「お前と山行くと、いっつも雨だな~!」
これは、実際に編集部員が山仲間に言われたセリフ。「確かにそうだな……」と納得してしまい、そのまま「自分は雨男なんだ!」と信じ込んでいました。それ以来、一緒に登山へ行く時に雨が降ると、「自分のせいだ……」と申し訳ない気持ちに。
とはいえ「原因がわからないし、科学的根拠なんてあるはずがない!」「いい加減雨の山行、イヤだ!」という気持ちが高ぶっていたので、googleで“雨男”について調べてみたら、「関連性の高い検索」にこんな言葉が並びました。
「治し方」がありますね……悩んでいる方は少なくないようです。ちなみに英語だと “Rain bringer”なんて言い方をするそう。
雨男って、つまりどういうこと?考えられる2つのケース
では、実際に何をもって“雨男”とするのか。色々と調べてみた結果、2つのケースが出てきました。
①思い込みと確証バイアス
まず自分が出かける日に限って雨が続くと「自分は雨男だ」と思い込んでしまいます。
一度思い込んでしまうと、人間は『その仮説が正しい』という情報ばかりを集めてしまう確証バイアスによって、自分が山へ行くと雨が降ったということばかりが記憶に残り、「俺は間違いなく雨男だ!」という確証を自ら作り上げてしまうのです。
そもそも日本は雨が多い国です。年間でおよそ117日も雨が降っているそう。単純に考えると、3日に1回は雨ってことです。
それって結構な高確率だと思いませんか? それが「自分は雨男だ」と思い込むキッカケになっているかもしれません。でも実は、たまたま雨が続くことって十分あり得ることなのです!
逆に晴れ男・晴れ女も同じ原理といえます。要は確率の問題。
統計学では10万回おなじ事象を繰り返してやっとAとBが同じ回数になると言われています。だから人によっては「5回連続晴れた」という状況に遭遇することも十分にあり得るのです!
②守護霊説
もう1つはスピリチュアルな話になりますが、雨男雨女には「龍神様」がついている……という説もあります。
龍神様とは、古来より中国で乾いた土地に雨をもたらす神聖な者とされていたそうです。日本でも遠い昔、豊作を願うべく龍神様にお祈りをしていたみたいですよ。
“雨女”は日本の妖怪だった!
現代では、出かけると必ず雨が降ってしまう雨男・雨女という概念がありますが、実は昔、「雨女」という妖怪がいたんです。産んだばかりの我が子を雨の日に神隠しで失った女性が雨女になった……という説があるそうです。
ちょっと待て! 雨の山だって捨てたもんじゃないぞ
「また雨か~」と肩を落とすのはまだ早い!雨の日だって山には魅力がいっぱい。雨だからこその特典をゲットできちゃうのは雨男雨女のメリットです。
緑がきれい!
雨に濡れると、水分をもらった草木は緑が濃く見えてとっても綺麗。雨の雫をまとった山の木々たちがいつもより美しく見える~!晴れの日とは違う雰囲気を味わうことができますよ。
空いてる!
天気が崩れるとわかれば、登山をしぶしぶキャンセルする……という人も少なくありません。そのため、雨の日の山は空いていることが多いのです。しっとり落ち着いた雨の山で、静かに山の恵みを感じてみませんか?
でも、やっぱり“雨男”って言われたくない!
とは言ってみたものの、「本当はやっぱり晴れの登山に越したことはない!」というのが本音。悩んでいる皆さん、雨男雨女を卒業するためにできる3つの方法をご紹介します。
天気を味方につけて、次こそは晴天の山行を目指しましょう!
①気象の知識を身につける
天気予報をしっかり確認して登山に出掛けたものの、実際に山に行ってみたら「予報と違った!」なんてこともしばしばあります。
天気予報を参考にしつつ、登山で役立つ気象の知識として「天気図の読み方」を見につけておくと、天気に振り回されることが断然少なくなるはず。雨男・雨女からの脱却の一番の近道かもしれません。
②晴天率をチェック
気象庁の過去の気象データから日別の気温や降水量、風の強さなどの値を調べることができます。「晴天率が高い日を狙う」というところで、天気予報とあわせてチェックしてみては。
③ええい、神頼み!
最後の砦、お天気の神様に神頼みです。
気象神社は東京・高円寺にある氷川神社に祀られています。お天気の神様は日本で唯一ここだけ。「八意思兼命」(やごころおもいかねのみこと)という知恵の神様が祭神で、もともとは陸軍の気象部にあったそう。お守りを購入してザックにつけるのも◎。
もう”雨男”なんて言わせない!
雨の日って実は悪いことばかりではないですが、でもやっぱり「次は絶対に晴れてほしい!」という皆さん。登山で役立つ気象の知識を身につけ、そして念には念をの神頼みを!
「もう雨男なんて言わせない!」という強いメンタルも荷物と一緒にザックに詰めて……これだけすれば、次の山行は晴天!強運の晴男晴女になれるかも!?