【人気No.1】悪路も雪道も物ともしない「四駆SUV」

アンケートの結果、山用の車として利用率No.1の車種は、ズバリSUVでした! SUVを選んだ人の理由としてもっとも多かったのは、やはり「悪路に強いから(4WD)」。

登山口への林道は未舗装でデコボコした道というケースも多く、安心して入山するには4WDは欠かせません。「荷物がたくさん積める」 「車中泊ができる」という声も多く、積載性と快適性のバランスが人気の秘密。
デザイン性や、安全性能の高さも評価されています。
【人気No.2】積載量◎に車中泊もできる「ミニバン・ワンボックス」

「家族や仲間との登山で使いやすい」 「装備が多い登山スタイルにも対応できる」と、積載量の多さと汎用性で支持されたのがミニバン・ワンボックス勢。車中泊にも適したフルフラット仕様を好む声もあり、「車中泊をして、早朝登山に備える」スタイルにもマッチしているようです。
一方で、山道では大きさゆえに運転に不安を感じる人もおり、ある程度の慣れが必要です。
【人気No.3】細い山道や駐車スペースもスイスイ!「軽自動車」

軽自動車派の声としては、「狭い林道でもストレスなく運転できる」「駐車スペースが見つけやすい」 「燃費がいい」といった実用的なポイントが多く挙げられました。
また車体がコンパクトだから、ソロ登山や日帰り登山にはちょうどいいサイズ感と好評。ただし、「荷物があまり載らない」 「上り坂でパワー不足を感じる」という声もあり、使用シーンに応じた見極めが必要です。
車種別のメリット・デメリットは?
車種 | 登山用としてよかった点 | 登山用として惜しい点 |
軽自動車 | 林道・狭小路での機動性◎/維持費・燃費が安い | パワー不足/荷物が載らない |
SUV | 4WD・悪路対応力◎/荷物が多く積める | 燃費が悪い/車体が大きく取り回しに注意 |
コンパクトカー | 燃費◎/街乗りも快適 | 悪路に弱い/荷室が狭い |
ミニバン・ワンボックス | 大容量・車中泊可能/家族や仲間で使いやすい | 燃費悪い/山道での運転にコツが必要 |
セダン | 走行安定性◎/高速移動が楽 | 荷室が狭い/地上高が低い |
電気自動車(EV) | 静音・環境負荷が低い/運転が快適 | 充電インフラ未整備の山間部で不安/車種により悪路に弱い |
人気の3車種を紹介しましたが、登山用としてのニーズにすべて応えられる完璧な車なんてそうそうありません。
たとえば走破性のあるSUVやミニバンでも、登山口が狭い林道の先にある、あるいは駐車場のスペースに限りがある場合、大きな車幅に苦労する可能性も。どれも一長一短です。
というわけで、利用者が実際に感じる車種ごとのメリット・デメリットも洗い出しました。自身の登山スタイルや譲れないポイントを照らし合わせながら、希望の車種を絞ってみるといいかもしれません。
教えて!あってヨカッタこんな性能・仕様

一方、実際に登山用として乗っていて“あってヨカッタ〜!”と実感した機能別の結果を見てみると、「シートが倒せて寝られる」 「後部ドアがスライド式で着替えがしやすい」いった意見が。
とくに多かったのは、濡れた登山靴やザックをそのまま積める「防水ラゲッジ」や、狭い山中での駐車も安心の「バックモニター」など。
スマホ連携カーナビが活躍したという声もあり、登山者の車選びには“道具としての実用性”も重視されているようです。

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【ヴァナス】サロモン マーケティング 鰐渕 航さん

アウトドアブランド「サロモン」のマーケティングを担当する鰐渕 航さんは、登山にトレイルランニング、バックカントリーと本格的なアクティビティを楽しむために全国各地を駆け巡っています。
そんな旅に欠かせないと話すのが、トヨタ・ハイエースバンのフェイスをフォルクスワーゲンのヴァナゴンT3風にカスタムした「ヴァナス」です。
サロモン マーケティング/鰐渕 航さん
以前は日産のエクストレイルに乗っていました。ただ金曜の仕事終わりに登山口付近まで移動して車中泊する登山スタイルが基本なので、多くの荷物を積載しながら、より快適に車内で過ごせるようにハイエースへ乗り換えました。
トランクに備えたベッドキットのおかげで、妻と二人でも足を伸ばして広々と眠ることができ、着替えもスムーズ。翌日のコンディションが劇的によくなりましたね。
また4WDなので雪道も安心。ディーゼルエンジンで燃費も以前よりよくなりましたが、元が商用バンなので凸凹道の揺れや突き上げ、車内騒音など快適性についてはまぁ御愛嬌ということで(笑)。

【ジムニーJB64】会社員 村田くれあさん

登山歴は8年。以前はアウトドアセレクトショップのPRを務めており、スノーボードやキャンプなどアクティブな週末を過ごす村田くれあさんは、スズキの「ジムニーJB64」を愛用中。
その見た目に惹かれ、学生時代からの憧れの車だったというジムニー。どのようなアウトドアシーンでも乗りやすいという点も、購入の決め手だったそうです。
会社員/村田くれあさん
車体がコンパクトで、狭い道なども運転しやすい。冬は雪山にも行きますが、パートタイム4WDなので安心して乗れますし、クルーズコントロールがついているので遠出も楽です♪
コンパクトな分、グループで行く場合には荷物を乗せるスペースが足りなくなりますが、私は夫と2人で登山に行くことが多く、後ろをフルフラットにすれば必要な荷物も十分に積み込めます。
最近は小さなグリルガードとフォグランプを追加で付けました。カスタムパーツが豊富で気分によってスタイルを変えられるのも、ジムニーの気に入っているところです!
【フォレスター X20 l.l.bean edition】グラフィックデザイナー 宮本裕介さん

登山やサーフィンなど多彩な趣味を持つ宮本さんが9年愛用している車は、アウトドアブランド「エル・エル・ビーン」仕様のスバル・フォレスター(2003年式)。90年代を彷彿させるツートーンのクラシックな佇まいが特徴的です。
全国各地の山はもちろん、設置したルーフキャリアに3台分の自転車を積み、離島へ旅に出たこともあるとか。
グラフィックデザイナー/宮本裕介さん
ひと昔前のSUVのためサイズが大きすぎず、かなり狭い道でも意外と取り回しはいいです。またアウトドア仕様のレザーシートなので、泥汚れや雨などをあまり気にせず使えるのも魅力かと。
一方で燃費がいいとは言えないですし、ある程度古い車種ゆえにメンテナンス費もそれなりにかかります。最新の安全性能の進化を見ると、自分の車がちょっと心配になることも(笑)。とはいえ、スバルの4WDは雪道に強いと聞くし、実際に雪道で怖い思いをしたことはこれまで一度もありません。
なにより、地味だけどどこか無骨な外装や、ベージュ系かつレザー仕様の内装は上品さもあって気に入っています。

山行スタイル、譲れないポイントに合わせた車選びを

山までの道のりに、未舗装の林道や狭い山道、急な坂道など、普段の街乗りでは出会わないような過酷なシーンはつきもの。さらに大型の装備を積みたい、車中泊したい、帰路の疲労を軽減したいなど、登山ならではのニーズも多岐にわたります。
そのため多くの人にとっての理想は、走破性や荷物積載力だけでなく、快適性や安全性も含めたよりトータルバランスに秀でた車と言えるでしょう。もちろん登山スタイルや目的地によっても最適な車種は変わるため、まずは自分の優先したいポイントを整理することが大切です。
最後に、アンケート結果をもとに登山スタイル別のおすすめ車種をまとめたので、車選びの参考にしてみてください!
登山スタイル/ニーズ | おすすめの車種 | 理由・特徴 |
---|---|---|
ソロ or デイハイク中心 | 軽自動車 | 狭い林道でもスイスイ。駐車しやすく、燃費も◎ |
車中泊や前泊を多用する人 | ミニバン・ワンボックス | 荷物が多くても安心。フルフラットで快適な就寝空間が確保できる |
テント泊・縦走で荷物多め | SUV | 4WDで悪路にも強く、積載力も抜群。デザインや安全性も評価されている |
雪山登山が多い人 | 4WD車全般 | 悪路・積雪路での走行に強く、安心してアクセス可能 |
仲間や家族と複数人で行く人 | ミニバン | 道具の量や多人数にも対応。車内での着替えや準備もスムーズ |
環境配慮を重視したい人 | EV(電気自動車) | 静音&エコ。ただし充電インフラの有無は事前確認を |