【ビギナーの素朴なギモン】「冬でも登山ってできる?」現役ガイドに聞いてきた!
初心者にとって、冬の登山はあまりにハードルが高いと思ってしまいませんか? そこで、初心者でも冬の登山はできるのか、また、その際の注意点などを現役登山ガイドの栗田朋恵さんに教えてもらいました。
2021/12/10 更新
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YAMA HACK編集部
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編集者、ライター。埼玉県秩父市出身。山に囲まれて育ったものの、アウトドアに目覚めたのは30代になってから。現在は、夫と小学生の娘と3人でキャンプや低山ハイキングを楽しんでいる。合同会社ディライトフル代表。
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初心者でも、冬の山に登っていいの?

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冬の登山と言えば、写真のように雪の中を特別な装備で登るイメージがありませんか? 一般的には登山って、春から夏の暖かい季節にするものだと思ってしまうのですが、私たちビギナーでも冬の登山ってできるのでしょうか。
今回はそんな素朴なギモンを、現役登山ガイドの栗田朋恵さんに教えてもらいました。

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行き先を適切に選ぶことで、初心者でも冬の山を楽しめます! 冬でも登れる山はたくさんありますよ。
私は、登山と言えば春から初秋くらいまでしかやりませんでした。最近登った山と言えば高尾山とか、三浦半島の大楠山とか、ほとんど低山だけなのですが…。
標高の低い山は冬ほど快適に歩ける!

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まさに標高の低い山こそ、冬のほうが快適に歩けるくらいです。真夏は気温が高くなるので汗だくになってしまいますが、逆に冬はあまり地上と変わらない気温なので、寒すぎず快適に歩けるんです。
確かに、標高が100メートル上がると気温が1度下がると聞いたことがあります。標高300メートルくらいの低山なら、地上と比べて3度くらいしか気温が下がらないということですね。
行き先選びでまず気にすべきなのは、積雪があるかどうか。それを考えると、標高が低いほど気温が予測しやすく、雪があまり降らないので標高は1つの目安になります。
出典:PIXTA(仏果山の頂上 関東ふれあいの道)
標高何メートル以下なら大丈夫という基準はあるのですか?
それは一概には言えません。地上でも数年に1度大雪が降ることがあるように、標高が低くても絶対に雪が降らないとは言い切れないです。
積雪があるかどうかは、その土地の観光協会やガイド協会などに事前に電話をして聞いてみるのが確実です。
また、「自然の中を歩く」のが目的なら、里山や自然道など、普段暮らしている場所と標高の変わらない場所を選ぶのも、1つの方法だと思いますよ。

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人が多く訪れるメジャーなコースを選ぼう

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他に行き先選びで気をつけたほうがいいことはありますか?
多くの登山者や観光客が冬でも訪れるメジャーなコースがいいと思います。その点では、高尾山や鎌倉のハイキングコースなどはおすすめです。観光地化されたコースなら、天候や積雪情報も得やすいしコースも整備されていて安心です。
冬は特に体感温度の差が激しい! 汗冷えを防ぐウェアの工夫
行き先の選び方がわかったところで、次に気になるのが、何を着て行けばいいかということ。真冬はいくら天気がいい日でも、何時間も外を歩き続けるとなると、寒さに耐えられるのかどうか心配ですが…。