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【ガイド監修】雪山に行くなら覚えておきたい!もしもの時に備えた雪のドーム「イグルー」の作り方(3ページ目)

本格的なイグルーに挑戦!

雪に対する慣れは比較的必要ですが、屋根付きの本格的なイグルーの作り方もご紹介しておきます。

こちらは屋根を積みやすくするために円形または楕円形にブロックを積んでいきます。最初は「なんちゃって」と同じように大きなブロックを積んでいきますが、2段目以降は少しずつ内側に寄せながら、ブロックとブロックの間に橋渡しするように積んでいきます。

ブロックを積んでいく様子

2段積んだところですが、内転びになっているのが分かるでしょうか。このようにずらして積む土台を作るために大きなブロックを切り出す必要があるのです
上に行くにしたがってブロックを薄く

上に行くにしたがって、だんだん薄く軽いブロックを乗せていきます。

長いブロックを切り出し、2つのブロックに橋を渡すように積んでいくのがコツです。隙間は後で小さなブロックを積めて塞ぎます。
内側から見た屋根の様子
内側からの写真を見るとよく分かりますね。

屋根も雪のブロックで作るには、ブロックを切り出しながら、どれくらいの太さでどれくらいの強度が出るかという感覚を掴んでいくのがポイントなのですが、それには雪をたくさん扱って慣れている必要があります。

実はこのイグルーは筆者の4作目なのですが、これだけ早くに覚えられたのは、雪国暮らしの経験もあり、ガイドとしても訓練を積んでいたためでしょう。

完成した外観

無事に屋根を積み終わりました。

内部の様子

完成です。

中から見ると隙間はたくさん空いていますが、間に小さいブロックをはめ込んでいけば問題ありません。雪面にクラストができていれば、クラストを切り出して乗せれば簡単です。

荒れている時以外は寝たり座ったりする高さに風が通らないくらい塞げば十分です。隙間から星影や月影が差すのも乙なものです。

積雪がそこそこある場合には小さめに作って雪の中を横に掘り進めて住空間を広げることで、ドームを作る手間を減らすことができます。横を掘り進める時にもブロックを切り出していけば一石二鳥です。

ワンポイントアドバイス

吹雪の一晩を越したイグルー

吹雪の一晩を越したイグルー。

イグルーは隙間を埋めても埋め切れないのが弱点。吹雪のときにはちょっとした隙間から雪が降ってきて、少しずつですがイグルーの中に積もっていきます。風がなく、外よりも暖かいだけ相当ましなのですが、これも程度問題。酷い場合にはイグルーの中にツェルトを張ったりかぶったりしてしのぎましょう。

どうしても大きな雪のブロックを切り出せないなどの問題で屋根を作れないときは、ストックや木の枝を渡してそこにブロックを乗せると屋根を作ることができます。

また、雪が融けてしまうような、気温の高い日や雨の日には屋根付きの本格イグルーは作れません。別の方法を考えましょう。

最後に。本格イグルーは作っている間に崩れてしまうこともあります。それもまたトレーニングと思って、気を取り直して途中からまた作ってみましょう。

雪洞だけではない雪のシェルター。ビバークのバリエーションを増やして安心な雪山ライフを

イグルー内部で寝る様子
ビバークのバリエーションが広がり、いつでもどこでもできるようになれば、安心して山に行けるようになります。テントなどを用意して、万が一失敗した時の備えも万端にした上で、イグルーも練習してみてはいかがでしょうか。

いつでも作れるようになれば、テントを持って行く必要もなくなり、荷物も軽くなりますよ。

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