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『これは怖すぎる…』埋まって感じたリアルな雪の恐怖と寒さとビーコンのありがたさ 《ビーコン捜索検証》(2ページ目)

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《実験》早さだけじゃない!?ストレスも安全も左右する捜索の違い

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

しかし、広大な山で雪崩に埋もれた人を探すのは、まさに至難の業。

「ビーコンあり」が捜索に有利なのは言わずもがなですが、「ビーコンなし」で捜索した場合、時間や捜索する側にどんな影響や違いが出るのでしょうか?ビーコンを使って捜索をしてみました。

ビーコン検証

撮影:後藤武久

雪崩に巻き込まれた登山者の代わりには、40cm×60cmほどの段ボールを採用。段ボールはカメラマンが雪に埋め、大迫はその時目をつぶってどこに埋めたかわからないようにします。

実験内容

・ 「ビーコンあり」と「ビーコンなし」の2パターンで捜索
・捜索時間の目安は生存リミットの15分
・捜索範囲は幅15m×長さ20mほど
・捜索者は編集部 大迫のみ

結果は「ビーコンあり」が1分16秒で、「ビーコンなし」では14分9秒かかりました。やはり「ビーコンあり」の方が圧倒的に早い結果となりました。

もちろん発見までの早さは重要ですが、それ以外にも大きな違いがあったようです。それでは、捜索実験の様子を見ていきましょう。

ひとりでも見つけられるスピード救出劇 《ビーコンありの捜索

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

まずは、ビーコンを使って段ボール(埋没者の想定)を捜索。

やるべきことが明確である安心感

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

ビーコンを受信モードにするとすぐに反応があり、埋没者の方向や距離が画面に表示されました。

ヤマハック大迫

編集部 大迫

何も目印のない雪面を前にした時は、どこから探せばいいのかまったく見当がつきませんでした。でも、ビーコンを確認すると探す目安が目で見て分かるので、やるべきことが明確なので、ひとまず安心できました。

実際に雪崩にあったときはきっとパニックになっていて、判断力などが低下していると思うので、この頼もしさはとても心強いでしょうね。

音と目で確認できる距離が、集中力を高める

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

ビーコンが示す方向に進んでいくと反応音が変わり、埋没者が近くなってきたことを知らせてくれます。

ヤマハック大迫

編集部 大迫

(もちろん実際には人が埋まっていないということもあると思いますが)時間に追われるようなストレスがなかったんですよ。やることがハッキリしていたので、集中できたのは大きいと思います。

たったの15分に人の命がかかっているって意識すると焦りそうですけど、ビーコンの音と画面に表示される距離数で、埋没者に確実に近づいていることが分かるので、落ち着いて探すことに集中できました。

余力を残せる安全性

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

ついにビーコンが埋没者を発見したため、プローブを雪面に刺して(プロービング)。埋没者の位置や深さをピンポイントで特定します。どうやら一刺し目で手応えがあったようです。

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

ヤマハック大迫

編集部 大迫

このポイントにいると分かっているので、手応えを予測しながらプロービングに集中できました。不安定な雪面を歩いた範囲も最小限で、プロービングの回数も少なかったため、疲労感はほとんどありません。

山の奥で雪崩に遭遇した場合、体力を消耗していると二次遭難のリスクも十分考えられます。体力の温存は、安全性に直結しますね。

「ビーコンあり」の捜索では、大迫の歩調にはなんの迷いもなく、驚くほどスムーズに埋没者を探し出しました。

道しるべがあるという安心感、時間に焦らない冷静な思考力のキープ、体力の消耗を軽減する安全性と、捜索する側にもビーコンを備えるメリットが大きいことが分かりました。

心も体も消耗する持久戦 《ビーコンなし捜索

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

つぎに、「ビーコンなし」の段ボールの捜索を開始します。

絶望しかない。見渡せるのにだだっ広い捜索範囲

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

今回は、雪崩に巻き込まれた人の流出物がいっさい見られない状況を想定。

※通常はバックパックなどの流出物が、遭難者の位置の目安になることもある

ヤマハック大迫

編集部 大迫

ただただ呆然とするばかりでした。実際の捜索範囲と比べるとかなり小規模な範囲ですが、それでもどこをどうやって探したらいいのか、まったく見当が付きません。

ただただ、見つけられるか不安でした。

ストレスフルな状況による精神的疲労

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

手がかりが一切ないため、捜索の対象範囲を手応えがあるまで20~30cm間隔でひたすらプロービングします。心なしか大迫の背中から悲壮感が。

ヤマハック大迫

編集部 大迫

プロービングを繰り返しても繰り返しても、何の手応えもありません。あとどれくらいやればいいのか……。捜索漏れがないように、等間隔でプロービングしなきゃという緊張感で、より疲弊していきました。

ただでさえ埋没者がどこにいるか分からないストレスがありながら、タイムリミットや自分の安全確保など、考えることがたくさんあって、ストレスが溜まる一方だったともいいます。

時おり遠くを見つめる大迫の様子から、捜索の集中力が途切れ気味になっているのが伺えました。

長時間の捜索で重くなっていく体

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

やっとのことで埋没者を探し当て、掘り出したときには14分以上が経過していました。大迫の顔には疲れがにじみ出ています。

ヤマハック大迫

編集部 大迫

プロービングで手応えがあったと思って、スノーショベルで掘ってみたら樹木……。どの手応えが捜索物か疑心暗鬼になり、時間も体力も無駄に消耗してしまいました。

何度目になるのか分からないほど続けたプロービングで、腕も腰も重たいです。やっと見つけたときには、まさに疲労困憊。見つかった安堵と作業からの解放で、疲れがドッときました。

「ビーコンなし」の捜索は、その大変さがひしひしと伝わってきました。埋没者の位置もプロービングの手応えも分からない不安、時間に追われるストレス、蓄積する一方の疲労

大人数のパーティーであれば効率を少しは上げられそうですが、2~3人のパーティーの場合には現実的な捜索は難しそうです。

「正直これが助かる唯一の方法だと思いました」

雪山でビーコン検証

撮影:後藤武久

夏山にはない荘厳さや美しい雪化粧に魅了される雪山。しかし、その反面には雪崩といった特有のリスクがあります。大事なのはリスクに備えること。

ビーコンなどの雪崩対策装備は他の装備に比べると高価ですが、生命をおびやかすリスク対策には欠かせないアイテムです。買い揃えるのが難しい場合は、インターネットで申し込めるレンタルもあります。

ヤマハック大迫

編集部 大迫

今回の実験をするまでは、僕も「ビーコンって、ちょっと高いよな」という気持ちが少しありました。ですが、埋まると自分ではどうしようもないこと、狭い範囲でも捜索が困難であることがリアルになった今は、同じ金額でも感じ方がまったく違います

購入やレンタルで備えることはもちろんですが、機会があればメーカーやショップが行っている雪山講習やビーコン講習会に参加して実際に経験する機会を作って欲しいです。

雪山に登るならば、仲間や自分の安全と迅速な救助のためにも、ビーコンをはじめとした雪崩対策装備をぜひ装備してください。

今回、使用したビーコン

マムートのバリーボックス

撮影:後藤武久

今回はマムートの「バリーボックス S2」を使用しました。直感的に操作ができ、大型ディスプレイは視認性がよく、シンプルなナビゲーションで、誰でも使いやすいおすすめの一台です。

マムート バリーボックス S2

タイプ デジタル3アンテナデバイス
重量 180g
バッテリー 単四電池×2本

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協力:マムート スポーツ グループ ジャパン株式会社

赤岳鉱泉

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