感動が倍増?!山頂まであまり展望ない”ドM登山”が楽しめる山5選

2021/09/21 更新

山頂からの絶景は登山の醍醐味のひとつ、展望の良い稜線を歩くのは魅力的ですよね。けれども展望の効かない樹林帯の急登を経てたどり着いた山頂、一気に開けたパノラマに出会うとその感動は倍増!?今回はそんなMっ気たっぷりの山を関東近郊から北アルプスまで5コースご紹介します。


アイキャッチ画像撮影:washio daisuke(雨乞岳からの甲斐駒ヶ岳)

山頂からの絶景!最高のスパイスは…ツラい樹林帯の急登!?

ひたすら続く地味な樹林帯の急登
撮影:washio daisuke(ひたすら続く地味な樹林帯の急登)
北アルプスの後立山連峰や表銀座、南八ヶ岳、はたまた北海道の大雪山など、常に大展望が広がる稜線を歩くのは何といっても登山の醍醐味ですよね。

けれども今回ご紹介するのは、その対極を行くドM登山。
展望がほとんどないツラい樹林帯の急登、あえぎあえぎ登った山頂で一気に大パノラマが開けたら…それもまた最高のごほうびになるのではないでしょうか。

そんな山頂からの絶景に出会う感動が倍増するルートを、ドM指数と共にご紹介します!

*ドM指数の算出方法:登山口と山頂の標高差÷片道歩行距離×100
 高尾山・1号路の場合:408m÷4,600m(4.6km)×100=8.8
 (注)あくまでも登山道の急さを表す指数なので実際にはコースタイムや歩行距離も加味して計画を立てましょう

眼前にそびえる甲斐駒ヶ岳・雨乞岳(2037m)|ドM指数:19.9

雨乞岳ルートマップ
地図の出典:YAMAP(雨乞岳ルートマップ)
【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り コースタイム:約5時間・歩行距離:約8.9km
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
ヴィレッジ白州登山口(100分)→水場(80分)→雨乞岳(60分)→水場(60分)→ヴィレッジ白州登山口

交通アクセス

・新宿駅〜小淵沢駅:JR中央線特急で約120分
・小淵沢駅〜ヴィレッジ白州登山口:タクシーで約20分

コースのポイント

カラマツと照葉樹の樹林帯
撮影:washio daisuke(カラマツと照葉樹の樹林帯)
ヴィレッジ白州登山口からいきなり本格的な登りが始まりますが、林床が刈り払われた美しい樹林帯。カラマツ・カエデ・ブナなどの木が多く、紅葉の時期は森が色とりどりに染まります。
主稜線に出ても続く樹林帯
撮影:washio daisuke(主稜線に出ても続く樹林帯)
主稜線に近づくと植生は常緑針葉樹に変わり、笹やぶの中を縫うように続く登山道。やがて樹間から気になる山々が顔を出し始め、期待が高まります。
山頂付近に近づくと広がる南アルプス・富士山の大パノラマ
撮影:washio daisuke(山頂に近づくと広がる南アルプス・富士山の大パノラマ)
山頂に近づき樹林が切れると景観は一変。
目の前にそびえる甲斐駒ヶ岳を筆頭に鳳凰三山・富士山と山梨が誇る日本百名山が連なり、手前には山頂部が白い砂で覆われた日向山を見下ろす山岳パノラマが広がります。

秀麗富嶽十二景・滝子山(1610m)|ドM指数:18.8

滝子山ルートマップ
地図の出典:YAMAP(滝子山ルートマップ)
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り コースタイム:約6時間5分・歩行距離:約12.3km
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
JR初狩駅(55分)→林道終点(45分)→水場(70分)→檜平(50分)→滝子山(35分)→檜平(45分)→水場(30分)→林道終点(25分)→JR初狩駅

交通アクセス

・新宿駅〜大月駅:JR中央線特急で約60分
・大月駅〜初狩駅:JR中央線で約6分

コースのポイント

水場までは沢沿いの登山道
提供:ヤマレコ/cidar(水場までは沢沿いの登山道)
JR初狩駅から藤沢川沿いの車道を経て林道を歩き、沢沿いの登山道を水場まで。せせらぎの音を聞きながら約450mの標高差を一気に稼ぎます。
男坂の露岩帯
提供:ヤマレコ/cidar(男坂の露岩帯)
稜線に出てからも、まだまだ続く険しい登り。檜平から上部の登山道は、険しい露岩帯の男坂と比較的なだらかな女坂に分岐、どちらを通っても山頂直下で合流します。
提供:ヤマレコ/cidar(山頂から望む富士山の絶景)
山頂に近づくと御坂の山々を前景に堂々とそびえる富士山が。秀麗富嶽十二景・四番山頂である滝子山からは、初狩の町が眼下に広がります。

宝永火口を抱いた富士山・愛鷹山(1187m)|ドM指数:16.2



地図の出典:YAMAP(愛鷹山ルートマップ)
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り コースタイム:約6時間55分・歩行距離:約16.4km
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
柳沢入口バス停(15分)→柳沢(25分)→赤野観音(45分)→愛鷹シックスハンドレッドクラブ(25分)→愛鷹林道駐車場(95分)→水場(20分)→愛鷹山(15分)→水場(60分)→愛鷹林道駐車場(30分)→愛鷹シックスハンドレッドクラブ(30分)→赤野観音(20分)→柳沢(15分)→柳沢入口バス停

交通アクセス

・東京駅〜三島駅:東海道新幹線で約50分
・三島駅〜沼津駅:JR東海道本線で約7分
・沼津駅南口〜柳沢入口:富士急シティバスで約29分

コースのポイント

提供:ヤマレコ/draemoon(赤野観音)
柳沢入口から東海道新幹線・東名自動車道をくぐると、沼津市指定有形文化財でもある赤野(あけの)観音堂へ。ここから新東名自動車道を渡り、愛鷹シックスハンドレッドクラブゴルフ場の脇を登っていきます。
林道を越えて高度を稼いでいきます
提供:ヤマレコ/draemoon(林道を越えて高度を稼いでいきます)
山腹を通る林道を三回ほど越えて樹林帯の中を登っていくと、西側の平沼からの登山道と合流。愛鷹山まで最後のひと登りです。
山頂から望む富士山
提供:ヤマレコ/draemoon(山頂から望む富士山)
一等三角点や桃沢神社奥宮のある愛鷹山山頂からは、宝永火口を抱いた迫力ある富士山の姿が。前景に連なるのは愛鷹連山最高峰の越前岳です。

奥秩父の大パノラマ・飛龍山(2077m)|ドM指数:17.2

飛龍山ルートマップ
地図の出典:YAMAP(飛龍山ルートマップ)
【体力レベル】★★★★☆
日帰り コースタイム:約9時間20分・歩行距離:約16.7km
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
丹波バス停(140分)→サオラ峠(45分)→熊倉山(70分)→前飛龍(40分)→飛龍権現(5分)→禿岩(5分)→飛龍権現(20分)→飛龍山(20分)→飛龍権現(35分)→前飛龍(55分)→熊倉山(35分)→サオラ峠(90分)→丹波バス停

交通アクセス

・新宿駅〜立川駅:JR中央線で約36分
・立川駅〜奥多摩駅:JR青梅線で約76分
・奥多摩駅〜丹波バス停:西東京バスで約54分

コースのポイント

サオラ峠まで続く険しい登り
提供:ヤマレコ/kuboyan(サオラ峠まで続く険しい登り)
害獣除けのフェンスが設置された登山口から、樹林帯の中のジグザグの登りをひたすら詰めていきます。まさにドM登山の真骨頂…。
熊倉山〜前飛龍周辺は比較的なだらかな稜線
提供:ヤマレコ/kuboyan(熊倉山〜前飛龍周辺は比較的なだらかな稜線)
サオラ峠から先は、若干ですが稜線の傾斜が緩やかに。広葉樹林に包まれた尾根は、秋には美しい色合いを見せてくれることでしょう。
禿岩からは奥秩父主脈の稜線を一望
提供:ヤマレコ/kuboyan(禿岩からは奥秩父主脈の稜線を一望)
このルートの最大の展望ポイントは、飛龍権現から少し西に進んだ露岩帯の禿岩。日本百名山・甲武信ヶ岳をはじめとした奥秩父主脈の稜線はもちろん、晴れた日には八ヶ岳連峰までを望むことができます。

ラストは北アルプスの日本二百名山・有明山(2268m)|ドM指数:36.5

有明山ルートマップ
地図の出典:YAMAP(有明山ルートマップ)
【体力レベル】★★★★☆
日帰り コースタイム:約7時間40分・歩行距離:約5.7km
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
有明温泉(240分)→有明山(20分)→有明山・南岳(20分)→有明山(180分)→有明温泉

交通アクセス

・新宿駅〜松本駅:JR中央線特急で約160分
・松本駅〜穂高駅:JR大糸線で約26分
・穂高駅〜有明温泉:南安タクシー定期バスで約52分

コースのポイント

ハシゴや鎖場などで高度を稼ぎます
提供:ヤマレコ/omatsu(ハシゴや鎖場などで高度を稼ぎます)
北アルプス・常念山脈の前衛峰である有明山、わずか2.4kmで標高差900m弱を登るためドM指数は脅威の数値に。樹林帯の中に設けられたハシゴや、岩場に掛けられた鎖場を登って一気に高度を稼ぎます。
行動に注意が必要な箇所も点在
提供:ヤマレコ/omatsu(行動に注意が必要な箇所も点在)
ルート上には崩落した斜面を横切る場所や滑落のおそれがある岩場などもあり、慎重な行動が必要。標高が上がるにつれて樹間から時おり北アルプスが顔をのぞかせる様になります。
常念山脈最高峰・大天井岳
提供:ヤマレコ/omatsu(常念山脈最高峰・大天井岳)
有明山神社の鳥居と祠がある山頂からは、北アルプスの絶景が。燕岳・大天井岳・常念岳をはじめとする常念山脈や後立山連峰を一望、山麓を見下ろすと安曇野の田園風景も望むことができますよ。

展望以外にも楽しみいっぱい!樹林帯登山の魅力

樹林帯ならではの潤いの景観
撮影:washio daisuke(樹林帯ならではの潤いの景観)
ここまで山頂での展望にフォーカスしてきましたが、肝心の山頂がガスに包まれて真っ白…ということもありますよね。けれども、そんな時は感動ゼロになってしまうのでしょうか。

沢のせせらぎ、苔むした岩肌、広葉樹林であれば新緑や紅葉など、樹林帯ならではの魅力もたくさんあります。展望がないからこそ、近くの景色に目が行くことでこれらの魅力に気づくことも。

山頂からの絶景以外にも、ぜひ山全体の良さを全身で感じ取ってくださいね。

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washio daisuke

登山の総合プロダクション・Allein Adler代表。 登山ガイド・登山教室講師・山岳ライターなど山の「何でも屋」です。 得意分野は読図(等高線フェチ)、チカラを入れているのは安全啓蒙(事故防止・ファーストエイド)。 山と人をつなぐ架け橋をめざしています。

登山専用コミュニティサイト「ヤマレコ」