下の図のような直方体を切り出すつもりでやってみます。底面にも刃を入れますので、刃を入れられる場所(写真で筆者が立っている部分)はあらかじめ掘っておきます。
まずは筆者右側に刃を入れます。
次は向こう側。
今度は左側。
最後に底面。
どの面にも刃が通っていれば、スコップでこじると動きますので、手を入れて運び出します。動かない場合には刃が貫通していない部分があるのでやり直します。また、ブロックは動くのに出せない場合にはどこかが引っかかっていますので、端の方を鋸で少し削ってみてください。
こんなに大きな塊が取れました!
さぁ!作るぞ~!
基本を覚えたところで、いよいよ作ってみましょう。
まずはどんな形にするかおおよその印をつけます。
表面の雪は固まっていませんので、スコップでどけて捨ててしまいます。踏めば固まるような雪質であれば、踏んで固めてしまっても構いません。
シェルター内部になる部分の雪をブロックとして掘り出していきます。土台になる部分のブロックはできるだけ大きく切り出すのがポイントです。
一段掘り出すだけで天井の高さは50cm以上にはなります。非常時のシェルターとしては、この上にツェルトを張れば十分でしょう。
広さもここまで広くなくて十分です。ゆっくり作ってここまで15分。
今回は居心地も重視して、もう一段掘り下げます。
2段目を積む際には、1段目の並びから横にずらして積んでいくと崩れにくくなります。
2段目を積み、出入り口も作りました。
この上にツェルトやタープを張って屋根にするわけですが、ただ張っただけだと中がたるんでしまいますので、ストックなどを渡しておきます。枯れ枝などがあれば使うのもよいでしょう。
今回はタープを張りました。完成です。
中の様子です。隙間が多少ありますが、外から雪を詰めて塞げば問題ありません。
広く作ったのでゆったりです。
ブロックで入り口を塞ぐと風を防げます。雪洞と違って閉じ込められる心配はありません。
「なんちゃって」の限界
もうこれでいいじゃん!と思った方もいるかもしれません。
たしかに、樹林帯や標高の低いところならばこれで万能なのですが、強い風に吹かれる稜線や平原のような場所でビバークすることを考えると、天井が布では飛ばされる可能性があり、リスクが高すぎます。
そんな場所でもビバークするには、本格的なイグルーが必要です。