日帰り登山にぴったり!藤原岳ってどんな山?
標高 | 山頂所在地 | 山系 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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1140m | 三重県いなべ市・滋賀県東近江市 | 鈴鹿山脈 | 22.5℃ | 14.1℃ |
岐阜・三重〜滋賀にかけて連なる鈴鹿山脈の北端に位置する藤原岳は「花の百名山」として有名で、多くの登山者が訪れます。「中部の秋吉台」とも呼ばれ、カルスト地形の山としても知られています。特別天然記念物のカモシカなどの生息地でもあり、豊かな自然と触れ合える場所です。
また「鈴鹿セブンマウンテン」の一座としても知られています。
「花の百名山」に選ばれた、自然の宝庫
山と高山植物を愛した作家・田中澄江が選定した随筆集『花の百名山』。藤原岳もこの花の百名山に選ばれており、東海地方屈指のフクジュソウやセツブンソウなどの群生地です。特に春先に花をつける植物が豊富で、シーズンになると多くの登山客や観光客で賑わいます。
登山適期は?
最も人気のある登山シーズンは、可憐な高山植物の芽吹く雪解け後。春の訪れを感じるため、多くの登山者が訪れます。また春先だけでなく、新緑や紅葉、樹氷など1年を通して美しい自然を楽しむことができるのも藤原岳の魅力。季節を変えて何度でも訪れたくなる山です。
四季折々の美しさを見せてくれる、藤原岳
植生豊かな藤原岳では、季節によって変化する自然の魅力を堪能することができます。
【春】の訪れを知らせる可憐な花々
藤原岳を代表する植物と言えば、晴れた日にだけ花を咲かせるフクジュソウ。例年2月末~4月下旬まで、8~9合目付近で多く目にします。他にも、セツブンソウやカタクリなど可憐な花をつける植物が豊富です。4月に入っても残雪が残る場所もある山なので、着替えや足元の装備は万全にして出かけましょう。
【夏】の緑と青い空のコントラスト
夏は苔や木々の葉色が非常に濃くなり、山の緑を思う存分に満喫できます。晴れた日には写真のような美しいコントラストを見られるかも。また、初夏には8合目あたりでバイケイソウなどの花々、さらに季節が進めばトリカブトなどの花が可憐な花を咲かせます。
【秋】色に彩られる登山道
ガマスミの赤い実や広葉樹の多い登山道、11月上旬には美しい紅葉が見られます。まるで紅葉のトンネルをくぐるかのような登山を満喫でき、たっぷりと秋を満喫できるでしょう。
【冬】にしか見られない白銀の世界
雪の季節になると、山頂一帯が白銀の世界となり美しい樹氷を望むことができます。例年11月中旬〜下旬にかけて初冠雪となり、1月〜3月は50~80cm程度の積雪に。冬の藤原岳を楽しむ際は、アイゼン等の装備をしっかりと準備して行きましょう。
藤原岳への2つの登山コース
藤原岳に登る定番コースを2つ紹介します。2つのコースは山頂付近で合流するので、組み合わせて登りと下りを別コースで歩くのも◎。どちらのコースもしっかりと整備されていて歩きやすく、登山初心者にもおすすめです。
①大貝戸コース(表道)
最高点の標高: 1111 m
最低点の標高: 139 m
累積標高(上り): 1327 m
累積標高(下り): -1327 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間15分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
西藤原駅または、藤原岳登山口休憩所の駐車場より登山スタート。藤原岳登山口休憩所にはトイレがあるのでここで済ませてから出発しましょう。
登山ポストに登山届けを出したら、藤原岳表登山道の標識に従い神武神社の鳥居をくぐって登山道へ入ります。
鳥居~八合目まではよく整備された歩きやすい樹林帯の中を進みます。一合目ごとに標識があるので、ペース配分がしやすく初心者にも優しいコース。
八合目あたりからだんだんと開けてきて、もう1つのコースと合流。ここからはやや傾斜がきつくなりますが、頑張って藤原山荘方面に向かって登っていきましょう。
九合目をすぎると石のゴロゴロした登山道となり、しばらくすると展望が開け藤原山荘にたどり着きます。途中、見晴らしの良い展望台も。
ここからは、視界が開けて気持ちのいい登山道を登っていきます。清々しい空気を楽しんで。
晴れている日には遠くまで見渡せます。
藤原山荘から20分ほどで、ついに山頂へ到着。
なだらかな山頂からは、素晴らしい絶景を望むことができます。いなべ市はもとより、晴れていれば伊勢湾の美しい海やはるか遠くに名古屋駅までも見渡せる大展望が広がり、感動もひとしお。もちろん、目の前には御池岳などの鈴鹿山脈の雄々しい山容を堪能できます。
②聖宝寺コース(裏道)
最高点の標高: 1111 m
最低点の標高: 139 m
累積標高(上り): 1619 m
累積標高(下り): -1619 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間50分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
大貝戸コースと同じ駐車場を利用し、登山口となる聖宝寺まで歩いて移動。看板を頼りに向かいましょう。
もみじで有名な聖宝寺からのコースは、やや長い石段を登るところからスタート。
石段を上りきり、山道となってからしばらくすると砂防ダムが現れます。
ダム脇の階段を進みましょう。階段を登り、裏側を下るとまた山道へ。
五合目をすぎると歩きやすい尾根道に。しばらく進むと八合目で①のコースと合流します。
八合目からは①のコースと同様に、展望の良い道を辿って山頂へ。
時間があったら「天狗岩」へ!
藤原山荘の北には、竜ヶ岳や伊勢湾までの大展望が広がる「天狗岩」があります。藤原山荘から往復1時間程なので、時間があれば合わせて訪れるのがおすすめ。
登山前に藤原岳の天気と地図をチェック!
グルメや温泉も見逃せない!
藤原岳の麓のいなべ市には温泉やグルメスポットが揃っています。下界に戻ったら温泉でのんびり汗を流し、美味しいスイーツを堪能するのも登山の楽しみのひとつですね。
必食!いなべの「茶っぷりん」
いなべ市は緑茶の産地としても有名です。いなべ産のお茶を使ったプリンは風味豊かで味が濃いのが特徴。煎茶、かぶせ茶、ほうじ茶などお店によって違った味を楽しむことができます。個性豊かなプリンを食べ比べるのも良し、お土産にもぴったりです。パッケージも可愛いので、どれを選ぶか迷ってしまうかも。
▼いなべ市のグルメはこちらをチェック!
いなべ市観光協会|食事処
登山後は温泉でさっぱり!
登山口から車で10分ほどの場所にある「阿下喜温泉あじさいの里」はかけ流しのアルカリ性温泉。肌に優しいお湯で、登山でかいた汗を流して疲れを癒しましょう。
「日本のまんなか♥いなべ山女子フェスタ」が充実の内容らしい…?
「日本のまんなか♥いなべ山女子フェスタ」とは、いなべの大自然の中で気軽に山とアウトドアを楽しめる、女性限定宿泊型の体験イベント。 いなべの美味しいものが大集合する夕食交流会や、かわいくおしゃれにアウトドアを楽しむためのワークショップなど、山女子ならテンションの上がるイベント満載です。アウトドア好き女子は要チェック。
またフェスタ以外にも「お花見登山」「雪山体験登山」など、山をもっと楽しんでみたい!という女性向けイベントも開催しています。
登山&ワークショップ
テント設営・パッキング講座や木工スプーン作り体験など、アウトドアを楽しむためのワークショップが充実しています。また、ビギナーから経験者までレベルに合わせたアクティビティを選択できるのも魅力的。
きれいなトイレとシャワー完備のキャンプ場でお泊り
会場となる青川峡キャンピングパークは清潔なトイレやシャワーを完備したきれいな施設。テント以外にコテージも選択できるので、テント泊が不安な人でも安心です。また、夕食にはメインディッシュの他、新鮮な野菜のお惣菜や炊きたてご飯、地元で人気のパティシエのスイーツなど、いなべ市の美味しいものが大集合します。朝食と昼食(お弁当)がついてくるのもうれしいポイント。
登山口へのアクセス
2つのコース共通となる登山口までのアクセスを紹介します。マイカーでも電車でもアクセスしやすいので、参考にしてみてくださいね。
クルマの場合
名神高速道路「関ヶ原」「彦根」IC―東名阪自動車道「四日市」「桑名」東員」IC
公共交通の場合
JR・近鉄「富田」駅―三岐鉄道三岐線「西藤原」駅より徒歩で5分
三岐鉄道|公式サイト
見晴らしもお花もたっぷり楽しめる藤原岳へGO!
初心者でも手軽に登れて豊かな自然と絶景を味わうことのできる藤原岳。下山後の温泉やグルメなどのお楽しみも充実しているので、みんなでワイワイ出かけるのも楽しいですね。季節によって様々な表情を見せてくれる藤原岳の魅力を満喫しに、気軽に何度でも出かけましょう!
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。