奥秩父最後の秘境「西沢渓谷」
「一生に一度は行きたい日本の絶景」とも「奥秩父最後の秘境」とも称される「西沢渓谷」。山梨県の秩父多摩甲斐国立公園内にあり、原生林と清流の中、大小さまざまな滝や橋、奇岩など見どころいっぱいの景勝地です。
清流が巨大な花崗岩を削った天然の芸術とも称される渓谷美は、「平成の名水百選」や「森林浴の森百選」、「水源の森百選」などの多くの称号をもらうほどです。
歩きたくなる絶景「西沢渓谷」の見どころとは?
景勝地として有名な西沢渓谷はトレッキングコースとしても人気。多くのハイカーが訪れる魅力は渓谷美だけではありません。
森林セラピー基地認定!原生林と清流の森林浴が爽快
原生林の中、流れる清流沿いを歩く森林浴はまるでマイナスイオンのシャワー。新緑の季節には「森林セラピー基地」にも認定された森で爽快なトレッキングを楽しめます。
圧巻!「七ツ釜五段の滝」
ピンク色が美しい!アズマシャクナゲの初夏
紅葉と清流のコラボレーションが美しい
例年10月中旬~11月上旬ごろ、渓谷を錦の紅葉が覆います。清流と色付いたカエデやモミジのコラボレーションはとても美しく、まさに「一生に一度は行きたい日本の絶景」が楽しめます。
初心者もOK!トレッキングにもおすすめ
西沢渓谷の周囲には、乾徳山や甲武信ヶ岳、国師ヶ岳といった名だたる山が取り囲んでいます。そのため西沢渓谷も登山技術がないと難しいかも……というイメージですがご安心を。その理由を紹介します。
初心者も安心、よく整備されたコース
西沢渓谷を1周する西沢渓谷歩道は、橋や林道、トロッコ道、渓谷道などバリエーション豊かですが、よく整備され初心者も安心。1周約4時間弱、最高点まで標高差300m程度、”ちょうどいい”トレッキングコースとしても人気です。
都心から2~3時間のアクセスの良さ
都内から西沢渓谷までクルマで2時間程度、公共交通機関で2時間30分程度です。渓谷入口には広い駐車場やバス停もあり、アクセスの良さも魅力です。歩くコースタイムと合わせても、初心者でも十分時間を取ることができます。
出かける前には地図と天気を確認しよう!
西沢渓谷を歩く際、地図は必ず携帯しましょう。コースタイムなどが見やすい登山地図がおすすめです。
てんきとくらす|西沢渓谷
マイナスイオンを満喫!西沢渓谷トレッキングコース
最高点の標高: 1419 m
最低点の標高: 1096 m
累積標高(上り): 2303 m
累積標高(下り): -2303 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:3時間50分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
西沢渓谷を西沢沿いにグルっと1周する、滝や橋、広い林道やトロッコ道など変化に富んだコース。全体的に整備はされていますが、すべりやすい場所などもあるので登山靴が必要です。
まず西沢の左岸を登り、一つ目の見どころ「三重の滝」を経て「竜神の滝」など大小さまざまな滝を見ながら、クライマックスの七ツ釜五段の滝に至ります。その後は右岸を下り、大久保沢を経て入口へ戻る周遊ルート。1周約10km、4時間弱、標高差約300mのトレッキングコースです。
西沢渓谷入口から「ねとりインフォメーションセンター」へ
西沢渓谷入口から一般車両進入禁止になっている車道を約30分歩くと「ねとりインフォメーションセンター」へ到着。ここはトイレや登山届などが設置されており、実質上の西沢渓谷への入口となります。ここから甲武信ヶ岳へも登山できるので、多くの登山者が準備をしています。帰りはここへ戻ってくることになります。
二俣吊り橋をから本格的な渓谷歩きに

木の階段を登り「大久保の滝」へ
前半の見どころ「三重の滝」

沢を遡上し大小さまざまな滝を鑑賞


甌穴「母胎淵」や奇岩「カエル岩」など続々見どころが

そしてクライマックスは「七ツ釜五段の滝」
西沢渓谷の最大のみどころ、クライマックス感満載の「七ツ釜五段の滝」が。この滝を見た人の多くの感想が「思ったより大きい」「迫力がある」というのもうなづけます。圧巻の姿に「日本の滝百選」に選ばれた理由がよくわかります。
西沢渓谷終点で休憩
七ツ釜五段の滝を過ぎると西沢渓谷終点に。ベンチなどがある広場になっており休憩に最適です。
なお、この先「黒金山登山口」があり黒金山まで約3時間。時間がある時は挑戦してみては?
復路は旧森林軌道(トロッコ道跡)をのんびり
西沢渓谷終点からは、西沢の右岸の「旧森林軌道」を帰りましょう。この軌道はかつて木材の輸送に使わていたトロッコ列車が通っていた道。平坦で歩きやすいので、清流の音を聞きながらのんびり歩くのに最適です。
大展望台で展望を楽しんだら渓谷入口へ
西沢渓谷へのアクセス情報
クルマの場合
中央自動車道「勝沼」IC−国道140号経由−西沢渓谷市営駐車場
公共交通機関の場合
①.JR中央本線「山梨市」駅−山梨市市民バス「西沢渓谷線」乗車−「西沢渓谷入口」バス停下車
②.JR中央本線「塩山」駅→山梨交通「西沢渓谷線」乗車−「西沢渓谷入口」バス停下車
西沢渓谷周辺のおすすめ情報
みとみ笛吹の湯
西沢渓谷入口からクルマで11分。みとみ笛吹の湯は、山梨市市営の温泉施設です。源泉掛け流しの共同浴場で、露天風呂は自然の中ゆったりできると評判です。市民バス・山梨交通どちらもバス停(笛吹の湯)があるので、公共交通機関利用の場合でも便利です。
道の駅 みとみ
西沢渓谷入口のすぐ手前にある道の駅「みとみ」。西沢渓谷へ入る前、観光客や登山者の拠点になっている施設で、トイレや飲料水の確保に便利。帰りのお土産や食事にも利用できます。
なお西沢渓谷市営駐車場が満車の場合はこちらに駐車することになりますが、紅葉シーズンは西沢渓谷来訪者専用の駐車場(紅葉シーズンの土日祝日は500円)があるので、そちらへ駐車するようにしましょう。
西沢渓谷の絶景をトレッキングで満喫
山深く景勝地が多い山梨県の中でも、特に風光明媚な「西沢渓谷」。清流・渓谷・滝・奇岩、そして紅葉の絶景は観光するだけではもったいない。整備されたトレッキングコースは初心者でも安心して歩け、都心からのアクセスも良好。ぜひ、トレッキングして西沢渓谷の魅力を満喫しましょう。