日本百名山や花の百名山の「至仏山」
標高 | 山頂所在地 | 山域 | 最高気温(6月‐8月) | 最低気温(6月‐8月) |
---|---|---|---|---|
2,228m | 群馬県みなかみ町・利根郡片品村 | 尾瀬周辺 | 17.7℃ | 6.9℃ |
オゼソウやホソバヒナウスユキソウなど貴重な高山植物に恵まれ、日本百名山と花の百名山にも選出されている至仏山。山頂の眺望は360°の大パノラマ!すぐ近くに景鶴山、平ヶ岳、さらには谷川連峰、日光連山なども望めます。
豊かな自然を守るために入山時期を守ろう
至仏山では高山植物保護のため残雪期に登山道閉鎖期間が設けられており(5月初旬〜6月下旬)、山開きは例年7月1日。山開き後も植生保護のため、くれぐれもルート外は歩かないようにしましょう。
至仏山の天気情報と登山地図
てんきとくらす|至仏山日帰りでも歩ける!至仏山の登山コース3選
例年7月1日に山開きを迎える至仏山。今回はグリーンシーズンにおすすめの登山ルートを3つ紹介します。冬の積雪量によっては、7月中旬まで残雪もあります。適切な装備で歩きましょう。
日帰りでも歩けますが、1泊2日の行程で尾瀬ヶ原まで足を延ばすのもおすすめですよ。
日帰り|鳩待峠〜山の鼻〜至仏山の周回コース
最高点の標高: 2204 m
最低点の標高: 1407 m
累積標高(上り): 1028 m
累積標高(下り): -1028 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:6時間5分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
鳩待峠からブナやミズナラの原生林を抜け、山ノ鼻経由で至仏山へと至るコースです。眼下に広がる尾瀬ヶ原の奥に燧ケ岳がそびえる眺望を味わえます。
山ノ鼻は高山植物の種類も多く、自然観察にぴったり!山ノ鼻から山頂までの東面道は基本的には登り一方通行なので、注意しましょう。
日帰り|最短で往復!鳩待峠〜至仏山ピストンコース
最高点の標高: 2204 m
最低点の標高: 1589 m
累積標高(上り): 909 m
累積標高(下り): -909 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:4時間50分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
鳩待峠から西へ登り、小至仏山から至仏山へと至るコースです。帰りには同じ道を戻るピストンルートは至仏山登頂の最もオーソドックスなコースとなっています。開始30分ほどで現れる湿原のお花畑からは燧ヶ岳や尾瀬ヶ原の一部を見る眺望も楽しめます。
1泊2日|尾瀬ヶ原と至仏山を一度に満喫コース!
最高点の標高: 2204 m
最低点の標高: 1397 m
累積標高(上り): 1117 m
累積標高(下り): -1117 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 1泊2日
- コースタイム:9時間35分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
もっと尾瀬の自然に触れたい方はこちら!1日目は山ノ鼻から東の尾瀬ヶ原を散策。山ノ鼻に宿泊し、2日目に至仏山頂を目指すコースです。山ノ鼻から龍宮小屋の道のりは高山植物の宝庫!お花畑と燧ヶ岳を見ながらの最高のハイキングになりますよ。
中級者以上はこちらをチェック!
登山中級者以上はこちらの記事をチェックしましょう!
至仏山の玄関口・鳩待峠までのアクセス
登山客だけではなくハイキングや温泉など観光の方でも賑わう尾瀬エリアには色々なアクセス方法が用意されています。津奈木〜鳩待峠はマイカー規制もありますので、車やオートバイでのアクセスの場合は注意しましょう。
クルマの場合
関越自動車道「沼田」IC→国道120号線→国道401号線→県道水上片品線→県道尾瀬ヶ原土出線→鳩待峠
交通規制時のアクセスについて
例年約115日間程度、津奈木~鳩待峠口間では交通規制が行われ、マイカーでの鳩待峠への乗り入れができません。規制期間中は戸倉地区の駐車場にクルマを駐車し、乗合バス・乗合タクシーにて鳩待峠へと向かいます。
規制日に関しては、尾瀬保護財団のホームページにて案内されているので、確認のうえ出かけましょう。
公共交通の場合
各方面からは「戸倉」にて路線バスに乗換となります。紹介した以外にも旅行会社主催の鳩待峠までの直行バスの運行などがあります。
・上越新幹線「上毛高原」より関越交通バス乗車、「戸倉」で乗換−「鳩待峠休憩所前」バス停下車
・JR上越線「沼田」駅より関越交通バス乗車、「戸倉」で乗換−「鳩待峠休憩所前」バス停下車
関越交通|路線バス(片品尾瀬)
・新宿/練馬/川越より関越交通「尾瀬号(季節運行)」乗車、「戸倉」で乗換−「鳩待峠休憩所前」バス停下車
至仏山の山小屋情報
尾瀬には多くの山小屋があります。ほぼ全ての山小屋に入浴施設があり、基本的に個室利用ができるため、初めての山泊やファミリーにも優しいのが大きな特徴。紹介したルート上にある5施設の情報をまとめました。
鳩待山荘
至仏山への玄関口、鳩待峠にある山小屋です。隣接の休憩所はバスの発着でいつも賑わっていますが、宿泊できることはあまり知られていないようで、静かに過ごせる魅力があります。
至仏山荘
山ノ鼻に位置する山小屋です。山小屋というよりペンションを思わせる内装。清潔感も申し分なく、ファミリーにも人気です。テント場もあります。
山の鼻小屋
至仏山荘の裏手、80年以上の歴史があるという山小屋です。いかにも山小屋らしい雰囲気のある静けさに癒されます。
国民宿舎尾瀬ロッジ
国民宿舎協会が運営するロッジです。山小屋よりは大きな宿泊施設になっているので、初めて山泊する方も安心できそう。戸倉に無料駐車場あり。
龍宮小屋
尾瀬ヶ原のちょうど真ん中にある山小屋です。日中は尾瀬ヶ原散策の方で賑わっていますが、近隣施設がないので、夜は静寂に溢れた尾瀬を満喫できます。
泊まらなくても楽しめる!絶品山小屋ランチ
山小屋の多い尾瀬はランチのバリエーションも豊富です。施設ごとに工夫されたランチメニューで山小屋の個性を楽しむのも、登山の良い思い出になりますよ。
至仏山荘
カレーのようにオーソドックスなメニューもありますが、ユニークなのは何と言っても至仏丼!焼き海苔、山芋、舞茸、オクラ、明太子で丼に至仏山の風景が描かれています。花豆ソフトクリームもおすすめ。メニュー展開がとても豊富で目移りしていまいます。
山の鼻小屋
上州麦豚を使用したという豚丼や冷やし中華、カツ重などアットホームな料理がうれしい山の鼻小屋のランチ。手作りのおしるこやこけもものカキ氷などスイーツ系も充実しています。
鳩待山荘(鳩待休憩所)
尾瀬の玄関口としていつも賑わう鳩待峠休憩所。しっかりとした定食をはじめ、そば・うどんメニューもバリエーション豊かなのがうれしいです。下山後のバスを待つ間にコロッケと生ビールで疲れを癒すのもいいですね!
登山帰りに立ち寄りたいおすすめスポット
道の駅「尾瀬かたしな」
鳩待峠から車で約40分ほど、片品村役場にほど近い場所にあり、絶景を観ながら足湯に浸かったり、地元の食材を使った料理を味わうことができます。
道の駅の中で特に注目なのが、地元の人が腕を振るう「村民キッチン」。片品産の野菜を使った料理は旅行客にも大人気。定期的にメニューが変わるため、いつ来ても新しい味に出会うことができます。
道の駅「尾瀬かたしな」|かたしないろ<
花の駅・片品「花咲の湯」
鳩待峠から車で約50分ほどの場所にある「花咲の湯」は下山後の温泉にピッタリ。施設には温泉のほかにもガーデンや雄大な景色を見渡せる展望テラスがあり、登山の疲れをゆったりと癒すことができます。
夏の至仏山は高山植物の宝庫!
夏の至仏山登山の楽しみは、何といっても高山植物!蛇紋岩の恵みである数多の植生で構成されたお花畑と山容とのコラボレーションは、ぜひとも見ておきたい風景です。登山初心者の方も中級以上の方に同行してもらえば十分楽しめますよ。
環境保護目的による規制も厳しいエリアですが、この美しい風景と上手に共存していきたいですね。