冬こそ”汗冷え”に注意!
栗田さん
標高が低い場所でも、風を遮るものが周囲に何もない吹きさらしの場所では、風で体が冷えます。一方、真冬でも風が無い晴天の日なら、その中を歩き続ければ汗が出ます。でも止まると寒い。つまり冬ほど体感気温の差が激しいんです。
ライター
相馬
相馬
汗をかくと、止まった時に汗冷えしそうですね。
栗田さん
そうなんです。冬ほど汗冷えに注意が必要なんです。冬の登山は寒そうという印象が強いので、ダウンジャケットを着てくる方がいるんですけど、ダウンを着て歩いたらすぐに汗だくになります。さらに、ダウンの下はロングTシャツだけ、という方がいるんですが、これが一番危険。
ライター
相馬
相馬
なぜですか? 暑くなったら脱げばいいんじゃないんですか?
栗田さん
ダウンを脱いだら長袖シャツ1枚…では体温調整が極端過ぎるのです。少しずつ調整できる状態を作っておくことが大事なんです。
ライター
相馬
相馬
難しそうですね…。
栗田さん
「山だから標高が上がって気温が下がる。風が当たると体温を奪う」ということと「動いたら暑くなる」という2つの状態を想定し、簡単に脱ぎ着して調節できるようにしておくのが、理想的なウェアの着方なんですよ。
トップスとボトムス、何を何枚着ればいい?
ライター
相馬
相馬
具体的には何を何枚着ればいいのでしょうか?
栗田さん
まず一番内側に着るものは速乾性があることが大切です。乾きやすくフィット感のあるインナーを下着にします。その上に厚すぎないウールのシャツやネルシャツを重ね、さらにフリースを重ねるイメージです。
風の侵入を防ぐためにレインウェアやハードシェルを重ね着すれば、体温を保つことができます。女性の場合は、ブラジャーも速乾性のあるスポーツブラがいいでしょう。
ライター
相馬
相馬
ではボトムスは?
栗田さん
私の場合は、秋冬用の厚手のトレッキングパンツを履いて、その中に薄手のタイツを履いています。タイツはアウトドア用のものもありますが、女性の場合、80デニールくらいの普段履いているタイツでも温かく感じられます。
朝晩の寒さに重宝するウェアや小物類
ライター
相馬
相馬
その他に防寒用のウェアや小物類で必要なものはありますか?
栗田さん
レインパンツは履けば暖かいので、必ず持って行きましょう。また、小さく畳める薄手のダウンも、天候にかかわらず持っていったほうがいいでしょう。例えば休憩時など行動が止まった時や、帰りに日が暮れてから寒くなった時にも重宝します。
ライター
相馬
相馬
手袋なども必要ですか?
栗田さん
はい、早朝や日暮れ後に気温が下がった時に、防寒用の小物類があるといいですよ。私の場合は、薄手のフリースの手袋、ニット帽とネックウォーマーは持って行きます。これらがあるだけで、保温効果がかなり違います!
ライター
相馬
相馬
晩秋から冬は、昼間は春のように暖かかったのに、日が暮れた途端にガクンと気温が下がることってありますからね。確かに、そういう時にこそ、持っててよかったとなりそうです。
冬ならではの装備ってどんなものがある?
よく冬山登山に必要な装備としてアイゼンや軽アイゼンなどと聞きますが、これはどんな山でも必要なのでしょうか?