫!ツアー前後に石窯料理の食事もできますよ!
OD FARM 荘川
【北海道】
さすが、ウインタースポーツが盛んな北海道!氷瀑をテーマにしたイベントが開催され、アイスクライミングを体験できるブースがあります。
上川郡層雲峡 氷瀑まつり
アイスクライミング天国 八ヶ岳のスポット紹介
長野・八ヶ岳はアイスクライミングが盛んなエリア。有名なアイスクライミングスポットをいくつかご紹介しますので、どんな場所を登るのかチェックしてみてください!
南沢大滝
八ヶ岳赤岳山荘から1時間ほどの距離にある滝で、眼前に迫る迫力あるサイズ感が魅力のアイスクライミングスポット。一本のロープでトップロープをする場合は70mだとギリギリで、安心して登るためには80mが必要です。
広河原沢
小滝やナメ滝、10m超の大滝などバリエーション豊かな氷瀑の数々を登っていきます。ベストシーズンは12月。滝が雪に埋まってしまって、ラッセルが必要な場合もあります。
ジョウゴ沢
赤岳鉱泉から硫黄岳へ向かう登山道からアプローチ。美しい氷瀑「乙女の滝」があり、様々なラインで登ることができます。景観・登り応えも十分!
峰ノ松目沢
八ヶ岳の硫黄岳西側にある峰ノ松目の南西側を流れる沢で、数m~10m程度の滝が複数あります。南向きのため、天気が良い日が続くと氷結が甘くなる恐れあり。ラッセルなしで楽しめるコースです。
アイスクライミングのテクニック
アイゼンやアックスは使用するたびに金属が摩耗してきます。既にアイゼンやアックスを持っている人は、アイスクライミングに臨む前に研いでおくとよいでしょう。
① 真水で洗い、タオルで爪を拭く
② 常に一定方向にヤスリを動かす(前後にゴシゴシはNG)
③ 厚みを減らしてしまわないよう気を付ける
④ 仕上げに錆止めを塗る
ALTERIA アイスアックス・ピックの研ぎ方
刺激的なアイスクライミングに挑戦してみよう!
刺激的なアクティビティのアイスクライミング。体験できるスポットやツアーなどが豊富にあり初心者でも気負わず楽しめるので、「やってみたい!」と思った方は今年の冬に是非挑戦してみてはいかがでしょうか。