アイゼンとは?選び方から付け方まで徹底解説【山岳ガイド監修】

冬山での登山では、スリップ・転倒・滑落防止のためアイゼン携行が必須です!また、夏山の雪渓歩行でもアイゼンがあると役立ちます。冬山低山派から本格冬山派までが選べる、軽アイゼンと12本爪アイゼンをご紹介します。


アイキャッチ画像:Y.Matsuzaki

アイゼンとは?

氷や氷化した雪の上を歩く際に、滑り止めとして靴底に装着する金属製の爪が付いた登山用具のことです。雪山ではなくてはならない必須アイテムで、登山の目的やルートによりアイゼンの爪の数や爪の長さが違ってきます。”アイゼン”の語源はドイツ語で、英語・フランス語の”クランポン”という呼び方もあります。

アイゼンの特徴と選び方

【特徴】

アイゼン
出典:PIXTA
1.アイゼンの爪の数
爪数が4本、6本、8本、10本、12本と簡易型のチェーンタイプがあります。通常は、爪数4~6本位のものを軽アイゼン(簡易またはコンパクトアイゼン)と呼んでいます。10本爪のものでも爪の長さが短いものがありますが、これは本格登山には不向きです。
2.ベルト
取付け方の違いにより、ベルト(ゴムバンド)タイプ、セミワンタッチタイプ、ワンタッチタイプのものがあります。
3.調整
軽アイゼン以外は、靴の大きさに合わせて10cm前後のサイズ調整が可能です。

【選び方】
雪山の崖に立つ人
写真:Y.Matsuzaki
1.どんな山へ行くかで決める
・低山の冬山や夏山の雪渓歩行の使用では、コンパクトに収納できるため4~8本爪が適しています。その中でもおすすめなのが6本爪です。
・本格的な冬山や歩行時間の長い冬山縦走には、8~12本爪が必要になります。8本爪は中途半端なので、10本か12本かという選択になりますが、どうせ買うなら前爪のある12本をおすすめします。

2.装着方法による選び方
アイゼンをつけた登山靴
出典:pixabay
◆ベルトタイプ◆
軽アイゼンを始めとし、ほとんどの靴に装着が可能です。ワンタッチアイゼンに比べると装着に多少時間がかかりますが、慣れれば簡単ですし、しっかりと固定できるので安心です。冬山登山に挑戦しようとする登山者が、最初に買うアイゼンとしておすすめです。

アイゼン
出典:Amazon
◆セミワンタッチタイプ◆
靴にあるコバという引っかかりを利用して取り付けるタイプで、つま先又はかかとのどちらかをワンタッチで固定し、一方はベルトで固定します。このタイプの靴は冬山以外でも使用できるので応用がききます。
◆ワンタッチタイプ◆
靴の前と後にあるコバに引っかけて装着します。取付けはとても簡単です。但し、靴の前後両方にコバが付いている事が前提で注意が必要です。
アイゼンのコバの説明
出典:Y.Matsuzaki
黄色い○がコバという部分。セミワンタッチタイプとワンタッチタイプは、このコバにアイゼンを引っ掛けて装着します。

【ワンポイントアドバイス】
軽アイゼン以外のものを選ぶ際は、靴(ブーツ)の大きさ、特に横幅サイズが異なるため、ご自身の靴を店頭へ持参の上、合わせるのがベストです。

軽アイゼン&12本爪アイゼンおすすめ9選

<【軽アイゼン】
ITEM
モンベル チェーンスパイク
重量:385g(ペア)
サイズ:XS,S,M,L
カラー:全4色

先日の大雪の後の低山で使いました。雪はもちろん氷もガッチリ噛んでくれました。低山や夏の雪渓なら充分だと思います。なんと言っても着脱がラク!オススメです!


スタッフバッグ付きの左右一足分セット。装着も簡単で、冬の低山や夏の雪渓歩行に最適な軽アイゼンです。
ITEM
カンプ フロスト
重量:約554g(ペア)
サイズ:36~47(EUR)
カラー:―

イタリアのメーカー、カンプの6本爪軽アイゼン。ラチェットタイプで簡単に装着ができます。
ITEM
マウンテンダックス 6本爪アイゼン HG120
重量:約452g(ペア)
サイズ:―
カラー:―

最近見かけるチェーンアイゼンとかラチェット式とかで迷っている方も多いかと思いますが、この形をお勧めします。6本爪を選択すると言うことは本格的な雪山を目指しているわけではないため、雪があったりなかったりする状況では脱着する機会が多くなります。そこでつい脱着が簡単そうなラチェット式などに目が行ってしまいがちですが、これらはとにかくがさばります。せっかく収納袋が付いていてもうまく入りません。その点このタイプは本当にコンパクトにまとまりますし、脱着も決して面倒ではなく実に簡単です。



両サイドにワイヤーとチェーンを使用しているため、幅調整が不要な軽量・シンプルな軽アイゼン。収納ケースに装着方法も載っています。

ITEM
モンベル スノースパイク6 クイックフィット
重量:580g(ペア)
サイズ:S、M、L
カラー:全1色

長く12本爪アイゼンを使ってきましたが、そんなには険しい山も行かなくなったので購入しました。やはり軽く前爪が無いので引っ掛かることもありません。それに靴底に雪が付かないので大変楽です。ベルトもとても閉めやすい!お薦めです。

スタッフバッグ付きの左右一足分セット。ブーツへの取り付けはナイロンテープで留めるだけのコンパクトなモデルです。冬の低山、夏の雪渓歩行におすすめです。

【12本爪アイゼン】
ITEM
ブラックダイヤモンド セラックストラップ
重量:860g(ペア)
サイズ:23cm~29cm
カラー:―

アイゼン本体はステンレスで錆もほぼ出ないと言って良く、メンテナンスがほとんど不要で気楽です。もちろん使用前にベルト劣化等の点検は必要でしょうが、普段は錆による可動部のダメージや見た目を気にする必要がなく、手入れする必要があるアイテムの多い登山にあってこれはかなりありがたいことです。

縦走登山からバリエーションまで対応可能。軽量・堅牢で錆びにくいステンレススチール製です。

ITEM
グリベル エアーテックニュークラシック
重量:約890g(ペア)
サイズ:23cm~28.5cm程度
カラー:―

やっぱり、期待した通りにしっかりとしたつくりであり、その機能も素晴らしい。


12本爪ベルトタイプ。一般的な冬山登山、岩と雪のミックスルート用。 軽量で収納サイズはとてもコンパクト。
ITEM
モンベル カジタックス LXF-12
重量:880g(ペア)
サイズ:S,M,L
カラー:―
12本爪ワンタッチタイプ。冬期の縦走からアルパインクライミングまで、幅広く対応します。
ITEM
ブラックダイヤモンド クランポン
重量:860g
サイズ:-
カラー:-
12本爪ベルトタイプ。フロントポイントが長めなので、縦走登山・冬壁・アイスクライミングにも対応します。
ITEM
ペツル バサック フレックスロック
重量:約940g(ペア)
サイズ:サイズ:36~46(ヨーロッパサイズ)
カラー:―

私はコバのないクラシックな登山靴に装着するため購入しました。残雪の立山や冬季の南アルプスなど2シーズン使いましたが、当然ですが外れることは無く、ズレることもありませんでした。各爪も鋭く、縦走用では尖りすぎなくらいです。安心感と完成度が極めて高いとても良い商品です。

12本爪ベルトタイプ。雪上ルートや縦走、急斜面、あらゆるコンディションで高い安定感を発揮します。

アイゼンを使う時の注意点

アイゼンをつけて歩く人たち
写真:Y.Matsuzaki
1.靴とアイゼンに隙間ができないようにしっかりと固定。隙間があるとそこに雪が詰まります。きつい位でちょうどいいです。
2.歩行時には少しガニ又で歩くと、スパッツに引っかからず転倒を防ぐことができます。
3.湿った雪上だとだるま式に雪が靴底に付着します。その時はピッケルやストックで叩いて落とすといいです。
4.使用後は必ず乾燥させて保管。サビ防止のため、金属部にはワックス等でお手入れを

安全・快適な雪山登山を!

雪山を歩く人たち


写真:Y.Matsuzaki

冬山登山は危険と隣合わせです。アイゼンをはじめ冬山装備は万全にして ”ゆっくり・慌てず” の安全登山を心掛けましょう。そこには冬山でしか出会えない素晴らしい景色が待っていますよ!

Let’s enjoy snow field!
白銀の世界を楽しもう!

紹介されたアイテム

モンベル チェーンスパイク
カンプ フロスト
マウンテンダックス 6本爪アイゼン HG…
モンベル スノースパイク6 クイックフィ…
ブラックダイヤモンド セラックストラップ
グリベル エアーテックニュークラシック
モンベル カジタックス LXF-12
ブラックダイヤモンド クランポン
ペツル バサック フレックスロック

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matsuzaki yoshifumi
matsuzaki yoshifumi

奈良県内を中心に登山ガイドとして活動。花や山岳風景の写真も撮り、北信越方面へも出かける。四季折々の 情報発信をライフワークに。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド、全日本山岳写真協会会員。http://www13.plala.or.jp/machann/index.html

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